突発性自然気胸

Dr.寺下のズームクリニック

突発性自然気胸

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1997.3

朝日生命保険相互会社発行


若い人に意外に多い肺のパンク やせ形の男性は要注意

症例

学生のAさん(20)は、友人と大学で歓談中に猛烈な胸の痛みと呼吸困難に襲われて倒れた。かつぎ込まれた病院でレントゲン撮影を受け、即入院となつた。Aさんは昔から病気らしい病気もしたことがなく、体も175センチ、60キロのスリムなスポーツマンである。


診断

病名は「突発性自然気胸」、簡単に言うと肺がパンクしてしぽんでしまう病気です。原因はいまだにはっきりと解明されていませんが、Aさんのようにやせ形の若い男性に多くみられます。肺は通常ふくらんだ状態を保っています。これは肺がおさまっている器である胸腔きょうくうの圧力が大気より低い状態になっているからです(専門用語で「陰圧いんあつ」といいます)。肺の一部が破れることによってこの低い圧力が保てなくなり、肺がしぽんでしまうのです。しばみ方の程度が強いと肺の機能が失われ、胸痛とともに呼吸困難を起こすのです。

治療

軽症の場合は数週間安静にするだけで治癒しますが、中程度以上では胸腔内にチューブを入れて人工的に陰圧をかけたり、肺そのものの手術を行う場合もあります。いずれにしても専門家の迅速な診断が必要です。また、この病気は再発しやすいので要注意です。

    

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