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医学・医療

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2020/01/21 全人的医療の意味するもの  

2020年01月21日

専門特化して狭い視野にたちがちな現代医療に対して、若干の批判的意味合いも含めて「全人的医療」なる言葉がよく使われる。しかし、その使われ方は多彩であり、僕としても賛同できるものからかなり怪しげな使われ方に感じるものまでいろいろである。一般的に多いのは、心身医学の立場から身体的、精神心理的な両面から病気や健康を考えていく場合に使われる場合だ。また、最近ようやく日の目を見るようになってきた「総合診療」などの分野でも使われることがあるかもしれない。一方、代替医療の分野でも、専門的になりがちな西洋医療を「部分を見る医学」と批判し、「全人的医療」の大切さを喧伝している場面を時々見かける。こうなると少し論理の飛躍を感じるがいかがだろうか?

若い医学生たちに「これからみなさんは、いろいろな専門分野に入り、探究心を持って極めていくでしょうが、常に広い視点から考えることも同時に行うことが大切です」と口癖のように話している。そういった僕の影響なのであろう、消化器外科医の専門を研修10年目の我が息子も「臨床の現場でいると、全人的医療の大切さを実感する」などと後輩の医者や医学生、患者さんがたに切々と話しているのを見て、思わずニタっともするのだが、果たして「全人的医療」とはなんぞや?と自分に改めて問いかけてみた。

ある専門的な病気で患者さんを診るとき、心身両面かつ生物としての人間全体の機能や病態を考えつつ診断や治療のプロセスを考えていかなくてはいけないという従来からの意味合いとしての「全人的医療」は、「総合的な視点と専門的な視点を融合した医学医療の考え方」と言えよう。
医学も他の分野のあらゆる職業と同じく、人の幸せにいかに寄与できるかということが最重要点と僕は考えている。当たり前のことのようだが、となると、「全人的医療」を考えるときには、人(患者)それぞれの価値観が大きく関係してくるということになる。ここがかなり難儀なことになる。医学医療の二大目標は「命を永らえる」ことと「痛みなど苦痛を最小限にする」ことであるということに異論を唱える人は少ないであろう。50年、100年前を考えてみると、この二大目標はかなりいい線に来ているのではないだろうか。しかし、医学と幸せを考えるときに、大きく立ちはだかる問題は「不安」である。50年前に我々が抱いていた健康や医療に対する「不安」の解消は、果たして、いい線まで来ているであろうか?答えは「ノー」である。
「全人的医療」を定義するときに、この「人それぞれの価値観、特に不安」について追求した医療をもう一つの大きな柱として考えなければならないと僕は考えている。

「哲学」ブームは、いつの時代にもある。「哲学」の意味はなんですか?と真剣に聞かれたら困ってしまうが、「何に対しても、ふかーく、ふかーく、よくよく、考えること」と言ってしまっては身も蓋もないであろうか?深く考えなくても楽しく生きられるし、考えすぎて苦しむことも多い。考えることが好きなら、考える癖をつけましょう、結構面白いですよ!という具合であろうか。これもそれぞれの価値観と言える。

幸福論思想家を目指す僕としては、この場でも、いろいろな考えを自由に発信している。今後、価値観、安心を追求した医療の考え方論議をこの場で展開していきたいと目論んでいる。気になる方には、ぜひお付き合い願いたい。

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認知言葉療法 1904主侍医通信より

2019年07月22日

僕は、言葉遊びが好きなのですが、診療でも「認知行動療法」をもじって、「認知言葉療法」と名付けた心理療法を実践しています。言葉を思い浮かべたり、囁いたり、歌にすることは、人間にとっての最強の行動だと思うからです。よく「座右の銘」と言われるのも、自分を励ましたり慰めたりする「言葉」の力を感じているからです。

僕の医療活動でも、理念やモットーなどを色々な言葉で表しています。

「あまり色々な表現をするから、わかりにくいし、覚えにくい」と歴代のスタッフからお叱りを受けることが多々あります。

事務所活動の基本方針としては、

「手を抜かない、諦めない、やり過ぎない」

「知識は最強のワクチン」

「奇跡的医療ではなく、奇跡的安心を」

自分に向けても、若い医師たちへのメッセージとしても

「能力を磨く能力(能力を出し切る)」

「強烈な熱意(熱意を煮え滾らす)」

「ゆとりの誠意(自然な献身)」

などがその主なものです。

 

最近、使い出した言葉に

「真剣な健康管理を!神経質な健康管理ではなく」

つまり、我々の活動ポリシーは「真剣に健康管理をしようと考えている人を徹底的にサポートする」となります。

そしてその基本は「知識は最強のワクチン」です。

「知っていると知らないでは大違い!」

「病気のことを知っている」

「早期の症状を知っている」

「人間ドックなどの結果の解釈を知っている」

「自分の病気や症状に合った専門医を知っている」

「相性の合いそうな医者を知っている」

「まず相談できる医者を知っている」

などなど、、、、真剣な健康管理も結構大変ですね。

 

しかし、本来の仕事で超多忙な方には、それらを丸投げしていただくのが、我々の事務所のメイン事業「主侍医倶楽部」だと考えております。疑問に思うことなどは、我々専門家が代わりに調べ、まとめ上げてから提供します。

とは言っても、時間が許されれば、毎月行っています「テラ小屋医学塾」にぜひご参加ください。知識の強化だけではなく、現役の東大医学生の講義を聞くことは楽しく、日本の未来への希望も湧きエネルギーをもらえます。

毎月第1火曜日6時半からです。

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新年早々老化の嘆き?2019年初の主侍医通信より

2019年02月25日

厳しい寒さも過ぎ去るようだとの気象情報に安堵していますが、インフルエンザの大流行も静まってくれることを願っています。恥ずかしながら最近は様々なところで老化を感じています。寒さにも暑さにも弱くなったことを認めざるを得ません。ゴルフでは飛距離もガタ落ち、記憶力も危うい、などと新年初の主侍医通信で、自らの愚痴を並べるつもりはないのですが、、、。諸先輩がたの主侍医を拝命している立場でありながら、弱気のように聞こえるかもしれませんが、皆様方の気持ちも身に染みて理解できていますと解釈いただきご容赦ください。老化とともに、全ての能力が低下しているわけではありません。主侍医にとって一番大切な、判断力については、経験値がより高まり、柔軟性や寛容性も加わりつつあると自負しています。また、専門医のネットワークは、同年代から若手にも、広まり深まる一方です。また、息子の勇祐ドクターも東京逓信病院の外科医、救急医として活動する中、皆様方の主侍医のアソシエートとして活躍する場面も増えてきました。ご安心ください。

朝のバラエティー番組では、芸能人などの著名人の病気や訃報について大きく取り上げられます。主侍医としても、「医学的に危うい報道はないか?必要以上に不安を掻き立てる内容ではないか?」など、ハラハラしながら見ています。最近では、堀ちえみさんの「口腔ガン、舌癌」の報道が印象的です。不安になられた方も多いでしょう。「もし堀さんの主侍医だったら、もっと早く対処できていただろうか?」いつも、このように「もし主侍医だったら?」と自問自答して、朝方から悩み苦しむことになるので、朝のバラエティー番組が怖いくらいです(マジに!)。

「なんでも気になったら気軽に相談」が主侍医会員の最大のメリットですし、「どんな相談にも真剣に対応」「患者さんの最強の味方の医療コンサルト専門チーム」「不安を取り除くことも大きな目的」を信条にしている我々です。今回のケースも、後追い我田引水的かもしれませんが、「テラ先生、なんだか口内炎が治りにくく、舌の一部が硬い気がするのですが?」と電話いただいたとしたら、1週間以内には口腔外科の専門医(例えば、具体的には東大の口腔外科チームと連携があります)に橋渡ししていただろうと推定しています。その数ヶ月の差で、舌癌が完治できるとは言えませんが、少なくとも治療方法に多少の差が出る可能性が高いとは思います。

気になることがある場合は、まずは気軽にご相談ください。全ての問題を解決できるなどと大それたことは言えませんが、出来うる限りの不安解消にお役に立つことが任務だと心得ております。

 

 

 

 

