投稿記事一覧

201002 アビガンの承認はなぜ遅れたのか?

タイトルの疑問に対して、次のような記事を見つけました。 権力、権威はいつも正しいとは言えませんね。       寺下謙三 https://medical-tribune.co.jp/rensai/2020/0924531842/?utm_source=mail&utm_medium=recent&utm_campaign=mailmag200925&mkt_tok=eyJpIjoiTXpKbFl6SXlZamhsTkRZeCIsInQiOiJPNXNwbmp3Q0RcL0VJ...

200712 第3回オンラインMTG 島田眞路先生をお迎えして

2020年7月12日18時より、3回目のオンラインMTGwo開催しました。今回は、山梨大学学長島田眞路先生(鉄門S52卒)に特別参加していただきました。 予測通り大変盛り上がり、島田先生の熱弁を伺うことができました。日本の政府厚労省の対策の遅れに対する疑問と今後への不安が主題となりました。 「決定的治療薬やワクチンが不在の今は、検査の徹底と確実なトリアージを繰り返すしかない」という結びとなりました。   ...

200712サイトカインストームのメカニズムについて 東丸貴信

免疫細胞の自爆の連鎖が原因?新型コロナ重症化に潜む知られざるメカニズム 7/10(金) 9:26配信   (米国立アレルギー感染症研究所提供)    新型コロナウイルス感染症の特徴のひとつに急な重症化がある。英国のジョンソン首相もSNSで普通にメッセージを発したわずか数時間後に集中治療室に移送されるほど重篤になったことを覚えている人も多いだろう。その原因のひとつはサイトカインストームにあると言われているが、新型コロナウイルスが引き起こすサイトカインストーム...

200531オンライン会議行いました

COVID-19 治療を考える会議 《議事録簡略版》   第1回オンライン会議 2020年5月31日日曜日18時15分から20時50分 Zoomにて。 参加者:寺下謙三、美馬達夫、松島照彦、保坂義雄、高木 清、木村 明、内田俊也(ホスト役)    本会議発足の経緯について発起人である寺下謙三先生から説明があった。2月下旬ころ新型コロナ拡大から不安な気持ちになり、さまざま情報が交錯している状況では叡智をあつめて中央に提言する必要もあるのではないか感じた。専門の違う同級生が集ま...

200619第1波対策良かったこと悪かったこと(寺下謙三個人意見0619)

誤りをきちんと認めることから、改善や進歩が生まれると思います。 今までの、日本の対策について、良かったこと悪かったことを列挙してみます。 (良かったこと)かなり少ない。 初期の頃は、政府の専門委員、とりわけ西浦先生や押谷先生が、ほぼボランティア的活動で、クラスター潰しをまめに行ったことにより、爆発的増加が抑制されていた。 何よりも、最前線で活躍した医療現場の医師、看護師らスタッフが使命感のみに支えられ献身的に丁寧に対応し尽くした。 国民の大半は、マスク着用、手洗い励行をすでに自主的に厳密に行っ...

200512 東京の医療崩壊 榊原記念病院院長 磯部光章(S53卒)

東京の医療崩壊 「医療崩壊の危機」「医療崩壊の瀬戸際」といった表現で、まだ東京の医療は持 ちこたえているという論調でマスコミが伝えています。本当でしょうか。東京における 循環器救急治療はすでに崩壊・炎上しているというのが現場にいる私の見立てです。 急性心筋梗塞は治療をしなければ死亡率は30-40%、大動脈解離や大動脈破 裂は60-70%死亡する疾患ですが、それぞれ緊急インターベンション治療や緊急手術 により大半が救命できるのが現代医療です。 ...

200512 榊原記念病院院長より医療崩壊について緊急提言

先ほどの、東邦大学公衆衛生学の長谷川友紀先生より、医療崩壊の狭義と広義についての投稿ありましたが、その直後、榊原記念病院院長の磯部光章先生より、「すでに広義の医療崩壊は起こっている!」という、循環器救急疾患の現場からの悲痛な現場の訴えと、今後の体制作りへの提言がありました。僕も初期の頃から「医療対策の国としての東京都してのリーダー不在が大問題!」と訴えておりましたが、まさに、現場からの生の声に真剣に耳を傾け対策をとらねばなりません。この会議メンバーが、小池都知事や内閣のアドバイザーになりたいとさえ思いま...

