こどもの健康教室 予防注射って、なあに? |
笑顔 2000.4 保健同人社発行 |
チクッとイタい、よぼうちゅうしゃ。いやだな、とおもっている子もきっと多いよね。でも、よぼうちゅうしゃには、いろいろなびょうきから、ぼくたちのからだをまもる、たいせつなやくめがあるんだよ。そのたいせつなやくめを、ここでおぼえようね。
びょうきの中には、小さな小さな生きものがおこすものが、たくさんあるんだ。みんなのからだの中には、その小さな小さな生きものを見つけて、やっつけるしくみがあって、これを「めんえき」というんだよ。「めんえき」には、びょうきのもとになるはんにんを見はるものや、はんにんをやっつけるもの、なかまをまとめるもの、「たたかいのおわりだよー」とせんげんするものなどがいて、みんなで力をあわせて、ぼくたちのからだをまもっているんだ。
こうした「めんえき」のなかまでいちばんたいせつなのが、びょうきのはんにんの見はり役なんだ。この見はり役は、ぼくたちが、いちどなにかのびょうきになると、そのびょうきをおこしたはんにんを、おぼえこむことができるんだよ。そして、はんにんがつぎにからだの中にはいってくると、すぐに見つけてなかまに知らせ、力をあわせてやっつけてしまうんだ。
このように、「めんえき」のしくみは、ぼくたちにとって、とてもたいせつなものなんだ。でも、このしくみは、いちどはんにんをおぼえてから、はたらきはじめるので、はじめて見るあいてにはじかんがかかるし、パワーもよわいんだ。こまったことだよね。はじめて見るあいてが、こわいびょうきをおこすようなはんにんだと、たいへんなことになるものね。
そこでつくられたのが、よぼうちゅうしゃなんだ。これは、こわいびょうきのはんにんと「そっくりなもの」をつくって、からだにちゅうしゃし、「めんえき」の見はり役におぼえてもらおう、というもの。この「そっくりなもの」は、見はり役にはんにんがどんなものかを、おしえることはできても、びょうきはおこさないように、つくられているんだよ。ちょうど、おまわりさんに、はんにんのしゃしんを見せて、かおをおぼえてもらうのとおなじだよね。おまわりさんが、しゃしんで、はんにんのかおをおぼえておくと、こんどであったときに、すぐにつかまえることができるものね。
よぼうちゅうしゃのまえにはかならず、せんせいから「おしらせ」がくばられるよ。おとうさんやおかあさんに、よくよんでもらおうね。また、ちゅうしゃのあとで、ねつが出たり、きもちがわるくなったりしたら、すぐせんせいにいおうね。
チクッとイタい、よぼうちゅうしゃ。でも、とてもだいじなものなんだよね。