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泌尿器科

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男性更年期障害

2012年01月18日

NKH「健康ライフ講座」

NKH「健康ライフ講座」NO.92 日本機械保線株式会社社内報

カルテ43<内科、泌尿器科、男性診療科など>男性更年期障害

2012/1/5


【概説】

女性の更年期障害は、疾病概念としてほぼ確立されて、診断基準や治療法も研究が進んでいます。病院でも婦人科を中心に一般的に診療がされています。一方、男性更年期障害が注目されるようになってきたのは最近であり、現時点では必ずしも医学界においてコンセンサスが得られた疾患というわけではありません。

しかし、男性も年齢とともに男性ホルモンが減少し、そのため性機能や認知力の低下がみられたり、筋肉の量も質も低下する事が分かってきました。医師の間でも研究チームがこの病態の研究調査をするようになり、今後こういった研究成果も踏まえて、男性更年期障害という概念が広がる可能性があるでしょう。専門家の間ではLOH(ロー)症候群(late-onset hypogonadism(レイト オンセット ハイポゴナディズム):加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれる事もあります。

【症状】

極めて多彩です。疲労感、倦怠感、不眠、イライラな症状を中心に、不定愁訴(ふていしゅうそ)が絡みあいます。自然な老化によるものか、病気の範疇(はんちゅう)かは今後の研究により選別されていくと思われます。

【診断】

問診テストを含めた詳細な問診が初診時に大切で、男性ホルモンであるテストステロンの血液中濃度を調べる事で診断されます。<

【治療】

男性ホルモンの補充療法が現在、効果・副作用を調べながら検討されています。その他、症状に応じた薬物治療が併用されます。

【その他】

本疾患は、新しい概念でまだまだ研究段階であるという事を理解しておきましょう。日頃からストレスをためずに、心身ともに健全さを保つような生活が予防法といえるでしょう。他の病気でもそうですが、特にホルモンが関与する病気では、過剰なメンタルヘルスが引き金となる事が多いものです。

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前立腺肥大症

2006年04月15日

 

カルテ22

泌尿器科

前立腺肥大症

NKH「健康ライフ講座」№70

2006/4/15

日本機械保線株式会社 社内報


前立腺は膀胱の真下にある尿道を取り巻くようにあるクルミくらいの大きさの器官で、精液の液体成分を作っています。この前立腺が年齢と共に次第に肥大してくることがあります。肥大するため尿道が圧迫され尿がでにくくなる病気が前立腺肥大症です。

 

○原 因○

約3割の人では50歳代から前立腺肥大が始まります。原因は明らかではありませんが、男性ホルモンと女性ホルモンのバランスの乱れによるものが一因ちお考えられています。

○症状・診断○

排尿後、尿がまだ残っている感じがする(残尿感)、尿の回数の増加(特に夜間に3回以上)、尿が間に合わない、尿がすぐに出ない、尿の勢いが弱い、排尿中尿が途切れる、排尿時お腹に力を入れる必要がある、我慢できず尿が漏れてしまう(尿失禁)などがみられます。

肥大が進むと、膀胱に尿が残った状態が長くなり、感染症を起こしたり、腎臓の機能が悪くなる場合があります。

自覚症状の程度、触診(肛門から指を入れて前立腺の状態を観察します)、尿流検査(排尿開始から終了までの時間当たりの尿の勢い測定します)、超音波検査(肛門から機械を挿入し、前立腺の大きさを観察します)で診断されます。超音波検査で、正常人では前立腺は平たい形ですが、前立腺肥大症では球状に肥大し、膀胱に突出して見えます。 

○治 療○

症状の程度と、前立腺の肥大の程度をあわせて治療されます。初期の段階であれば、薬物治療が効果的ですが、症状・肥大の程度が進むほど手術の必要性がでてきます。薬物治療では尿の出を良くする薬、肥大した前立腺を小さくする薬があります。また頻尿を改善する薬が併用される場合もあります。胃腸薬や喘息薬などでは膀胱の力を弱めて尿閉を起こすものがありあmすので、注意が必要です。進行した状態では、外科的な手術が必要です。尿道から内視鏡を入れて肥大した前立腺を削る方法が広く行われています。肥大が大きい場合には開腹する場合もあります。その他温熱療法がありますが、軽度の場合には有効ですが、進行例では効果はあまり期待できません。

○生活習慣での注意・予防○

尿は我慢せず、下半身を冷やさないよう、入浴などで血液の循環を保つよう心がけます。過度の飲酒は控え、適度な運動をしましょう。また便秘は尿道を圧迫するため注意が必要です。前立腺肥大は癌を合併している率が高いため、検診が大切です。また、人間ドックでは、血液検査で前立腺がんの発見に有効なPSA(前立腺抗原)を含む施設も見られますので、前立腺がん早期発見にも有用です。

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