血圧
老人医療シリーズ 血圧 |
介護ジャーナル 1993.5 イメージラボラトリー「生活介護図書館」発行 |
今月は高血圧の勉強をしましょう。代表的なことをクイズ形式で質問します。
1 高血圧の原因について正しいものを3コ選んで下さい。
- 遺伝傾向
- 砂糖のとりすぎ
- 塩分のとりすぎ
- 太りすぎ
- やせすぎ
2 高血圧の症状について正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- 軽症の場合は症状がないためサイレントキラーと呼ばれる。
- 耳鳴り、頭痛、肩こりといった不定愁訴がある。
- 1日のうち、収縮期血圧(最高血圧)は、20mmHg程度は変動する。
- 心臓との関連はあるが、腎臓とはあまり関連はない。
- 市販の家庭血圧計は不正確なので、医師に測ってもらった血圧値以外は信用できない。
3 高血圧症の一般的治療で正しいものを3コ選んで下さい。
- 減塩食(20g/日)
- 減塩食(6~10g/日)
- 軽い運動
- 薬物治療
- 喫煙
4 高血圧に関して正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- 日本では、高血圧と診断される人は人口の2割程度いる。
- 高血圧の薬を飲み始めると止められないので、なるべく薬は飲まないようにする。
- 病院で血圧を測ってもらうと、普段より高くなることが多い。これを白衣症候群という。
- WHOの定義では収縮期血圧が140以下で拡張期血圧が90以下を正常血圧という。
解答&解説
1.答 1. 3. 4.
はっきりした原因がわからない高血圧を、本態性高血圧症とよぴます。
高血圧症全体の90%以上を占めるとされています。
しかし、遺伝的素因、塩分のとりすぎ、肥満、ストレスなどと深い因果関係があることが分かっています。
2.答 1.○ 2.○ 3.○ 4.× 5.×
軽症の高血圧は自覚症状がないのが特徴です。
知らず知らずのうちに身体をむしばんでゆくので“静かな殺し屋”と呼ばれるのです。
高血圧も進行してくると多彩な症状を呈してきます。耳鳴り、頭痛、肩こりはその代表です。
血圧の日内変動は最近注目されています。一股的には、起床直後から上昇し午前中は高く夕方から夜にかけて低くなり、睡眠中は最も低くなります。
腎臓では血圧の調節に関与する大切なホルモンが作られます。
最近の市販の血圧計は正確です。
3.答 2. 3 4.
一般に日本人の塩分接種量は多いようです。
最近は一般人の健康知識の普及で、1日の塩分摂取量はおおよそ12~15g程度になっています。
軽い運動を毎日することは血圧を下げます。
4.答 1.○ 2.× 3.○ 4.○
高血圧の治療の原則は、食事や運動・減量などの生活改善にありますが、それでもコントロールが困難な場合は、薬物治療を行います。
最近は薬の開発も進み安全に薬物治療ができるので、専門医に相談して下さい。
医師の前では血圧が高くなることが多いようです。
そのためにも是非家庭内で血圧を測定する習慣をつけ、そのデータを専門医にみせることが良い治療につながります。
いかがでしたか。>こういった基礎的な治療を身につけるだけで、日頃の健康管理が随分違ってきます。
次回は糖尿病です。