(主侍医活動報告、諦めない、手を抜かない、やり過ぎない)

昨年の大晦日の日です。主侍医会員のMさんから息子の緊急専用電話に連絡が入りました。ご主人Kさん(88歳)が高熱で、意識が朦朧としている。肺炎を疑い、かかりつけのS病院に受診するようアドバイスしました。Mさんは、病院と連絡を取った上で、救急車で駆けつけましたが、あまりにも重篤でS病院では対処できない、とのことで我々に再度、連絡がありました。状況から、命の危険性も極めて高いと判断されました。大晦日ですから、都内といえども救急体制が整った病院を見つけ搬送するのはかなり困難な状況です。息子の勇祐ドクターが勤務する東京逓信病院の当直を調べると、幸運なことに呼吸器内科のドクターがいることがわかり、救急受け入れの承諾を得ました。Kさんとは、13年前に、肺炎でS病院に入院中に、当時の治療担当主治医よりの往診依頼で拝診したのが最初です。その時も、厳しい肺炎で、ご家族も治療担当主治医チームも助からないかと思っていた状況でした。奇跡的と思われる回復ぶりで、やせ細った身体もみるみるふくよかになられました。そのことがきっかけで、奥様のMさんが、私と主侍医の契約をしていただくことになりました。

Kさんは、その後も何回か誤嚥性肺炎を繰り返しては、重篤な状態になられましたが、回復しています。

最近では、Kさんは生活上の補助がかなり必要な状況でしたが、Mさんの筆舌しがたいほどの懸命な介護により、自宅にての生活を続けてこられました。「筆舌しがたい」の一言では、到底説明できないくらいの介助、介護で、根底にある愛情の深さにいつも感銘を受けていました。

「今回ばかりは無理かもしれませんね。これ以上苦しめたくない気もするし。息子たち(長男、次男(医師)、長女)は、できるだけの治療はしたいとは言っていますが」と、覚悟は決められているご様子でした。

入院時の検査データからは、厳しい肺炎で、呼吸状態も悪く、いつ危篤になってもおかしくない状態でした。

お正月にも関わらず、治療担当主治医チームの懸命な治療とMさんを中心としたご家族の温かい励ましで、一旦回復の兆候を見せましたが、再度、誤嚥を起こしてしまい、重篤な誤嚥性肺炎の状況に陥り、意識もなくなり、酸素濃度の低下、二酸化炭素の上昇などで、今度こそ回復は無理かと思われました。Mさんも「これ以上の治療は苦しみを与えるだけかもしれない」と愛情に溢れるが故の弱気になりました。私も病棟に駆けつけ、今後の方針をどうするか、ご家族や治療担当主治医チームと面談を繰り返しました。治療担当主治医チームのチーフのS先生も病棟担当の若いE先生も、「あきらめずに治療する」という気持ちでいます。これは当たり前のように見えますが、実際的には、とても有り難いことです。回復の可能性も信じている証しでもあります。E先生は、つい先日私の主催する「寺子屋医学塾」の講師を担当してくれた熱意ある大学の後輩でもあります。ポーカーフェースの顔つきながらもファイト満満です。S先生も、冷静に対処してくれています。何度か話をしているうちに、Mさんは、大方あきらめながらも、「もう一度少しでもいいから話しをしたい」という思いが根底にある、と私は確信し、迷っていた「バイパップ」という呼吸補助マスクを使用する決断を主侍医として説得しました。気管挿管一歩手前の呼吸補助とイメージしていただければご理解いただけると思います。(挿管による人口呼吸はしないというコンセンサスはありました)バイパップ装着後、酸素濃度も上昇しましたが、今度はいつ外せる時が来るのか、という判断が迫ってきます。

治療担当主治医チームとご家族の懸命な努力のおかげで、数度目の奇跡がやってきました。つい先日、東京逓信病院を退院し、リハビリ目的で、自宅近くのS病院への転院が叶ったのです。Mさんから「少し食べられるようになりました。元気になったので、余計に手がかかるくらいです」と喜びながらのご報告を受けました。「実名入りでいいから、皆さんに報告して!」と有り難いお言葉もいただきました。

治療担当主治医チームの皆さん、感謝します。

そしてMさん、Kさん、感謝します。今回私どもの信条である「諦めない」「手を抜かない」「やり過ぎない(ちょっとやり過ぎかな)」をスタッフ一同体現できる機会をいただきました。

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じっくり、ゆったり、安心第一 2018年最後の主侍医通信より

2018年12月28日

光陰矢の如し、年末の常用句にもならなくなった感じですが、時の過ぎゆく速さを恥ずかしながらも嘆く日々です。今年の年賀状に書いた「じっくりゆったりと」を思い出し、苦笑いを禁じえません。

今年の7月に北海道に住む義理の父を亡くし、元旦の賀状を控えさせていただきますことをおまずお伝えいたします。医師として北海道の地域医療に尽力し、その功に対して晩年には叙勲し喜んでおりました。そして最後は、数々の医療のお世話になり、その有り難さを噛み締めました。患者側の身になっても、大切なことは「安心」だとしみじみ思いました。危篤状態で、いよいよ危ないとわかっていても「安心」することは有り難いとは、何だか不思議です。

幸福とは何か?最近はいつも自問自答しています。「安心」「自由」「快適」「ワクワク」「満足」「感動」「快感」キーワードは色々出てきます。必要条件は「安心」で、その他は十分条件かなあ、とも思えます。

11月末から、1週間、次男が滞在するパリに行ってきました。ちょうど、激化するデモ騒動と遭遇してきました。そんなことがなくても、異国の地では、言葉も「不自由」で、注文しても予想したものが出てこず「快適」とは縁遠いのですが、電車の中では強引なスリに合いそうになり、「不安」で居眠りどころではありません。海外を旅するたびに、「日本は住みやすい」ことを確認する始末です。一方、日本にはないものを味わうこともたくさんあります。日本(東京)では、バラバラの趣味の建物が乱立し、いつも工事中というのは残念で落ち着かない気がしますが、パリの街並みは、どこに行っても美しく「ワクワク」します。

十分条件を片っ端から取り入れようとすると、「幸せ」は逃げてしまうのかもしれません。

少なくとも、医師として「幸せ」に寄与できることは、「安心」を底辺に、「自由」「快適」に生活できるようにお手伝いすることが任務だと思っています。我々、主侍医チームが皆さん方の不安を容認しているようでは意味がありません。そんな時は、ご遠慮なく叱咤いただき、何なりとお申し付けください。

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患者意思伝達支援とは  1808主侍医通信より

2018年08月20日

記録的な猛暑が続く中、挨拶の最初の言葉の多くを「暑いですねえ」が占拠しているのではと拝察しています。今まで経験したことのない気温ということで、どういうことが起こるか予測がつきにくいこともあります。皆さん、暑さの中では、控えめな行動を心がけるようにお願いします。

我々の事務所の業務を説明する時に、使う言葉がいくつかあります。

「医療意思決定支援」「患者意思伝達支援」ということもその中心となる言葉です。重大な病気は当然のことですが、些細な病気の時や人間ドックの項目選択などにおいても、意思決定をすることは結構困難なことが多いものです。その時の負担を少しでも軽減することにお役に立てればと思っています。また、医師に受診する際に、これから受ける医療についての希望や考え方を伝えることは、表面上は「なんでもお好きな希望をどうぞ」と言われても、なかなか希望を伝えることはできません。「こんなことを言っても、担当医は気分を害さないだろうか」「そもそもこんな希望は無理なのか?」などと思ってしまいます。ここが我々の仕事のもう一つのセールスポイントと言えると、その重大な使命感の認識を日々深めています。皆さんからみると「そこをうまく活用すると有難いサービス」となると思います。自画自賛のようですが、専門医への橋渡しや、患者意思伝達紹介状作成作業や専門医との様々な交渉に際し、我々スタッフは喧々諤々、息子勇祐ドクターとは、どちらがクライアントのメリットかの論争で、親子ゲンカすれすれまでの舞台裏活動をしています。時には、長年交流を続けてきた専門医ともギクシャクし、ひやりとすることもあります。

