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心房細動と脳梗塞
Dr.寺下のズームクリニック 心房細動と脳梗塞 |
ZOOM 1997.2 朝日生命保険相互会社発行 |
不整脈の症状自体は良性 血栓などの発生・蓄積が大敵
症例
小さな旅行代理店のオーナーであるSさん(49歳)は、ときどきめまいがして気持ちが悪くなることがある。そんなとき脈をみると脈拍はびっくりするほど不規則だ。病院へ行くと発作性の心房細動と言われた。聞いたことのない病名に、Sさんは首をひねった。
診断
これは不整脈の-種で、心臓の心房という所が1分間に150~200回以上の細かい波打ち(細動〉状態となり、その一部の刺激か心室に伝わり心臓の収縮となって、その影響で脈が不規則になったものです。心臓弁膜症や心筋症ばがりではなく、明らかな心臓病でない場合にも加齢とともに発生頬度が増えてきます。
この心房細動を放置しておくと心臓の中に血栓ができやすくなり、脳梗塞の原因になることがあります。また脈拍数が多くなりすぎると心不全になることもあり、緊急的な処置が必要になります。
治療
安定している場合は無治療で様子をみる場合もありますが、薬物による治療が主になります。電気ショックなどを使うこともあります。いずれも痛みをともなうものではなく、安心して受けることができます。
予防と心得
心房細動は良性に属する不整脈です。自分の症状が良性のものであり、発作が起こってもあわてずに対処できるよう、不整脈の症状を自覚したら信頼のおける医師の指示を受けて頭に入れておくことか大切です。また、脳梗塞などの危険な症状を防ぐためにも、医師の指示にしたがった治療を遵守することが大切です。