Dr.寺下のズームクリニック 風邪の季節 |
ZOOM 1995.12 朝日生命保険相互会社発行 |
寒くなると風邪をひいて扁桃腺を腫らすなど、耳副因喉科、つまり耳、鼻、喉の病気を治す病院のお世話になる機会が増えます。また、カラオケの歌い過ぎで通う患者さんも多いとか。
今回は「耳・鼻・のどの診療ガイド」の著者でもあり、元日赤医療センター耳鼻因喉科部長、現在は東京都衛生局に勤務する飯塚(めしづか)啓介医師に聞いてみました
- Dr.寺下
- いよいよ風邪の季節ですね。
- 飯塚医師
- そうです。実はこの時期、体調維持に一番気をつけているのは私たちなんです。なにしろ、鼻をズルズル言わせながら診察するわけにはいきませんからね(笑い)。ところで、風邪をひきやすいのは体力が落ちている時です。鼻、喉、気管の粘膜でウイルスが増殖しやすいのです。
- Dr.寺下
- 風邪の場合、内科と耳l咽喉科と、どちらを訪ねるのがいいのですか?
- 飯塚医師
- 普通の風邪なら、つまった鼻や赤く腫れた喉を耳鼻科で治療した方が効果的だと思います。
- Dr.寺下
- 喉の病気にかかりやすいのは?
- 飯塚医師
- 背骨や首、肩のこりやアンバランスを長年放置したままにすると、声帯が左右にきちんと寄らなくなって、やはり良い声が出なくなります。幼稚園や学校の先生、営業マン、歌手など声を使い過ぎる職業の人は、喉に声帯ポリープができやすいようです。ですから、カラオケも極端に回数が多いと声帯ポリープの原因と言えるでしょう。
- Dr.寺下
- 話は少し変わりますが、喉の形と声とは関係があるのですか?
- 飯塚医師
- あります。声帯は∨字型をしていて、声をだしたり、力んだりすると閉じてI型になります。歌ったりしゃべったりする時には毎秒1000回もの振動をします。ちょっとしたことが声の調子にも現われるのです。
- Dr.寺下
- タバコも喉頭ガンを誘発する大きな要因だそうです。みなさん、気をつけましょう。