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睡眠時無呼吸症候群(SAS)

(概説)
新聞やテレビなどで耳にすることも多く、比較的一般人にとっても馴染みの深い病名ではないでしょうか。Sleep Apnea Syndromeの頭文字をとって「SAS」と略されて呼ばれることも多いようです。「うちの主人ですが、夜中にいびきがうるさいと思っていたら、急にいびきが途絶えて呼吸が止まっているのです。うるさいやら、心配するやらで寝不足気味になっています」というようなお話をよく聞きます。一方、いびきをかいてよく寝ているように見える本人は、「よく眠れなくて、昼間眠くて仕方ないんです」とぼやいています。全く傍迷惑な話なのですが、実はいろいろな病気のリスクがありますので、きちんと診断する必要があります。本疾患を示す典型的なお話にて概説にかえさせていただきます。
 
(症状)
概説に示しましたように、普段、寝室を共にする方が無呼吸に気づくことで見つかることが多いようです。また、起床時の頭痛や十分な時間睡眠をとっているにもかかわらず日中の眠気やだるさがあります。激しいいびきも本疾患の原因でもあり、結果としても生じることが多いようです。
 
(診断)
医師の指示により各種睡眠時モニター検査を行い診断されることになります。 SASの多くは、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)と呼ばれるもので、肥満、男性、加齢などがリスク要因となります。また、心不全や脳血管障害が引き金となる中枢性睡眠時無呼吸(CSA)と呼ばれる比較的重症度の高いものもありますので、専門医による鑑別診断が大切となります。
 
(治療)
CPAPと呼ばれる持続的に陽圧をかけるマスクを装着する治療が標準治療となりますが、軽症であったり、CPAPの装着が困難な場合は、まずはマウスピースを使って改善するか様子を見ます。肥満がある患者さんには、減量の指導をします。生活習慣病などの基礎疾患がないかどうか調べておくことも大切です。

作成:2021/10/26

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寄稿日・掲載日・記述日: 2021/10/26 NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報 №131