というような舞台裏ですが、我々主侍医スタッフにはなんでも遠慮なくご相談いただければ、様々な調整役を担当させていただきたく思っています。

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重病時医療決断支援改め 2017/10 主侍医通信より

2017年10月25日
私ごとではありますが、7月末より自宅のエアコンが故障(17年経つので寿命と言われるのですが)し、取り替え工事に来てくれるまで、待つこと2ヶ月。やっと修復したと思ったら、急に涼しくなりました。急激な気温の変化ですので、くれぐれも体調管理のほどよろしくお願いいたします。
 前回の通信(7月号)でも書きましたが、我々は重病時に最善の治療を受けられるようにお手伝いすることを任務としております。プライベイトドクター(主侍医)契約をいただいている皆さまと皆さまよりご紹介のゲストの方を中心に、その任務に当たらせていただいております。
 今までの実績を振り返って、より高度に支援ができるようにと考え、「重病時」という曖昧な対象疾患を再考し、ご紹介のゲストの方の病気を「がん」に限定させていただこうと思っております。そうすることにより、専門医のネットワークや最新の情報をより深く準備でき、より内容の濃いサポートにつながると考えました。また、サポートは単に専門医のご紹介のみならず、「ガン宣告から最善治療開始までの1ヶ月」を丸ごとサポートする包括的なサービスを考えております。詳細は、別途お知らせしますが、費用などにつきましてはお気軽にお問い合わせください。「ガン宣告を受けて、頭が真っ白」とお困りの方がいらっしゃいましたら、ドクターショッピングの前に、まずご紹介いただければと思います。
もちろん、主侍医契約をされている皆様方におかれましては、今まで通り、全ての病気やあらゆる症状についてのご相談をお受けいたしますので、ご安心ください。
 「重病時」と我々が想定してきたものは、「がん」の他に、「心臓疾患」「脳血管障害」「精神疾患」と「その他の比較的稀な疾患」があります。「心臓疾患」「脳血管障害」は救急的要素と予防医学的要素の両輪ですので、普段からご契約をいただいてお付き合いできていてこそ、お役に立てるものです。「精神疾患」は、私自身のキャパシティーが限られることと、確かに紹介できる関連の専門医も極めて少数で、主侍医会員(ご家族)のご相談に限らせていただきたいと考えております。
主侍医契約の方へのより手厚いサポートと、ゲストの方のガン宣告時の不安への徹底的なサポート(1ヶ月間集中型主侍医)の任務に引き続き精進してまいります。
 もう一つ、いつもお話ししていることですが、「寺子屋医学塾」のお勧めです。早いもので、80回目を迎えようとしています。毎回、毎回、面白い講義です。もっともっと多くの人に受講してほしいと思います。現状は10名前後の生徒の参加で勿体無いなぁと思っています。主侍医契約の皆様は、無料にていつでも受講できますので、ご遠慮なくいらしてください。身近な人に代理受講をしていただいても構いませんので、お問い合わせください。
 
2017年10月 吉日 寺下 謙三

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主侍医システムのメリット 2017/7 主侍医通信より

2017年07月26日
個別には、皆様方とはお会いしておりますが、久々の通信となってしまいました。あっという間に猛暑がやってきた感じです。熱射病対策は万全でしょうか?無理のない生活リズムと水分補給、栄養補給などの基本を守ることが定石です。
このところ、ご契約の皆様から依頼されるゲストの方のご相談が続いております。以前から、がんに関するご相談が多いのですが、最近の傾向として脊柱管狭窄症関連のご相談も増えているように思われます。我々も、脊柱管狭窄症や脊椎ヘルニアなどについての専門医との人脈を開拓充実させていますので、気がかりな方はご相談ください。
ガンに関しては、すい臓がん、乳がん、肺がんのご相談が多いようです。ご契約のメンバーの方は、定期的な人間ドックをお勧めしていますので、発見されてもごく早期なのですが、ゲストの方は、結構進行している場合が多く、他の医療機関での治療方針などに不安を持たれてのご相談が多いようにお見受けします。時々「我々が主侍医を務めていたら、もっと早く見つけられたのに!」と残念に思うこともあります。
すい臓がんに関しては、定期的にドックを受けていても、早期に見つかり治癒が見込めるケースは少ないのが現状(日本でも欧米でも)です。その対策として、我々は、ドックのエコーなどで膵臓がはっきり描出されていない場合は、専門医による精密検査(MRCPなど)をお勧めしています。その結果、少し疑わしい所見があった場合は、専門医による綿密な経過観察体制となります。現状の医療技術において、膵臓がんを治癒可能な早期に見つける唯一の方法かと思っています。数年内には、早期発見の検査方法が登場するとマスコミなどで報道され、私としても待ち望んでいるところです。
いずれにしろ、気がかりなことを遠慮なく相談できるのが、主侍医システムの最大のメリットです。相談窓口として、保健師看護師の森田、臨床心理士豊崎が、皆様の患者秘書として待機しておりますので、お気軽にご連絡ください。
2017年7月 吉日  寺下 謙三

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最初から最高の安心を 2016/10 主侍医通信より

2016年10月26日
暑い暑いと思っていたら、あっという間に肌寒くなりました。皆様、体調管理は大丈夫でしょうか?そして、今年もインフルエンザワクチンの予防接種の時期が近づいてまいりました。早めにご予約願います。
 
 最近は、メンバーの方のご家族やご紹介ゲストの方の相談が多くなっています。お役に立てる内容のご相談も多く、スタッフ共々「やりがいのある仕事だね」と手前味噌の満足をしております。ご相談の多くは、まずネットで調べたりして受診してみたが不安になりご相談というケースが多いようです。我々は「最初から最高の安心を!」を合言葉に、「スーパーファーストオピニオン」を提供するように努力しています。世俗的な言葉ですが「その方が結局は早くてかつ安くつく」と、考えています。もちろん、受診後のセカンドオピニオンについてのご相談も喜んでお受けいたしますし、我々がご紹介した受診に対してのセカンドオピニオンでもご希望次第で設定いたします。

 「とっても納得した」「最高に安心した」という笑顔の感謝を原動力に少数精鋭のスタッフで頑張っております。ご遠慮なく、友人やご縁者の方もご紹介いただければ、ご紹介の皆様方も感謝されますようにと全力にて対応させていただきます。

 いつもご案内している「教養のための医学塾」も、日増しにレベルが上がり、面白くなっています。主侍医のメンバーの方はご招待いたしますので、こちらもご遠慮なくお越しください。きっと何かの発見に繋がることと信じています。特に11月の第3火曜日の会は、普段聞けない病理学の話です。お問い合わせの連絡をお待ちしています。

10月 吉日 寺下 謙三

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医学塾のススメ 2016/8 主侍医通信より

2016年08月30日

リオのオリンピックと熱帯夜で睡眠不足の方も多いかとは思いますが、体調はいかがでしょうか?個人的には、オリンピック選手のコメントに感動しつつ、今までのオリンピックの中では熱心にテレビ観戦をしている方だなあ、と思っています。予約録画があるせいかもしれませんが。

そんな中、柔道や卓球や体操始め、活躍する選手たちが「これだけ練習に励んだのだから」という日頃の努力の話を聞くたびに、応援に熱が入るものです。

いつもご案内していますが、数年前より事務所の活動として「教養のための医学塾」を開催しています。主に東大の医学部生に講師を依頼して、難しい内容をコンパクトかつ明解にお話ししていただきます。講師陣は同級生や後輩たちにバトンリレーしていきます。まさに類は友を呼ぶ的に、素晴らしい医学生たちが次から次へ登場します。「あの先輩から頼まれたのだから、頑張らなくては」と内容の充実度には目を見張るものがあります。こんな彼らが、近い将来臨床医や研究者になると想像すると嬉しくなり、また、安心します。講義の後、医学生たちと食事を共にしますが、その時に「医療正義」の話をすると、面倒臭がられるどころかどんどん興味を持ってくれます。また、塾生の方たちの変化もすごいものがあります。20回30回と参加回数が増えるにつけ、塾生の誰もが、みるみる医学的知識やセンスが向上していきます。教育の大切さを痛感します。

