COSMOPOLITAN

その痛み、もしかしたら「病気」のサイン!?

頭痛でわかる、隠れた病気

COSMOPOLITAN

2000.9

集英社 発行


  • 強い頭痛は、脳の病気の疑いも。慢性頭痛はコントロールできる
  • 危険な痛み、症状を見逃さない!こうなったらただちに受診
  • 軽くすることが可能な、ストレスから起こる片頭痛や筋緊張性頭痛
  • いつもと違う、初めての痛みに要注意!
!! 頭が痛い !!

●痛みが続く→慢性副鼻腔炎、疲れ目、虫歯 他
●痛みを繰り返す→後頭部が締めつけられるように痛い→筋緊張性頭痛
●→頭の片側が 激しく痛む→目のまわりに水疱ができた →ヘルぺス
●  〃 → 〃  →三叉神経痛
●  〃  → 頭の片側がずきずき痛む 片頭痛●次第に痛みが強くなる→けいれん発作がある→ 脳腫瘍 
●急な痛み→発熱、 のどが痛い→インフルエンザ、風邪、副鼻腔炎
● 〃 →意識障害、けいれんくも膜下出血、髄膜炎など


強い頭痛は、脳の病気の疑いも。慢性頭痛はコントロールできる

頭部の症状で一番気になるのは、やっぱり頭痛。強い痛みがあったりすると、脳の病気ではないかと心配になってしまう。
「頭痛とひとくちにいっても、原因はさまざま。重大な脳の病気から、精神的なストレスや、虫歯などまで考えられます。すぐに受診すべきかどうかは、頭痛のタイプを知っておくと、ある程度わかるでしょう」
と寺下謙三先生は言う。頭痛が突然襲ってきたのかどうか、頭痛以外にどんな症状があるかで、病気の深刻度を見極めることができるのだ。
「ここで注意したいのは、その頭痛が、体験したことのない痛みかどうかということ。痛みの強さにかかわらず、初めてのタイプの頭痛があったときは、必ず医師に相談することが大切ですね」


危険な痛み、症状を見逃さない!こうなったらただちに受診

頭痛でただちに受診し治療を受けなければならないのは、急な強い痛みで、嘔吐や吐き気、意識障害、けいれんなどを伴なうとき。よくあることではないけれど、もし起こったならとても危険な状態だ。くも膜下出血や髄膜炎の恐れがある。
 くも膜下出血は、何らかの原因で血管が破れ、くも膜と脳の間に出血が起こるもの。「バットで殴られたような」と表現されるほどの強い頭痛と嘔吐などが起こる。髄膜炎は、細菌やウイルスなどの感染で脳の髄膜に炎症が起きた状態で、高熱を発し、頭痛と意識障害などが起こる。
 数週間かけて次第に強くなってきた頭痛で、突然嘔吐したり、けいれん発作があるときも、すぐに受診する必要がある。脳腫瘍で症状が徐徐に進行していることがあるのだ。
 一方、急な頭痛でも、風邪の症状があるときは、インフルエンザや風邪、急性副鼻膣炎が原因となっていることが多い。2~3日様子を見て、症状がつらいときには病院へ。


軽くすることが可能な、ストレスから起こる片頭痛や筋緊張性頭痛

20代の女性に多いのは、繰り返したり、長く続く慢性の頭痛。困ったものではあるけれど、「慢性の場合は、重大な病気はまずありません。案外心配のない、コントロール可能なものが多いのです」と寺下先生。
 片頭痛は特に女性に多い。頭蓋内の血管が拡張し、ずきずきと痛むのだが、頭痛がおこる前に目の前がチカチカしたり、半身がしびれたりすることも。ストレスが影響するが、チョコレートやチーズ、赤ワインなどの食品が引き金となるケースも多い。
 筋緊張性頭痛は「締め付けられるような痛み」で、肩や首のこりを伴うことが多い。ストレスから起こることがほとんどだ。これらの頭痛は、薬物療法や日常生活の注意で軽くすることができる。我慢していないで、1度、神経内科を受診したい。
 顔の片側が激しく痛み、そのときは数秒で治まるが、同じような痛みが何度か起きたというときは、三叉神経痛かもしれない。これはヘルペスウイルスの感染にかかわって、起こることもあって、痛みの2~3日後に、痛みの出たところに沿って水泡ができたときなどに考えられる。水泡自体は1週間ほどで治るが、あとにウイルスが潜んでいて、何度も痛みを引き起こすことも。
 いずれにしても、三叉神経痛となって痛みが頻繁に繰り返されるときは、薬物療法や神経ブロック療法などの治療が必要なことがある。
 さて、なんとなく頭痛が続くというときは、副鼻膣炎が治りきらずに慢性化しているときや、疲れ目や、虫歯などが原因となっていることもある。心あたりがあるときは、眼科や歯科で相談してみよう