帯状ヘルペス

Dr.寺下のズームクリニック

帯状ヘルペス

ZOOM

1996.10

朝日生命保険相互会社発行

体力が落ちると思い出したように

症例

ケースワーカーのAさん(44)は右の胸にピリピリする痛みを感じはじめてから1週間ほどになる。しかし、外傷など思い当たるふしはまったくない。そのうちに痛みのある所の皮膚に水泡がポツポツ出てきた。

診断

帯状疱疹(たいじょうほうしん)による肋間神経痛ですね。別名「帯状ヘルペス」ともいい、水ぽうそうの原因となるウイルスによって発症します。子どもの頃に水ぼうそうにかかった場合、そのウイルスが神経の一部に潜伏感染(完全に治りきらないで潜伏的に感染した状態でいること)をする場合があります。こうした状態の人が体調を崩して免疫力が弱まった時に、このヘルペスウイルスが再び活性化されて病変を及ばすのです。
Aさんの場合も、生活も仕事がら不規則で、かなり疲労がたまっていた様子です。風邪や悪性腫瘍、結核などを患っていたり、全身の体力が弱っている時にも発病しやすくなります。

治療

抗ヘルペスウイルス剤を患部に塗ったり、内服、または静脈内投与が有効です。困ったことに、この疾患は神経痛の後遺症を残すことがあります。そのためにも早期発見・早期治療が望まれます。病気の発見は専門医なら視診や問診で分かりますし、血液検査なら確実です。

    

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