こんな真っ当な医学生がいるということに触れ合うだけでも価値があると思いますので、主侍医契約の皆様も是非ご参加ください。私も勿論、いつも出席して医学塾をサポートしています、というより勉強しています。何事も知れば知るほど面白くなるものです。

毎月第1第3火曜日夕刻6時半からです。お待ちしています。

8月 吉日 寺下 謙三

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人間の幸せ度 2016/7 主侍医通信より

2016年07月27日
 英国のEU離脱が国民投票で決議されました。色々な観点からの意見や感想があることでしょう。いずれにしろ国を二分する戦いが起こっていることは事実です。またアメリカではトランプ氏が大統領となる可能性も全く否定はできない状況と見受けられます。「そんな馬鹿な」と大勢が思っているようなことが平気で起こり得るのです。ISや北朝鮮の危機は一向に治まりそうもありません。世界の景気が同時に悪化する懸念があります。国内に目を向けてみると三菱自動車、東芝問題をはじめとした大企業の中枢から発した不祥事が次から次へと明るみに出ています。大塚家具の問題に代表される内紛は後を絶ちません。公務員や医師や大学教授の不正、芸能界をはじめとする不法薬物問題もキリがありません。

 人類は、その類まれな知恵で常に進化を続け、特に直近(?)の2000年の進化には、目をみはるものがあることは誰もが認めるところでしょう。では、それでどれだけ人間の幸せ度が向上したのかというと、それほどでもないのでは、とこれまた多くの人が感じ始めているようにも思えます。

 医学の分野で言えば、寿命が圧倒的に伸びたことが絶大なる進化といえるでしょう。歴史的に多くの人が亡くなった感染症をどれだけ克服し、数十年前には治療を諦めていた白血病や黄斑色素変性症などもかなりの確率で治癒できるようになりつつあります。また手術に際する痛みの制御も驚くほどの進歩があります。開腹手術の翌日には歩けるなんて、私が大学受験直後に自然気胸で入院した時の記憶からは隔世の感があります。

 医療人の一員として、人々の幸せにいくばくかは貢献している、との自負を持ちたいのですが、冒頭に掲げたような大規模な不幸に囲まれた現状に複雑な思いの今日この頃です。

 暗い話をしてしまいましたが、主侍医としてできる限りを尽くす、という原点を大切にしつつ、「幸福論思想家」の活動を目指している身としても、皆さまの笑顔のために奉公したいと思っています。
 
2016年7月 吉日 寺下謙三

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「言い訳」「愚痴」「人のせい」2016/2主侍医通信より

2016年02月03日

今年初めての通信が2月となってしまいましたことをお詫び申し上げます。皆様方に、より有益な医療情報、医師情報、医学情報をお届けする「Terraレター」の準備とより分かりやすいホームページへの改革の作業により遅れました、という言い訳は「使用する機材の到着遅れのために本便が遅れての搭乗となります」という航空会社の言い訳に通じます。「他の要因ではなく同じ会社の中の要因でしょう」と反論されれば、更に苦しい言い訳になります。

年初めから、見苦しい言い訳の話題になりましたが、私が常々言っている3大嫌なことがあるからです。「言い訳」「愚痴」「人のせい」です。これだけは避けて通りたいと、心がけているつもりが、時にはこの三重奏を奏でる自分を発見してガックリポンとなるのです。この3つがなくて、いつも明るく振る舞うことができればどんなに楽しいことでしょうか。

「まっとうな医師を応援することにより、患者の安心納得に貢献する」は事務所の理念です。

これを全うするために、「日本では医療分野の相談助言をビジネスとして成立させる土壌がない」という「言い訳」、「30年以上も前からこのようなことを始めたのは早すぎた」という「愚痴」、「マスコミやインターネットによる情報氾濫でまともな医師が報われない」などという「人のせい」などにしないで、ここまでやってきた真っ向勝負を一気に加速したいとの思いを強めています。

「Terra信頼医師団」の充実強化、一般の方への医学知識の普及の場の「テラ小屋医学塾」、患者と医師の絆を強化する「患者医師マッチング業務」、迷える患者への支援「医療意思決定支援外来」を柱に、今年は更に精力的に活動していきます。主侍医倶楽部は、以上の「全部入り」みたいなものとして、皆様の安心と納得の最大化に貢献できるよう大切に育てていきたいと思っています。

皆様のより一層のご支援をお願いいたします。

2月吉日 寺下謙三

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TERRA信頼医師団応援します。すべては患者のために。

2016年01月13日

私は30年あまりもの間、医療分野の意思決定を支援することを任務として活動してきましたが、そのために大切な要素は二つあると思っています。一つは自らが医療判断医として、クライアントの訴えを詳細かつ丁寧に聞き取り、不安の核心に迫る技術と知識と熱意と誠意を持つことです。そして、もう一つは実際に治療を担当してくれる専門医の方々と親密かつ適度の緊張感を持って共同診療にあたれるような関係を維持していくことです。この二つを磨くことが、クライアントである患者さんの安心と納得を得るために不可欠なものとなっていますし、自らの活動を振り返り苦労はしたけれど自負できるところでもあります。

このような活動の中、素晴らしい医師たちと出会ってきました。日本の医療はこのような人たちで支えられているのだなあとつくづく思います。医師の中で、実際に医療の現場で汗水流して直接患者さんに貢献している人たちの割合が問題だと考えています。研究や教育の仕事を中心にする人も必要でしょうし、管理職や行政の一員として医療の品質を総合的に高めていこうとする人も少数ながら必要でしょう。しかし、そういった意識の薄く、権力とお金しか興味のない人も少なからずいることは結構な問題です。また、医療を金儲けの手段としか考えないような医師もいるでしょうし、勉強不足の医師もいます。また医師免許を持ちながら、医師を辞めていく人も少なからずいます。こういったことが「医師不足だ」「いや医師の偏在だ」とか「勤務医は過酷な労働だ」「開業医はまともに医療をやっていると成り立たない」などの声を反映しているのかもしれません。

何かを良くするのには二つの方法論の方向性があるでしょう。「悪いものを無くす」のと「いいものを増やす」という単純な話です。

マスコミ的には前者の方法論を取ることが多いですが、時には正反対の極論として「神の手」「行列のできる医者」「予約の取れない医者」のようなバラエティー番組を展開します。どちらも困ったものです。まっとうな医師たちは「バラエティなどのテレビに出る暇」はありません。テレビに出る暇があれば、行列に並ぶ患者さん、予約の取れない患者さんを一人でも丁寧に診てあげた方がいいに決まっています。

そんなことを考えていると、「信頼できる医師の信頼している医師は信頼できる医師」という、何やら早口言葉のような言葉が浮かんできました。今まで私の患者さんたちがお世話になった素晴らしい医師たちを「Terra信頼医師団」として、お礼の気持ちとこれからの任務として広めていこうと考えました。
人は、いい模範を見ると自然と真似したくなります。逆に悪貨は良貨を駆逐します。それなら駆逐できないほどの量と質の良貨があればいいと考えました。

よく医師を評価するときに「医師としての能力」と「人間性」の両方が大切だと言われます。「能力」の関しては理解がしやすいでしょう。「技術が高くや知識が豊富であることは良いことだ」に異論はないでしょう。その他「肩書き」「学歴」もある程度は「能力」を反映しているかもしれません。問題は「人間性」の評価の方です。一言で言うとたやすいのですが、その評価は難しいです。難しすぎます。私の仕事で、専門医を紹介するときに、患者さんは「能力」の高さを求めるのは当然ですが、人間性については「優しい人」「一生懸命な人」などと要望されるのですが、個別の場合は、結局は相性みたいなものを大切にしています。一般論で「人間性」というのを説明するのは難しいのですが、私は「熱意」と「誠意」に分けて考えています。「熱意」は文字通り「熱く燃えたやる気」のようなものです。しかし、その動機にはいろいろあります。出世やお金が動機になる人もいれば、使命感で燃える人もいます。名誉やプライドで熱意を燃やす人もいるでしょう。いずれにしろ「やる気満々」なことはいいことなので、あまりその動機を追求しないようにしています。問題は「誠意」です。こちらの定義としては、患者さんとの間の個別なものと考えています。簡単に定義すると「面倒であったり、自分に若干不利益なことであって、相手のために真心で尽くす」ことです。こうなると「熱意」の定義とは異なってきますし、患者さんとの関係性においても、多少は揺れ動きます。人によっては大きく揺れ動くこともあります。「能力」「熱意」はその医師にある程度固定したものですが「誠意」を引っ張り出すには、半分は患者さん側にも責任があることになります。医師といえども一人の人間ですから、患者と医師も人間関係のひとつ、お互い誠意を持って接することが大切となります。私たちは、そういった気持ちで、日々「医療決断支援」という仕事をしています。私の信頼医師団の医師たちは、「誠意」を豊富に持ち合わせています。それでも患者さんの対応次第では、引っ込んでしまうこともあります。患者さん側の誠意をきちんと専門医に伝え、専門医の誠意を引き出し、それをきちんと患者さん側に伝えるのです。誠意をまったく持ち合わせていない人は、ほとんどいません(と思っています。例外はいるでしょうが)

