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カルテ38 眼科 加齢黄班変性症 |
NKH「健康ライフ講座」№87 2010/10/15 日本機械保線株式会社 社内報 |
成人の失明原因として欧米では1位、我が国でも生活の欧米化で4位にランクされる怖い病気。最近、早期発見すれば進行をある程度で食い止められる治療法が開発されました。
○解 説○
網膜の中央の、最も大切な部分である黄班と呼ばれる部分が、加齢により変化し傷んでくる病気です。網膜は、カメラで例えるとフィルムやCCDにあたるところですので、視力と密接に関係します。米国では本疾患が失明原因のトップであり、日本でも糖尿病性網膜症とともに最大の原因の1つとなってきました。滲出型と萎縮型に大別されますが、日本では前者が多いとされます。難病の1つですが、最近ではいくつかの治療法が開発されてきましたので早期発見・早期治療が大切です。
○症 状○
視野の中心部が暗く見えにくくなったり、ゆがんで見えるという症状が多いようです。視力も低下しますが、最初は片目から症状が出ることが多いために、他方の目でカバーし気づくのが遅れることがあります。少しでもおかしいと感じたら、眼科医に相談するようにしたいです。
○診 断○
症状から診断は推定されることが多いですが、確定診断として普通の眼底検査に加えて蛍光眼底造影検査が重要な検査の1つとなります。また、OCT検査と呼ばれる網膜の断層を見る検査や、中心視野検査等も有用です。これらにより滲出型か萎縮型かの診断まで行います。
○治 療○
滲出型に対しては、光線力学的療法と呼ばれる方法が開発され、全国の200カ所近くの施設で行われています。現時点での最も有効な治療法といえるでしょう。また薬剤を眼球内に注入することも行われます。萎縮型には、これといった決め手となる治療法はなく、ビタミン剤の投与等が試みられています。
○生活、予防上の注意○
本疾患の原因は、加齢以外に日光(紫外線)や喫煙、栄養障害、酸化ストレスなどが考えられていますので、それらに対する対策も予防的には大切いえます。そして繰り返しになりますが、なによりも早期発見・早期治療が重要です。