200512新型コロナと公衆衛生―いわゆる医療崩壊を考える 長谷川 友紀

新型コロナと公衆衛生―いわゆる医療崩壊を考える 長谷川 友紀 東邦大学医学部社会医学講座 教授 1 公衆衛生と感染症   公衆衛生の起源は、人が集まって住むことにより派生する健康問題への対応であり、衛生的な環境の確保と感染症対策は、常に最大の関心事であった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、公衆衛生的な方法論が問題解決にどこまで寄与することができるかを改めて問うものであり、公衆衛生を志す者として大きな関心を有している。   新型コロナウイルス世界的大流...

200509 岩本愛吉先生   総論投稿(転載)

オアシスメルマガ第11号より転載   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行について 2020年4月22日 東大名誉教授 岩本愛吉 本文 3,413文字    現在世界的な大流行を起こしている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を起こしたウイルス(SARS-CoV)とウイルス学的に極めて類似しており、ともにコウモリ由来だと考えられている(遺伝子は約80%の相同性を持つ)1)。中国広東省で発生したSARSは、2003年...

200419透析患者さんの診療をしています 保坂義雄医師

小生は現在柏市の民間病院で透析センター長をしています。透析患者さんはhigh risk patientで糖尿病や心血管系等の合併症も多く見られます。日本透析医学会の発表では4月17日現在の感染者数は47名で死亡は4名となっています(死亡率8.5%)。ECMO使用者は2名、人工呼吸器使用者は5名です。対策の会告も発出されていますが透析という特殊な状況下ですのでここでは割愛しますが、医学的な関心としては体外循環抗凝固剤として使用されるフサンの対コロナ有効性が示唆されていますのでヘパリン使用者との比較ができれ...

200501常時暫定型標準治療策定の提案 寺下謙三

医療決断支援活動を生業として、医療判断学という概念を慶應大学で10年間特設講義を行い、その考え方を広めることも任務としています。そんな中、「標準治療」という考え方を重視しています。現在の医科学的知見の中で、科学的根拠のある治療の中でも、上位に位置し、多くの医師から支持を受けている治療ということになります。もちろん国ごとに異なったりしますが、概ね基本線は一致します。しかし、時間軸で見ると、意外と揺れが大きく、ある先生は「標準治療やガイドライン自体の半減期は数年レベルだ」とも言われます。確かに、40年前は当...

アビガン 観察研究に関する情報 美馬先生より、磯部先生追加(200501)

医療機関の皆さまへ アビガンの「観察研究」のご案内 日が変わって真夜中に発出された事務連絡に「観察研究」の枠組みでアビガンを投与する場合の流れが記載されています。 ■新型コロナウイルス感染症に対するファビピラビルに係る観察研究の概要及び同研究に使用するための医薬品の提供に関する周知依頼について https://www.mhlw.go.jp/content/000625756.pdf  ■別添(こちらの方が大切✅) https://www.mhlw.go.jp/content...

この声がけへの思い2 寺下謙三

同級生に声がけして、皆さん活発な意見が出たのですが、今の国の対策への不満が噴出し、細部での意見の食い違いも出そうになりました。 せっかく英知を集めようという活動ですので、原点に戻ろうと私自身も考え、次のようなメールを皆さんに送りました。 僕の今回の声がけの動機は、「一人でも国民の命(自分も、家族も友人も、、、)を守りたい」「最前線にいるわけではないが、少しでも役に立てることはないか?」「自分が、報道やネットなどから集めた情報だけでも、医学専門家としての40年間で得た狭い経験知識からでも、色々気づくこ...

この声がけへの思い寺下謙三

本日、首相より、レムデシビル5月中に承認という発言がネットで流され、「なぜアビガンでないの?」という専門家(医師)と思われる声が多数出ています。 このままいくと早晩、アビガンもかなり使われやすくなるでしょう。首相は国内でもアビガンが既に2000例に使われ、良い結果が出ているとも述べたようです。 若干胸を撫で下ろしました。   そもそも、これほど(例えばテレビ朝日などは社運をかけて毎日のように提言し、岡田先生たちはアビガンの早期使用を訴えています)の世の中の声がある中で、我々の提言声明が...