「誠意ある医師を応援することにより、誠意ある患者さんを支援する」
私の事務所の合言葉です。

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医者仲間からの相談 2015/5主侍医通信より

2015年05月14日
今年はいつまで寒いのだろうと思っているうちに、冷房の心配をする気候に突入してまいりましたが、みなさん体調維持は大丈夫でしょうか?
 肺炎ワクチンの接種のお勧めをしています。多くの方は近隣のクリニックで実施されているようですが、当方にてお受けになられる方も連絡をいただき順次行っています。65歳を過ぎた方で、未接種の方はぜひご相談ください。
 長らくご契約の皆様も、私も歳を重ね、あちこちの故障が目立つようになりましたが、最近では医者仲間も同様に歳を重ねられ、医療相談を受けることが多くなりました。最近、関西の大学医学部の教授を務めているTさんからも、「消化器癌になってしまったが、経験豊富で人間的に信頼できる専門医を紹介してほしい」とのご相談を受けました。Tさんは胃がんは専門外です。医師は自分の専門以外の専門医とは意外と人脈は少ないものなのです。また、医師にとってあまり身近な医師には重い病気のことは知られたくないということも多いようです。
 幸い、私が尊敬する胃がんの権威の外科のS先生をご紹介することができました(Tさんもいろいろ調べられてSドクターもしくは癌研有明のグループへの紹介を希望されていました)。ちょうど私も仲間の先生と相談して、Sドクターか、癌研のSドクターにお願いするのがいいかと考えておりました。
 同様のように、医師仲間から医療方針と治療医探しの相談を受けることが少なくありません。
そう思っていたら、今度は恥ずかしながら、2週間前にテニスのレッスン中に右膝を痛めて、階段を普通に登れない状態が続いて、これは半月板か靭帯の問題と観念して、同級生が部長を務める東京逓信整形外科の膝の専門家のKドクターに診ていただきました。手術も覚悟はしていましたが、とりあえず筋力強化のトレーニングにて様子をみることになりました。大好きなゴルフもあきらめようかと腹をくくっていましたが、ひとまず先送りになりました。事務所の階段昇降ではみっともない姿をみなさんにお見せしていますが、ご勘弁願います。
 医者も人の子で、ある程度以上の重病になった時は不安に陥り、そういった時に徹底的に自分の味方となり、治療方針の相談やその分野の信頼できる医師に橋渡ししてくれる存在がなくてはならないと実感し、また、医療判断医としての現在の仕事を更に充実させて広めていく使命感を反芻しています。
 幸い、私には、いろいろな専門分野の仲間がいて、とても協力的です。また、若い世代の専門医たちとも人脈を広げる活動を行っています。
 皆さん方が医療判断で不安に陥った時は全力をあげて、徹底した相談と具体的な助言を持って応えられるよう、日々精進を続けたいと思っています。ご安心いただければと思います。
 
5月 吉日  寺下 謙三

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ちょっとした心身への気配り 2015/3主侍医通信より

2015年03月26日

 三寒四温と言われるように、次第に春の訪れをあちらこちらで感じます。今年は、花粉が多いと予想されていますので、花粉症のある方には少しびくびくものですが、そうは言っても桜をはじめ色々な花が咲き始め、緑も増え始める春は気持ちの良いものです。四季が明確な日本ですから、その良い点をなるべく見つめることができればより幸せ度が増すのではないでしょか。

 前回、お送りしました「養生シート」はご活用頂けているでしょうか?今回もシートを同封させていただきます。記載された方は、ぜひコピーをお送りいただくか、ついでの時にご持参いただければより有用な使用法をアドバイスさせていただきます。根気よい、毎日のちょっとした心身への気配りが病気になる確率を多少ではあるでしょうが下げることになります。もちろん、健康ばかりを意識して、楽しいことを避けたり、仕事量を差し支えるほど減らすのは本末転倒ですが。

 65歳を超えた方は、肺炎ワクチンを是非受けてください。いろいろなワクチンで賛否両論はあるのですが、肺炎ワクチンに関しては、デメリットよりもメリットの方がはるかに高いと私は考えていますし、多くの医師はそう考えているのではないかと思っています。国や地方自治体で助成も受けられます。私どものクリニックでは助成の対象にはなりませんが、他のところでは面倒と思われる方は、ご一報いただければ、1週間以内に準備して当日は数分のお時間で済ませられるようにいたします。2種類のワクチンの選択や接種時期に関しても、お気軽にご相談ください。

 なんどもお知らせしております「教養のための医学塾」もだんだん成熟しております。契約者ご本人は無料で参加できますし、ご家族や社員の方も割引で受講できるよう準備しておりますので、是非、ご検討ください。2、3回出席されると面白いと感じるようになるようです。講師として登壇する東大医学部の現役学生も増え、みんな一生懸命講義内容を考えています。熱心な塾生がより場を盛り上げてくれるものと期待しています。

2015年3月 吉日   寺下 謙三

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医療満足度の最大化 2015/1主侍医通信より

2015年01月29日

2015年の幕開けに際し、今年もみなさまにとって健康的で意義深く楽しく豊かな1年になりますようお祈りいたします。

「医療満足度100%を目指す」は、事務所にとっても私個人にとっても基本的な理念であることはいつも申し上げていることです。つまり医療を受ける側も提供する側も満足度を最大化にすることが使命だと心得ているということです。言ってしまえば、これだけのことですが、その実現のための具体策は限りなく存在し、時には相容れないものも数多くあります。

個別に考えるか、医療全体として考えるかによってもその手法は異なってくるでしょう。主侍医倶楽部で個別に考え、その経験値を活かしながら医療全体(とまでいかなくても、ある程度の規模のマスとして機能することを前提として)における医療満足度の最大化の方法論を考え実行していきたいと考えています。

主侍医倶楽部発足してから25年目に入ります。みなさまも私も歳を重ね、身体のあちらこちらが傷んでまいりました。すでになんらかの慢性病になられている方には、推薦できるドクターへの橋渡し(既にかかりつけ医をお持ちの方はそのドクター)と医療情報の共有をさせていただいています。また、人間ドックのデータなどを私も共有させていただき、問題点となるところがあれば専門医の意見をお聞きしてアドバイスに勤めています。万一重病が見つかった時は可能な限りの最善のドクターへスムーズにご紹介できるよう、様々な分野の専門医との交流に日々努めています。この30年間で、数多くの仲間の専門医の協力を得ましたが、この場を借りてお礼を申し上げたいと思っています。

主侍医の役割で、もう一つ大切なことは、「少しでも病気になる確率を下げるためのアドバイス」だと思っています。これは地味で有難味の実感が少ない任務で、日本ではなかなか予防医学が進まなかった所以でもあります。あくまでも確率を下げるだけで、それははっきりとは目に見えないし、病気になってしまえば、本人にとっては、そんな確率論はどうでもよくなるからです。

