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虫歯と歯周病

(概説)

虫歯も歯周病も、ポピュラーな病名で知らない人はほとんどいないと思います。「歯が傷んだら歯医者さんに駆け込むしかないでしょ」「命には関係ないけれど痛いと食事が美味しくないし」「歯はしっかりと毎日磨くことが重要なのでしょ」などと比較的安易に考えがちです。ところが、最近の知見では、歯周病が循環器疾患や糖尿病や誤嚥性肺炎などと密接に関係していることがわかってきました。中には心内膜炎や脳膿瘍など命に絡んだ怖い病気の原因となることもあります。用語的なことですが、歯茎の軽い炎症である歯肉炎が進むと、歯茎の根元まで炎症が及び歯周炎と呼ばれます。それらに加えて、強い咬合が慢性的に続き歯槽骨(しそうこつ:歯を支えている根本の骨)に障害が及んだ咬合性外傷という病態を総称して歯周病と呼んでいます。

(症状)

冷たいものやしょっぱいものがしみたり、歯茎が痛んで食べることが困難であったり、歯ブラシ時に出血したりなど、大抵の人が歯医者さんに駆け込むきっかけとなるポピュラーな症状です。

(治療)

虫歯や歯周病の進展度に応じて、充填処置から抜歯までの治療法が選択されます。

(予防)

何よりも予防が大切なことで、日頃の口腔ケアがポイントとなります。口腔内は雑菌だらけと言っても過言ではありません。口腔ケアの主な目的は口腔内の細菌数を減らすことです。食後のうがいにより、食物残渣(しょくもつざんさ:歯と歯の間などに残った食べかす)を取り除きます。場合により歯間ブラシやブロスを使用するとなお効果的です。歯ブラシによる歯磨きも並行して行います。歯の表面に付着する歯垢(しこう)を取り除くことが目的ですので、あまり強く磨く必要はありません。柔らかめのブラシで時間をかけて上下表裏、満遍なくブラッシングすることがコツです。歯茎の軽いマッサージも意識してブラッシングしましょう。

また、歯石除去など、専門家による口腔ケアも定期的に受けることが推奨されます。特に、介護を受けているような状態では、口腔ケアはより重要となってきますので、専門家の指導を受けるようにしましょう。

 

作成:2019/04/22

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診療科: 歯科

寄稿日・掲載日・記述日: 2019/4/22 NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報 №121