第2回 「標準治療」と違ったら

 

第2回 「標準治療」と違ったら

NIKKEI NET
日経WagaMaga

2007.2

日本経済新聞社


「自分は的確な治療を受けているのか?」そんな患者の疑念を一掃するため、「治療ガイドライン」をつくろうと尽力し続ける寺下謙三医師。そんな思いのもとに監修した『家庭のドクター 標準治療』(日本医療企画刊)は、既存の家庭医学書とは一線を画す本となっている。「主侍医」制度と理想の医療を追求し続ける寺下医師に、「標準治療」を知る意味と、患者が持つべき意識を聞いた。


もしメディアで報道される「標準治療」と、自分が受けている治療が異なる場合でも、一概にレベルが低い治療とは言えません。それには、次のような理由が考えられます。

まず、病気にはさまざまな治療法があり、すべての「標準」を伝えるのは難しいことです。標準的な治療を踏まえた上で、先進的な治療が施されている可能性もあります。薬の投与に関しては、薬の名前は千差万別ですから、同じ系統の薬で違うものを用いられていることもあります。

ただ、一般の方からすれば、「自分は間違った治療をされているのではないか」と思われることもあるでしょう。疑問に思ったときには、医師に聞いてみるのが一番です。言いにくいかもしれませんが、「こういう治療が標準的な治療と本に書いてありましたが、先生は特殊な治療をしていただいてるんですか?」と。そういう聞き方であれば、治療に当たっている医師も快く答えてくれるかと思います。

要は接し方の問題ですね。今は、世の中が問題ある医師の追及に血眼になっていて、医師全体を軽視する傾向にあるように感じます。問題意識が過剰な余りに、挑戦的な患者さんも見受けられ、善良な医師を怖がらせることまであるんです。

そうなると、「医師対患者」以前に、人間対人間の関係として成立しません。より良い関係性構築のためには、良い医者は褒めることです。誰だってそうですよね、挑戦的に来られるより、褒められた方がやる気になります。医師を敵に回すのでなく、味方になってもらおう。そういう姿勢が必要ではないでしょうか。

    

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