25年間を振り返りますと、かなりハードな愛煙家を辛抱強く説得し、禁煙を実行していただいたメンバーの方は結構な数になります。その方のご家族や友人が驚いたくらいです。その方々の病気の確率を大いに下げることに貢献したことはまがいもない事実です。禁煙以外では、なかなか「病気の確率を下げる」という行動は目に見えにくいものです。血圧や血液中の脂肪などを早期からコントロールすることは勿論大切なことですが、一般的にはつい病院の敷居が高く遅れがちになります。昨年から、数年以上採用していた保険診療を取りやめましたが、逆に自由な予防医療ができることになりました。今後は、その利点を活かして、型にはまらないような予防医学の助言ができればと考えています。

例えば、現在は病気というほどではなくても、年1回のドック以外に、数ヶ月に一度は血液で肝機能や血中脂質などのチェックや、保険診療では不可能なLOX index(脳卒中や心筋梗塞などの血管障害を予測)アミノindex(ガンの予測)などの高度な血液検査を行い、飲食や運動の微調整をしたり、PSAの値が若干高めの人には、前立腺がん予防のためにアボルブなどの薬を服用することや、食べ過ぎ飲み過ぎの日には脂肪吸収を緩和させる目的でEPA製剤を服用するなど、保険診療では認められないけれど、私自身が実行したいと考える予防医学的アドバイスを積極的にしていきたいと考えています。

皆さん方に限らず、一般的に、重篤な病気になった時は慌てますし、なんとか最善の医療を受けたいという気持ちでエネルギーは高まるのですが、目に見えない予防医学の助言はしばしば「面倒」と感じたり、時には「鬱陶しく」も感じるものです。禁煙、節酒アドバイスなどはその最たるものでしょう。そこを説得して「では、予防医学実践に取り組んでみましょう」という気持ちにさせるのが、私の任務の重要な一つであると心得ております。

その具体的な方法論として、今月より皆様に「養生シート」を同封いたします。自由に使っていただいて結構ですが、個人個人に合わせた使い方をアドバイスしますので、ぜひ、事務所にお寄りいただければと思います。裏面のアドバイス集は、面白く守りやすいような言葉を独自に考えたものです。「ゴルフ場の今月のマナー」のように、ご自身で「今月の目標」を選んでいただき、それを意識していただくのも楽しく予防医学を実践するコツかと考えます。私が皆様がたを思い浮かべながら個々に大切と思われるところをチェックしましたのでご参考にして下さい。

主侍医倶楽部も熟年を迎え、より品質の向上を目指したいと考えております。医学塾にもできればみなさんご自身、ご都合がつかないときはご家族や秘書の方にぜひご参加いただきたく思います。

1月吉日 寺下 謙三

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愛に溢れる天上の方々 2014/12主侍医通信より

2014年12月22日

毎年、年末になると「あっという間の1年でしたね」「春が来たと思ったら次のお正月という感じですね」など時の過ぎゆく速さを嘆いたり憂いたりする言葉があちらこちらで交わされます。我々が学生時代(小学生でも大学生の頃でも)には、そういった声はありませんでした。年をとると速く感じることもそうでしょうが、最近では小学生でも「あっという間の1年」という表現を使うことが多いことに驚いています。様々な予定がびっしり詰まって、昔の3年分を1年に凝縮できるとしたら、3倍長く感じ充実しているはずなのに、逆に短く感じてしまうのはなぜでしょうか?無人島に流されて孤独生活を送ったり、例えが悪いですが独房に閉じ込められたとしたら、その時の1日の長さを想像すれば容易に理解できます。実際にありうる例では、重病で入院している時、夜面会の家族らが家に帰って次の朝が来るまでの時間がとても長く感じることは入院した人には理解いただけるでしょう。極端な例えをしましたが、人生のゆったり感を生み出すには、この両者の間に答えがあるように思っています。充実はしているが、ゆったりとしている、という感覚。幸福論の思想家を目指すためにはこの辺の思索が必要かと思っているこの頃です。

さて、今年最後の通信となるかと思います。今年も1年、信頼をいただきながらお付き合いいただきありがとうございました。

私事ですが、本年11月18日、14年間一緒に過ごしてまいりました愛犬の「バディ」が天に召されました。とても人懐こく、友人や患者さんからも慕われ可愛がっていただきました。人好きだったバディも幸せだったと思います。晩年特に大切にしていただいた友人と静かにお通夜を過ごし、20日に丁寧に荼毘に付していただきました。その際、お寺の案内に「寺下家」とあり、まさに14歳の子供をなくした気分でおります。喪中のお葉書を出すのも憚れましたので、年明けにゆっくりと年初のご挨拶をしたためようと決意し、賀状によるご挨拶を欠礼させていただきますことをお許しください。バディの優しい寝顔から「ゆっくりと着実に心の整理をしていかないと、お父さんの残された人生もあっという間だよ」というメッセージをもらいました。そして他者への無条件な信頼がひとにどれだけ安らぎを与えるかということも教えてもらいました。

愛犬のお話の後にたいへん恐縮なのですが、12日後の11月30日、1年前に進行癌の状態で不安定になっていたこころのサポートのために、山王病院堤院長よりご紹介いただきましたSさんが懸命の闘病生活の末、天に召されました。わずか1年のお付き合いでしたが、とても気遣いの深い方で、自分が厳しい病状にあるにもかかわらず、周囲の人たちへの愛情ある言葉や行動に心を打たれることが多く、ご主人様はじめ周囲の方々とまるで昔からの身内のようにお付き合いさせていただきました。亡くなる数日前からは病院にて頻繁にお会いすることになりましたが、病床に駆けつける方々は、本当に心からSさんを慕っていると痛切に感じました。「太陽のような方だった」という声がとても印象的でした。

私の母は、私が大学6年生の時55歳で急逝しました。自分で言うのもおこがましいのですが、愛情深く遠慮がちで周囲の者への配慮に満ちた母でしたので、Sさんとイメージが重なりました。母はSさんのように綺麗でスマートではなく、かなり太ってはいたのですが。ご主人様や娘さん、そして周囲の家族同然の人たちの悲しみを見ていると、2週間も経たない前に、枯れるほど涙を流したのに、まだ出る涙があるのかと思いました。告別式でのご主人様のご挨拶の時は泣き声をこらえるのがやっとでした。これほど参列者が心から涙するお葬式にも感動しました。

今年の5月17日に、1年前に古くからのメンバーのご紹介で進行癌の状態でご相談をお受けしましたTさんが天に召されました。TさんもSさんと同様、心優しく、自分の病状を忘れているのかと思えるほど、ご家族や周囲の人たちへの気遣いの深さに驚かされました。亡くなられる数日前に病院にお伺いした際には、話すことができないのに「先生に椅子を」「先生にお茶を」とご家族に目や表情やかすかな声で合図されます。自分にはとても出来ないことだなあと感銘を受けました。

そんな優しく素敵な奥様を亡くされたお二人のご主人様の悲しみの深さを自分に置き換え想像しただけで胸が張り裂けそうになります。でもお二人とも立派にこの悲しみを受け止めつつ、日々の生活に戻られる努力をされています。

今の医療技術で出来得るだけのことは尽くされたと信じていますが、残念ながら医療自体の限界を認めざるを得ません。しかし、医療満足度100%を目指して、「信頼」「尊敬」「感謝」に値するよう誠意を持って最大の努力を続けたく思っています。合掌。

年末のご挨拶が湿っぽくなってしまいました。しかし、これは明るい来年以降に向けての思いであるということをご理解いただきご容赦いただければ幸いです。

もう一つ、ご報告です。私にとっても事務局にとっても嬉しいご報告です。前回の通信で、医学塾のご報告をいたしました。古くから特別なご契約をいただいて私の活動を支援いただいているY様から「医学塾は、とてもよい活動だ。こういったことを広めていくのを応援したい」というお褒めの言葉をいただきました。私はもちろん、スタッフ一同大喜びで、来年以降のプログラムを懸命に考えているところです。講師の主役は若手に移しながら、私は塾生を増やす広報活動にも力を注ぎたく思っております。ご契約メンバーの皆様のご参加はもとより、皆様の会社のスタッフやお知り合いの方を塾生にご紹介いただければたいへんありがたく存じます。

平成26年12月 吉日  寺下謙三

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医学のススメ 2014/11主侍医通信より

2014年11月20日

気の早いデパートなどでは、すでにクリスマスの飾りもチラホラ出現したり、来年の手帳も気になる時期になってきました。

衣替えは勿論、冬タイヤへの交換など冬支度も始まりました。皆さん方のインフルエンザ接種も順調に進んでいます。

 

