老人医療シリーズ 癌 |
介護ジャーナル 1993.9 イメージラボラトリー「生活介護図書館」発行 |
今月は癌のことについて勉強しましょう。
癌に関しては介護する老人だけの問題ではなく、皆様方自身も不安を持たれていることのひとつでしょう。
1 胃癌について正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- 早期胃癌は、自覚症状が少ない。
- 空腹時痛は胃癌の特徴である。
- 胃癌の早期発見の為には、2~3年に1度のレントゲン撮影が必要である。
2 肺癌について正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- 喫煙との因果関係は証明されていない。
- 1年1回のレントゲン撮影で早期発見は90%以上可能である。
- 日本では、男女ともに発症率は上昇している。
3 肝臓癌について正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- 日本では肝臓癌の大半は肝硬変に伴って発症する。
- 肝臓癌の治療法は無い。
- C型肝炎は肝臓癌とは関係がない。
4 癌の予防について正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- なるべく同じものを食べる。
- ビタミンCやβ-カロチン(ビタミンA)は発癌を抑制する作用がある。
- 発癌物質の40%は食物から、40%はタバコからと言われる。
- 熱いものや焦げたものはあまりとらないほうが良い。
- 乳癌の自己検診は無用である。
解答&解説
1.答 1.○ 2.× 3.×
胃癌の早期発見の為には1年に1度はなんらかのチェックを受けるべきでしょう。
空腹時痛はむしろ良性の胃潰瘍に特徴的な症状です。
今の日本の医療レベルでは、胃癌で死ぬには犬死でしょう。
2.答 1.× 2.× 3.○
特に女性の喫煙率が増えて、女性の肺癌が増加する傾向にあります。
肺癌の早期発見はとても難しいものです。
契煙を止めて、半年に1度位のチェックを受けるのが、現在のところ最良の肺癌対処法でしょう。
タバコを国が売っていたのは、麻薬を売るのと同様な犯罪行為と考える学識者は多いようです。
3.答 1.○ 2.× 3.×
肝臓癌は慢性肝炎、肝硬変のなれの果てと考えられています。
止血法の進歩により肝臓の切除術も一般的になりました。
早期の肝臓癌は手術が可能なものもあります。
C型肝炎は現在最も注目されているウイルス性肝炎です。
放置しておくと、多くの場合肝硬変や肝臓癌に進みます。インターフェロンによる治療効果に期待が集まっています。
4.答 1.× 2.○ 3.○ 4.○ 5.×
なるべく色々な種類のものを食べるほうが良いようです。
野菜の成分の抗癌効果には注目されています。
とにかくタバコは癌にとって最悪です。
乳癌の自己検診は専門家に指導してもらうと、かなり正確に判別できるようになります。人間にとっての大敵“癌”も予防が可能です。
敵を知り己を知れば百戦危うからず、です。