「新型コロナウイルス感染症蔓延で思うこと─世界から遅れをとる日本の感染防御」渡辺晋一

私は国際協力機構(JICA)の依頼で、15年ほど前からタイの国立皮膚科研究所で講義をしている。そこでわかったことは、日本の医療は東南アジア諸国より劣っていることである。確かに日本は病院数や医師数も多く、医療インフラは発達している。そのため日本では貧しい人も医療を受けることができる。しかし問題は、医療の質である。実際に日本では専門家と称される人は多いが、本当の専門家は少ない。そのため日本では世界標準治療ではなく、日本独特の治療であることが多い1)。 今回の新型コロナウイルス感染症でも同様で、日本の感染防...

200428寺下謙三のCOVID19備忘録0507,0526,0608,0622更新

COVID19の特徴     2020/0428,0507,0526,0608,0622更新     思いつくままにメモしています。不完全であり、誤解部分もあるかもしれませんが、みなさんの頭の整理の一助にしてください。 適宜更新します。 新しい物事を学ぶ時の方法論は、大きく二つに分かれると考えています。一つは、多くの教育システムが採用していることですが、系統的に、1から順番に学んでいきます。教科書、参考書を1ページから丁寧に進めていきます。もう一つは、at randomに、事象や経験や...

東大医学部昭和53年卒の方への呼びかけから始まりました!

2020年4月17日、幹事寺下より同級生に送ったメールを下記に掲載します。うちうちのつもりで書いたことなので、多少、今頑張っている政府や厚労省の皆様に失礼があるかもしれないことを、国民のために少しでもできることを!という気持ちに免じてお許しください。また、内容は、4月17日時点で知り得た情報に基づいていますので、今後COVID19に関しては、どんどん新しい知見が増えていくものと思いますので、皆様も知識のUPDATEをお願いします。     鉄門S53同窓生のみなさん(寺下が、こ...

「感染拡大を防ぐために医療機関と老人介護施設に重点的検査を」渡辺晋一

日本では今のところ新型コロナウイルス感染症の拡大について「持ちこたえている」との専門家会議の発表が3月19日にあり、日本の医療は優れているからだと言う人がいる。しかし感染者を特定する検査をしないで、どうして持ちこたえていると判断できるのであろうか。治療法がないのだから検査しても仕方ない、というコメントを耳にしたが、これは公衆衛生が何であるかを知らない自己中心的な考えである。さらに検査をすると医療崩壊を招くとの意見が専門家と称される人からも出ている。しかしこれは検査と治療の区別ができない人の考えである。感...

 会議メンバーと賛同者

(会議メンバー)<医療の各分野で活動する方々が、知恵を寄せ合います> 東京大学医学部(鉄門)昭和53年卒業生有志(2020/0507時点で会議メンバー19名,賛同者1名、参加順記載) 寺下謙三(発起人、代表幹事、医療判断学、医学作家) 美馬達夫(発起人、脳外科医、美馬クリニック院長) 渡邊 卓(発起人、臨床検査医学) 松島照彦(実践女子大学大学院教授 食物栄養学専攻) 内田俊也(腎臓内科医、透析医、帝京平成大学教授、国際交流センター長、元昭和天皇侍医) 保坂義雄(泌尿器科医・透析医、柏たな...

top message

日本のみならず世界を悲惨な恐怖に陥れている未知の感染症COVID-19に対峙するには、英知を結集することこそ一番大切と考えました。 東大医学部同級生の皆さんの知恵や意見提言や実際的な力などをまとめ上げ、具体的な活動や、有用な提言などに結びつけ、政府などのリーダーがかつてない未曾有の英断を責任を持って下すための後押しや、補助的な医学的推論などとしてお役にたつと考え、この連絡会議(サイト)を立ち上げました。 未知の感染症と対決するには、あらゆる情報を読み解き、過去の経験から様々な可能性を推論し、状況を判...