前回もご案内しましたが、医学塾へのお誘いを再度したいと思います。

現在は、第1火曜日と第3木曜日の夕刻6時ごろから8時ごろまでの間で開講しております。最近は、若手の臨床医に加え現役東大医学部生にもテーマを分担していただいて、一般の方にも医学の基礎と最新知識を理解していただけるよう工夫を凝らして講義をしていただいています。私も塾長として、包括的な基礎医学の講義を担当しつつ、学生たちや若いドクターの講義を塾生の皆さんと一緒に聞きながらポイントを質問して、皆さんの理解を深めるように努力しています。最近の講義では、11月4日には、東大医学部5年生でクラス委員の議長を務める熊谷友梨香さんに担当していただきました。「遺伝の仕組み」についてお願いしました。90分の間に、メンデルの法則から始まり、DNAの構造や塩基配列によるタンパク質の設計図の話、そして圧巻は「遺伝子の解析でいろんなことが分かるようになりました。しかし、我々は遺伝子で全て決まっているわけでは決してないのです」と強い語調で講義の最後を締めくくったのには驚きました。私自身も大変勉強になりましたが、6名の塾生も大いに理解を深めました。春から14回の講義が開かれましたが、医学部健康総合科学修士過程に在学中の江本駿くんは、医学塾の世話人をしてくれていますが、自らも医学統計学の講義をしてくれました。さすが文学部からの転向だけあって、数式をほとんど使わず統計学を学ぶという試みをしてくれました。12月の第1火曜日も担当予定です。また、医学部5年生の天野遥子さんは「免疫の仕組み」という難しいテーマを見事に解説してくれました。月曜日に東大心療内科より来ていただいている堀江武先生は「心療内科入門」というテーマで、自律訓練法の実践まで盛り込んでくれました。愚息の勇祐ドクターは「腹痛のいろいろ」というテーマを外科医の立場から解説しました。いずれも、学びがいのある内容で、折角の講義をもっと多くの人に聞いて欲しいと塾長の私としては、広報営業活動に勤しみたいと思っています。単なる病気解説や特殊な知識のセミナーやテレビ番組は玉石混交でいろいろありますが、一般人向けの基礎から学ぶ医学講義を聴くチャンスは滅多にないと思います(実際私は他にあることを知りません)。主侍医契約の皆様には、いつでもご招待をしたく思っていますので、是非お気軽にご参加下さい。お連れや代理の方も、一般受講の半額にてご参加できますので、秘書の方や奥様など是非お勧めください。満足のいく2時間を過ごせると信じています。

11月20日は,医学部5年生西方宏太郎くんが「循環器」について話します。彼も相当ユニークな名講義をするものと期待しています。塾の場でみなさまとお会いできれば嬉しい限りです。

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患者満足度への願いと悩み 2014/9主侍医通信より

2014年09月25日

猛烈な暑さは、どうやら峠を越したようですが、毎日の気温の差が大きく、身体がついていくのに悲鳴をあげていますが、みなさま体調管理は大丈夫でしょうか?こういうときこそ十分な睡眠と栄養管理が大切です。

前回は歯科領域での私自身の患者としての経験談を交えた医療判断のお話をしました。数人のメンバーのかたから、歯科治療についての問い合わせをいただきました。私自身の体験では、結果も良好でしたが、医療判断の現場では、いくら最善の選択をしたからといって、いつも良好な結果がでるとは限りませんし、他の選択肢を選んだ場合と比較することもできません。この仕事をしていて最も辛いところです。

では、目指す目標はなにかというある程度明確な目標や基準がないと、そんな分野は育ちません。スポーツなどでは「勝ったか負けたか」、ビジネスでは「売れたかどうか」「儲けたかどうか」、料理の世界では「美味しいかどうか」、受験産業では「受かったかどうか」など目標がはっきりしています。だからこそ「勝ち組と負け組」などという表現があります。(私個人としては好きになれない言葉ですが)勿論、医療分野でも「治ったかどうか」という意味でははっきりした目標があります。医療判断の分野ではなぜ、その辺がすっきりしないのか、という悩ましい問題があるのはなぜかといつも考えます。医学生への授業でも、生徒への自由討論課題として取り上げ、毎回激論が交わされます。その結果、「患者満足度」というキーワードがクローズアップされます。

そもそも、このような分野の仕事の必要性を感じて取り組み始めたのは、「日本の医療技術やその社会的仕組みは世界中でもトップクラスなのに、患者満足度はそれほど高くないのは何故か?」ということへの疑問からです。他の分野でも、例えば「勝つことではなく参加することに意義がある」や「決して儲からない事業だけど、みなが喜ぶから続けています」とかはよく耳にしますし、(極めて少ないとは思いますが)「志望校には落ちたけれど、この予備校には感謝しています」というようなこともあるかもしれません。しかし、それらは珍しいからことさら取り上げられるのです。スポーツなど勝負事では、必ず誰かが勝ちます。受験では誰かが必ず受かります。ビジネスでも、ほぼ誰かが大きな利潤をあげます。医療判断の現場では、「どうやっても治らない」「どうしても助からない」「結果が不確実である」などは日常茶飯事です。 

だからこそ「満足度」ということが重要になります。しかし、かなり曖昧な基準でもあり、我々は常に「満足して頂けたかどうか」と悩み、時には落ち込むほど疲弊します。「日本の医療技術や保険などの仕組みは世界トップレベルであるから、患者満足度も世界トップレベルにしたい」という私が事務所を立ち上げた時の使命感を思い起こし、少しでも、そのことに貢献できるような仕組みにまとめあげたいと、還暦を過ぎて若干焦っている自分をなだめているところです。「アンメットメディカルニーズ」と呼ばれる代表に「癌治療の克服」「再生医療」「遺伝子医療」などがありますが、「患者満足度の向上システム」もそれらに比肩するものだと確信しています。

皆様方の、厳しいご意見をお待ちしています。

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自分自身の医療判断 2014/8主侍医通信より

2014年08月04日

今年は、もしかしたらここ数年来の暑さはやってこないのではと7月前半までは根拠の無い期待をしていましたが、やはり猛烈な暑さがやってきそうな気配濃厚な日々となっています。みなさま体調はいかがでしょうか?無理をせず、十分な睡眠とともに、こまめな水分補給と規則正しい食生活が夏バテ予防の基本となります。

この数ヶ月で、私自身と家族の2度にわたり、「医療判断」が必要な事態を体験しました。いつも主侍医倶楽部のみなさまを始め、私が相談助言をする時の心構えは「もし自分自身や家族だったらどう判断するか」ということを念頭においています。それが返って弱気な判断になったり,迷いの原因になったりしてしまうことも少なからずあるのですが。

今回は、私自身の体験をお話します。こちらはあまり命にも関係しない「虫歯」の話になります。「たかが虫歯、されど虫歯」だからこそ「医療判断」の大切さがクローズアップされるような気がします。

私は、親のお陰で歯は丈夫な方で、比較的厳密でない歯磨き習慣にもかかわらず虫歯の体験が少ないのですが、20代のまだ若き脳外科研修医だったころ、虫歯の治療を時間がないという理由で、虫歯の治療を調べもせずに気軽に近くの歯医者さんで行ないました。それがきっかけでその歯は、その後10年以上も何度も痛みを繰り返すことになりました。10年後に山王病院勤務時代の同僚の信頼する歯科医I先生に診て頂き「初期治療が削り過ぎによるもの」でそれが取り替えしのつかない事態になっていることが判明しました。I先生から「応急的に処置しますが、いずれ抜歯になるかもしれませんね」と言われましたが、それから20年、なんとか持ちこたえています。その時のI先生の応急処置には随分時間をかけていただいた記憶があります。きちんとした治療は、応急処置でもレベルが高かったわけです。

それ以来、あまり歯のトラブルはありませんでしたが、今回、妻が定期検診で通う近くの歯科医院になんどかクリーニングのために通っていましたが、ある時、「奥から2番目の歯の横に怪しい部分があります。レントゲンでみても虫歯の可能性が高いです。横からの治療が出来ないので、コの字型に大きく削り金属をかぶせる必要があります。今日と、あと1、2回で済みますよ」と言われて、今にも削られそうになりました。

