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メニエール病

(概説)

「めまい」を起こす病気の代名詞のように思われている印象を受けますが、いかがでしょうか?最近では「良性発作性頭位めまい症」が、有名人がかかった病気としてマスコミでも取り上げられ、めまいを起こす病気の両横綱というイメージでしょうか?「めまい」は数ある症状の中でも、重症感を感じさせる嫌な症状の代表の一つです。しかし、慌てる必要のない良性のものから、救急処置が必要なものまで、医師でさえ、その原因の診断は結構難しい場合も少なくありません。この機会に知識を整理しましょう。

(原因)

内リンパ水腫という内耳の中の浮腫が原因であることが解ってきています。その原因にストレスが強く関連しているようですが、そのメカニズムに関しては現在のところ不詳です。

(症状)

定型例としては、数分から数時間続く回転性めまい(時に浮動性めまい)が反復し、難聴、耳鳴り、耳閉塞感などを伴うことが多いようです。非定型例として、症状の組み合わせが多彩なパターンも存在しますので、耳鼻科の専門医の診断が重要になります。

(治療)

ストレスが大きく影響し、内耳の水の代謝が関与するので、禁煙、良質な睡眠はじめ規則正しい生活が大切です。薬物治療としては、めまい発作の急性期には、メリスロンやトラベルミンといった内服薬やメイロンという点滴静注薬が使われます。めまい発作が治まっている間欠期にはアデホスといった薬や漢方薬も使われます。大抵は、こういった保存的治療(手術などを伴わないいわゆる温和な治療)で落ち着いて行きますが、なかなか治らない重度の場合は、水腫の外科的処置や内耳の一部の機能を制御する治療も選択されることがあります。

(生活上の注意)

今まで、お話しした通り、ストレスが大きな誘引となりますので、日頃から規則正しい健康的な生活を心がけることが肝要です。めまいの原因を診断することがまず重要ですので、しっかりと診断を付けていただき、メニエール病と判断されたら根気よく治療に臨むことが肝要です。

 

作成:2020/04/27

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診療科: 耳鼻科、神経内科

寄稿日・掲載日・記述日: 2020/4/27 NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報 №125