(総論)
元来、日本において、更年期とは女性の閉経前後の数年間という意味で使われてきました。その前後に起こる女性ホルモン減少によると思われる様々な症状を更年期障害と呼んでいます。最近では、男性においても同様の老年期に入る前後の時期に、男性ホルモンの急激な減少による様々な心身の症状が出現し、LOH症候群(男性更年期障害)と呼ばれ注目されるようになってきました。
(原因)
40歳を過ぎたあたりから、男性ホルモン(テストステロン)の分泌量が減少してくるのですが、急激に下がったり、心身の負担が重なったときに生活に支障が生じるような症状が出現します。加齢が主な原因ですが、誰でも発症するというわけではなく、職場や家庭での環境の大きな変化や精神的ストレス、過労、睡眠不足、生活習慣病なども発症に強く関係するといわれています。
(症状)
女性の更年期障害と同様に多種多様ですが、疲れやすい、めまい、睡眠障害、ほてり、イライラ、不安、抑うつ、筋肉量の低下、性機能の低下などの症状が出ることがあります。
(診断)
多彩な症状が特徴なので、問診を中心に症状と経過や生活環境などについて、詳細に聴取し、補助診断的に血液検査により、血中のテストステロン値を測定します。
(治療)
血中テストステロン値が低い場合は、女性更年期障害と同様に、ホルモン補充療法が選択されます。注射、貼り薬、内服などの方法があります。共通して大切なことは、規則正しい生活習慣への改善により、心身にかかるストレスを緩和することが基本的療法となります。
(生活上の注意)
本症は発症の個人差が大きいので、普段の生活の中でストレスを随時解消できる工夫をして、心身の安定に努めたいものです。そして、心身の不調に気づいたら早めに専門医を受診することも肝要です。本疾患の受診先は見つかりにくい可能性が高いので、かかりつけ医や心療内科、総合内科などにまず相談し、場合によりそこから専門医を紹介していただくのが適切かと思われます。
作成:2026/01/05

男性の更年期障害