歯科治療では「なるべく削らない、抜かない」、外科治療では「なるべく切らない」、内科治療では「なるべく薬を使わない」を基本スタンスにして十分検討を加えた上で、やむを得ない場合は最善最小限の侵襲を考える、というのが私の基本ポリシーです。当然、いきなり大きく削られたくはありません。治療する側からみれば大きく削る方が病巣を残さずきちんと治療ができるわけだし、それが歯科での標準治療だということは理解しています。

「まっ、待って下さい!」なんとこの一言が言いにくいことでしょうか?患者の立場で目の前の医師に言いづらい気持ちはよく分かります。だから意を決して言うときは返ってけんか腰になってしまうのかもしれません。

「来週姪の結婚式でハワイに行くものですから、もう少し経過をみさせてください」理由になっていない理由です。「それでは3ヶ月後にまたみましょう」とその場は切り抜けました。

「なるべく削らない」「虫歯も自然治癒する可能性がある」ということを徹底して実践している信頼できる歯科医阿部修先生に診てもらおうと決めました。「虫歯の可能性が怪しい、と言っているが、もしかしたら虫歯病変は存在しない可能性もある。それだったら結果は大違いだ。もし病変が存在し,阿部先生も同じ意見で削る必要があると診断されたら、削ろう」と決めました。阿部先生には、契約者の皆様もなんどかご紹介しましたし、和歌山にいる弟の嫁の総入れ歯になりかけたのを一本も抜かずに助けて頂いたこともあり、破折という抜歯が基本の治療方針という状態になった妻の歯も、(抜歯を予定していると言う妻に、その前に阿部先生の意見を聞いて抜かずに済ませる方法を考えようと助言をして)阿部先生の見立てとアドバイスで抜かずに済ませることが出来た経緯があります。

同僚のよしみで早く予約を取って頂き、吉祥寺のクリニックを訪れることになりました。どんな判断が下るのだろうかと、恐る恐る阿部先生に診て頂きました。1時間にわたる綿密な診察のあと、「確かに虫歯病変はあります。コの字型に削るのが一般的です。しかし、歯の横の部分の表面まで病変が進んでいないので、顕微鏡下で、歯の上から穴を掘るように病変を削り取り、最新の硬い素材で埋めるということも可能です。金属の被せの必要なく、噛み合わせも変わりませんし、横の部分の表面は自分の歯が全部残ります。」

「そっ、それをお願いします!」

翌週のハワイ出発の前日2時間近くかけてその処置を行なって頂きました。理屈が分かるだけに、相当面倒な作業であることは想像がつきます。

「長時間お疲れでしょう。大丈夫ですか?」とはこちらからではなく阿部先生からのお言葉。「先生こそ根気のいる治療をありがとうございました」

翌日からのハワイ旅行の間もその後も歯は何の問題もありません。

このような丁寧な作業を中心にした治療を実践するために、阿部先生も保険診療は一切行なっていません。当然だと思います。患者にとっては十二分な対費用価値があると思います。

「たかが虫歯、されど虫歯」大きく削って金属をかぶせるか、今回の治療のようにほとんど噛み合わせや見た目も分からない治療で済むかは雲泥の差です。

手前味噌にもなりますが、事前の医療判断において十分に時間と労力をかけて、それで決まったらお任せするという手順は得心のいく治療となることを体験しました。

今回は、治療法が違いましたので、どちらがよかったか明白なのですが、いくら医療判断に手間ひまをかけても、場合により同じ治療法になるかもしれません。それでも、なるべく削らないポリシーの阿部先生が言うのだからと結果は同じでも得心の具合が違ってきます。

 

「たかが虫歯の治療」の話で、長くなりましたが、医療判断のための作業で随分運命や納得度合いが違うということと、虫歯の治療という些細なことのように見えることでも日常生活においてそのクオリティーは随分と違ってきます。日常的な病気に丁寧に対応することの重要さを再確認しました。

 

皆様も、歯の治療の判断でお困りなことがあればご相談ください。 

 

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相談が一番大切 2014/5主侍医通信より

2014年05月22日

衣替えをした途端にまた寒くなるという意地悪な天気を恨んでいる方も多いと思いますが、体調はいかがでしょうか?

最近の新聞紙上で、医学や健康の話題が多くなりましたが、数週間前の日経新聞にベテランの癌専門医がコメントしていた記事をみて、私自身が歩んできた道は、それほど外れてはいなかったのだと慰められました。

「長らく癌の専門医として治療を続けていて、患者側から見てもっとも大切なことはきちんと相談できるということであるということに気づいた。十分相談して納得して治療を受けていれば、それから先の人生に大きな違いが出てくるからだ。結果がどうであれ、癌を受け入れて新たに前向きの人生を作っていけるからだ。」

といったような内容でした。具体的な先進的な治療の議論ではなく「相談が一番大切」と感慨深く述べられたその一文を読んで、私の今後の総括的活動の方向性の再確認ができた思いでした。

なぜなら、我々医師の最大の望みは、患者さんに最長の寿命と痛み苦しみからの解放にどれだけ貢献できるかですが、残念ながらいくら頑張ってもそれには限度があり、たかだか数%のお力になるために大変な努力を必要とします。経済産業の社会では、利益を倍にすることも10倍にすることも可能です。今や無限大に儲けようとしている企業(人)も少なからずいるように見受けられます。我々が医療の世界でもし数%の力になっているとしたら、それは大変なことだと自画自賛していましたが、患者側の気持ちになってみると(実際医師も人間で、度々患者側の気持ちを体験するのですが)、自分の大切な人が大病になると、どんなことをしてもいいから世界で一番の治療を受けさせて治してあげたいという気持ちになります。でも医学の限界は寿命の前では微々たる力しか持ち合わせていません。歴史的に見れば、私が生まれた昭和28年の男性の平均寿命は59歳ですから、現在までに20年も寿命が伸びました。また明治以前では結核で亡くなったりお産で亡くなったりするかたはかなりの数でしたが、今やゼロとはいきませんが、かなり少なくなりました。さらに有史以前に遡ったら、人間の寿命は倍です。これがすごいのか、たったの倍どまりなのか、ということです。他の分野と比べたら「何万年かけてたったの倍」となるでしょう。そして我々医師が、懸命に努力しても数%貢献できるかどうかの世界である事実は、人生を振り返り愕然ともします。

だからこそ、「納得できる医療を受ける」ということが最も大切なことで、特に重病時には、「信頼できる専門家に徹底的に相談して具体的な助言を受けて、十分納得してから医療を受ける」ことこそ最善の医療であるという私の持論の結論に至ったのです。そのための方法論はいくつもあるでしょう。その一つが、私が今まで培ってきました「主侍医システム」ですが、この部分だけに特化した、より完成したモデルを構築したいというのが、これからの課題です。

もう一つ、大切なことと考えているのが「一般人向けの医学教育」です。英会話はじめ、教養としてのカルチャー講座が各種充実しているのに、他の分野のインテリでさえ、教養としての医学知識があまりにも少ないのに驚くばかりです。その代わりにキワモノの医学情報がネットやテレビで氾濫していますから、真っ当な医療を評価できる力が不足して、当然の結果、納得できる医療を受けるチャンスが減ることになります。私は、中学、高校では無理でも、大学の必修科目ぐらいにはなって欲しいと考えています。

「教養医学塾テラ小屋」は、そのシンボルとして4月より復活開校しましたが、今後は企業の社員研修の一環としてプログラムを開発し広めていきたいと考えています。長らく主侍医を務めていますT社さんの社員教育を10年以上も続けさせていただいていますが、社員の方から喜んでいただいています。是非、皆様の会社でも採用いただければと願っています。

「テラ小屋」では、私が知識を振り絞って、面白く医学を学べるように工夫しております。契約ご本人様には無料でご招待しておりますので、お気軽にご参加ください。ご家族や秘書の方なども優待しておりますんどえお問い合わせください。

 

2014年5月 吉日  寺下 謙三
 

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