Dr.寺下のズームクリニック あなたは、死んでまで |
ZOOM 1995.5 朝日生命保険相互会社発行 |
運動は、なぜ健康管理にいいか、考えてみたことがありますか。
運動が身体に良い理由は、
- 心肺機能の予備能力の上昇 (持久カの向上、血圧効果)
- 筋肉や調整力などのいわゆる運動体力の向上
- ストレスの解消
- 肥満の解消、高脂血症や糖尿病などの改善
の4つに代表できると思います。
そしてその結果として「病気になりにくい身体を作る、または持病の改善に寄与する」「スポーツ体力や日常体力の向上によって、人生の楽しみの幅を広げる」という2つの効果を期待しているはずです。
このことから考えると運動の条件として「安全であること」「楽しいこと」「時間的にも経済的にも手軽であること」の3つが必要になるはずです。
その半面「無理なジョギングによる心腕発作」や「猛暑のなかのテニスで倒れた」など、まさに「死んでも健康になりたい」を実践した例が多いのは事実です。
私が必ず患者さんに言うのは、「スポーツの目的をはっきりさせて、その頻度や強さを決めましょう」ということです。
テニスやゴルフなどは楽しみ主体に考えて無理をせず、末永くできることを第一義とします。逆に糖尿病や肥満のコントロールの場合には、多少つまらなくとも最低週3回の速歩をメニュー化していきます。
運動の際、身体に採り入れる酸素が一部、活性酵素として遺伝子に作用してガン細胞を作るのを手伝ったり、動脈硬化を促進させたりなど、身体にいいはずの運動がかえって健康を阻害することだってあるのです。ですから「過ぎたるは及ばざるよりも悪し」となる前に、メニュー作りのためにドクターに相談することは、決して贅沢ではないと私は思います。
内科が私の専門ですが、できるだけ幅広く医療や健康に関する新しくて役に立つ情報を皆様に、お伝えしていくつもりです。