拒食症

Dr.寺下のズームクリニック

拒食症

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1996.7

朝日生命保険相互会社発行


同僚の不用意な一言が致命傷になることも…

症例

OLのEさん(22)は入社して2年になる。入社時は身長155cmで体重55kgとややふっくらとしたかわいい容貌だった。半年前頃から急にやせ始め、最近は30kg代という。
ダイエットをしているかと思えば急にたくさん食べたり、いかにも異常な感じ。たまりかねたお母さんが
心療内科へ連れていき「神経性食思不振症」の珍断が下された。

誘因

やせ願望に端を発する摂食障害です。若い女性に多く、最近では男性の患者もみられるようになりました。周囲からの「でぶ」などという心無い一言がその誘因となるケースがよくあります。その言葉を気にするあまり、食べることへの恐怖感が進行し、食事を拒否するようになります。

E子さんの場合も職場の男性社員に「ふっくらさん」と言われたことがきっかけでした。悪気はないものの、こうした-言が与える精神的ダメージは大きいのです。

症状

拒食、その結果の体重減少。またその反動として大食いやかくれ食いをしたあと意識的に嘔吐をするようなことがあります。本人の自覚がなかったり、少ないのが特徴です。

治療

致命的な栄養障害を起こすこともあり、慎重で根気強い治療が必要です。
精神的背景まで十分に考慮し、綿密なカウンセリングなどの心理療法が不可欠です。時には精神安定剤や抗うつ剤などの薬物も併用します。また本人に自覚が少ないため、家族ぐるみの治療態勢が望まれます。

予防

普段からものごとを真面目に考えすぎる傾向の人がかかりやすく、悩みを内向させずに友人や家族に何でも気軽に相談する習愕を作ることが最大の予防法です。

    

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