カルテ8 皮膚科 水虫 |
NKH「健康ライフ講座」 2002.10 日本機械保線株式会社 社内報 |
原因
水虫は医学的には足白癬(はくせん)といい、白癬菌という真菌(カビ)が原因です。
湿気、通気性の悪さ、免疫力の低下、不潔などカビにとって都合の良い条件がそろうと簡単に生えてしまううえ、いったんかかると治りにくく、途中で治療をやめてしまうとまた再発してしまうという厄介な皮膚の病気です。
症状
足裏、足の指の問にできることが多く、じゅくじゅくと白くふやける、小さな水ぶくれができた後カサカサの薄皮がむける、足裏の皮膚が厚くなるなどのタイプがあります。
かゆみは必ずしもあるとは限りません。爪の水虫では爪が黄色に濁り厚くなります。
診断
見た目だけではなかなか診断は難しく、医師が診断する時も視診だけではなく、皮膚の一部を顕微鏡で確認してから確定診断となります。
本人は水虫と思っていても実は違うというケースが全体の約1/3をしめます。
水虫と間違えやすい病気としては、ブドウ球菌感染症、接触性皮膚炎、ショウセキ膿ほう症などがあるので、必ず一度皮膚科で診断を受けるようにしましょう。診断の際、すでに何か薬がついているとカピが確認できませんので、患部をよく洗ってから受診してください。
治療と対策
水虫の感染を防ぐために
- 足を洗う習慣
- 足を洗ったあとはよく乾燥
- 清潔な靴下、履いたあともよく乾燥させた靴
などが大切です。
最初に述べたような条件がそろわなければカビは簡単にはうつりませんので、家族に水虫の患者さんがいてもあまり神経質になる必要はありません。家庭内で一番うつりやすいのはパスマットとトイレのスリッパ。それだけは別にしておきましょう。
現在水虫治療のために使われているぬり薬は、2~3週間でカビを全滅させるだけの強さがあります。但し実際には、もともとカビが非常に育ちやすく、また常に清潔と乾燥を保つのが難しし部位であるため、3ヶ月~1年の治療期間必要です。
冬場のように低温で乾燥している状態のときにはかゆみもなくなり、よくなったように感じますが、水泡や皮むけが無くなったとしても、菌が皮膚の中に残っていることがありますので、ここで薬をやめてしまうと翌夏にまた再発します。継続的な根気強い治療必要なのです。なお、爪の水虫は特殊で、治療には内服薬が必要になります。