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季節性情動障害(冬季うつ病)

(概説)
特定の季節にうつ症状を繰り返す疾患で、秋から冬にかけてみられる冬季うつ病と春から夏にかけてみられる夏季うつ病があります。どちらも概日リズム(昼夜の時間)の変化に伴い発症しますが、日本では冬季うつ病が多くみられます。病状や発症時期、予後などは多彩で、原因も遺伝的素因や自然及び社会的環境因子が複雑に絡んでいると考えられています。比較的若年者や女性に多い傾向があるようです。
 
 
(症状)
過眠、食欲増進、体重増加がみられることが多く、睡眠リズムが遅いほうにずれ、就眠困難とともに起床が辛くなります。うつ気分の出現は、典型的なうつ病は午前中に多いのに比べて、午後から夜にかけて不安感、抑うつ感が出現、増強していきます。
 
 
(診断)
詳しい病歴の聴取により、一定の季節に症状が出現するという特徴と、睡眠リズムのずれが必発であるということなどから診断が推定されます。症状が強い場合は、双極性障害などとの鑑別診断も重要ですので、専門医の受診が必須です。
 
 
(治療)
高照度光療法が効果的とされています。早朝に強い光を1,2時間照射することを、原則として1,2週間以上毎日続けることが必要なため、通院に時間がかかる方には、実情としては実施困難なことが多いようです。そのような場合には、自宅でもできる生活指導(日光を浴びる散歩、部屋の明かりの工夫など)を受けることが大切です。補助的に、不安や睡眠障害など症状に応じた薬物が使われます。職場や学校での活動に支障が出るなどの社会的困難がみられる場合は、特に継続的な支持的心理療法が望まれます。
 
 
(その他の対策)
季節により症状が軽いか、時には無いこともあり、本人も周囲の人も、病気であるという認識が低くなりがちです。そのため、家庭や職場などで病気としての理解が乏しくなり、人間関係に乱れが生じ辛くなることも少なくありません。本人は病気という自覚のもとに根気よく治療を行い、周囲の方は理解と支持を示すことが肝要でしょう。

作成:2025/01/06

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寄稿日・掲載日・記述日: 2025/1/6 NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報 №144