老化には6つの顔があります。まずあなたのタイプを理解して 老化には6つの顔がある |
メイプル 2005.4 集英社 |
暮しの質を上げ、若さを保つためには
同じ年齢なのに、老けている人もいれば、はつらつと若々しい人もいます。老化は、人によって違うのでしょうか。
「体のさまざまな器官のピークは15歳から20歳くらいまでにあり、以後は徐々に落ちていきます。老化の原因はさまざまですが、誰でも20歳ごろから始まっているのです。ただ、落ち込み方、老化の進み方は一様ではありません。なだらかにソフトランディングするか、どこかの時点で急激に落ち込んでしまうかで老化の表れ方は異なります」と寺下謙三先生。
若さをキープしている人は、なだらかに老化できているわけです。
「ただし老化は、心や生き方とも深くかかわります。私たち医師は、多くの方の体の状態、実年齢を知ることができますが、気持ちが前向きな人は年齢より若々しいことが多いと実感します」
気持ちも大切で、体の老化を防ぐだけではダメ、と?
「老化には実年齢や体だけでははかれない表れ方がある、いくつもの顔があるということなのです」
寺下先生は、気づきやすい老化の顔として6つをあげています。実はこれらの「顔」こそが、いわゆる「体内年齢」と呼ばれているものでした。
「6つの顔の、どの老化が気になっているのか自分でチェックし、自分がどうありたいのかを具体的にイメージしてみましょう」
そしていつも、あるべき「顔」、つまり自分の望む「顔」を意識して生活していれば、若さを取り戻すこと、体内年齢を下げることはできるのです。
「生活習慣が大切なことは勿論です。バランスのとれた食習慣、適度な運動、生活リズムが健康的かどうか、もう一度点検しましょう。プラス、自分が体や心にいいと思うことを取り人れる、好きなことを好きな人とする。これも若さを保つためにぜひおすすめしたいことです。楽しくなければ続きませんし、コミュニケーションも重要ですから。これらが生活のクオリティを上げ若さを保つことにつながります。」
あなたの弱点はどこでさか?6つの部門をチェックしてみましょう
各部分の質問項目をチェックして、イエスが多い時は、そこから老化が進みそう。
思い当たる項目が半分以上あったら、それが、あなたがまず取り戻すべき若さです。
●精神
心も気持ちも弱くなっていませんか
- 誰にも会いたくないと思う日がある
- ついついコンビニに立ち寄ってしまう
- 些細なことで人と口論することがある
- ここ数年新しい飲食店を開拓していない
- 異性といるより同性同士のほうが楽しい
精神の老化とはひと言でいえば「頑かたくなに」なること。視野が狭くなり、人の意見に耳を貸さなくなってしまうことも。硬直した精神は、ストレスに弱くなることでもあります。これでは心楽しく日々を過ごせなくなってしまいます。
新しいことにトライしないから、体の諸機能も衰えます。ストレスに対抗するために、呼吸法にチャレンジしてみては?
●脳
若さを取り戻せるかどかはトレーニングしだい
- 目の前の人の名前を思い出せないことがある
- 「あの人」「あれあれ」などの指示語が会話に頻出
- つり銭の計算で指を折って数える。
- 運転中話しかけられて返事ができなかった
- 感動した映画のあらすじをうまく紹介できない
どんな人でも、ある程度の年齢になると、もの忘れには悩まされるもの。ついさっき会った人の名前を忘れてしまうこともあります。
これを「年相応のこと」と放置すると、ますます老化が進みます。
今話題の脳のドリルも気になりますが、脳のトレーニングは、紙とエンピツがなくてもできます。下記の脳のトレーニングは日常の生活でできることばかり。
●筋力生活機能
日常に直結する力だからこそ手入れが大切
- 体重が同じなのにウエストのサイズが増えた
- 階段を上るのはできるだけ避けたいと思う
- タクシーを使う機会が増えてきた
- ノースリーブの服が似合わなくなった
- 重いものを持つ時、思わずかけ声が出る
日常の生活では、使う筋肉の範囲も運動量も限られています。だから意識的に運動しないかぎり、現代人の筋肉は落ちているのです。
でもそれを筋力や生活機能の老化とは意識せずに、行動(がんばり)で補っている人も多いもの。
本当につらくなって病気になる前に、ウォーキングやピラティスを試してみてください。
●代謝
脂肪だけではない。内臓の衰えにも気を配って
- 筋肉痛が行動の翌日ではなく翌々日に出る
- 二日酔いが午後まで残ることが多くなった
- 肩こりがどんどんひどくなるようだ
- 疲れているのに早朝に目覚めてしまう
- 汗かきだったのが、汗が少なくなった
代謝とは、体にとりこむいろいろな物質やエネルギーのやりとりのこと。脂肪がつきやすくなることのほかに、うまく活動エネルギーが取り出せずに疲れるなど、代謝が落ちていることを示すサインはいろいろあります。ピラティスや整体で体調を整えれば、代謝もぐんとよくなってくるでしょう。
●免疫
家庭にも仕事にも影響のある老化。無視せず見つめて
- 季節にかかわらず、風邪をひくことが多い
- 切り傷、すり傷がなかなか治らない
- 帯状疱疹になってしまった
- いつものどに違和感があり、たんがからむ
- 笑うことが少なくなっていると感じる
免疫は体の防御機能。「体が弱くなった」とは、免疫が落ちていることなのです。感染症にかかりやすくなると、体の諸機能に影響を及ぼします。直接鍛えにくい機能ですが、笑う機会が多い人は免疫力もアップします。そして、ピラティスや整体で、呼吸法も有効です。
●容姿
今からこそ磨いて、人生をエンジョイしたい
- 自慢だった二重まぶたがタレ目になってきた
- 合うファンデーションとめぐりあえない
- 昔からのヘアスタイルが似合わなくなった
- バーゲンセールに食指が動かない
- 気合を入れたおしゃれが面倒くさい
女性にとって最大関心事の老化です。肌のトラブルは、主として紫外線や活性酸素の影響。また細胞の保水力が落ちることも関係しています。認めたくはなくても、うすうす老化に気づいているとなげやりになりがちなものですが、水のとり方、姿勢や歩き方も大いに容姿に影響を与えます。ウォーキングを学ぶのも効果あり。
脳トレーニング
- 起きた時、昨晩食べたものを材料まで詳しく思い出してみる
- 朝、時間をかけてしっかりとメイクする
- 毎日読む新聞の記事から「の」を拾い出す
- 3歩目をやや大股に、5歩目をやや大股にと順に歩く
- 新しく電話番号を覚え、その番号を逆から言ってみる
- いつもよりレンジの口を多く使い、一品多くの料理を作る
- その日外出した、出先までの地図を描いてみる
- テレビのニュースを見ながら、自分で作った規則に従って耳さわりゲームをする
- お風呂の中で、過去と明日に点数をつけてみる