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呼吸器外科

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COPD(慢性閉塞性肺疾患)

2014年02月03日

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NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報  №99

カルテ50 内科、呼吸器科

2013/10/21

 


○ 概説 ○

 慢性閉塞性肺疾患の英語名の頭文字をとってCOPDという名称が日本ではよく使われています。口からつながる気管が枝分かれして細い気管支になり終点は肺胞と呼ばれる小さな袋のようなものになりますが、肺はその気管支と肺胞からできています。COPDは、その細い気管支に炎症が起きて、気管支が細くなり空気の通りが悪くなる病気ですが、その炎症のほとんどの原因はタバコです。また、いったん細くなった気管支は回復しにくいので、予防やリハビリが大切となります。また、肺胞が破壊されると肺気腫という病気になります。

○ 症状 ○

 階段昇降など運動時の息切れ、咳、痰、呼吸困難などですが、特に息を吐きづらい呼吸困難が特徴となります。症状はゆっくり進行するので、初期は気づかないことも多いですが、喫煙者で階段昇降時の息切れがあった場合は早めに受診することが、病気を進めないために大切となります。

○ 診断 ○

 喫煙状態や症状の経過でほぼ診断は推定できますが、確定診断のためにスパイロメーターという器械を使って、呼吸の状態を測定して診断します。「大きく息を吸ってー、はい、思いっきり吐いてください」と技師さんが補助してくれる検査です。その他の病気との鑑別のために、CTや胸部レントゲン写真を撮る場合もあります。

○ 治療 ○

 根本的な治療法はなく、自覚症状を軽くしたり進行を抑えるために、気管支拡張剤などの吸入薬や飲み薬を用います。禁煙は必須で、呼吸困難がある場合は呼吸リハビリが有効です。重症になると持続的酸素吸入が必要となります。

○ 生活上の注意 ○

 まず「禁煙」の一言につきます。この病気になると、風邪やインフルエンザから重症の肺炎に移行しやすくなるので、普段の風邪予防的行動が大切になります。病気の程度にあった、適切な運動により呼吸に関連する筋肉を日ごろから鍛えることも重要です。

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肺結核

2010年10月15日

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NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報

カルテ36<内科、呼吸器科>肺結核

2010/10/15

 


日本では、じつに4人に1人が感染している可能性があるといわれる肺結核。肺結核は過去の病気ではありません。空気感染することと、何年も前に吸い込んだ菌が体力の低下で活動を始めることがあるという怖さを持っています。

(概説)

結核菌という病原体による感染症を結核といいますが、その9割以上は肺に病巣がある肺結核です。かつては日本の国民病と呼ばれるほど、罹患率、死亡率も1位でしたが、治療や予防の効果が現れ、近年では死亡率が10万人当たり5人程度に落ち着いてきています。しかし、平成17年の罹患率は10万人当たり22人、年間の新規結核患者数が5000人以上と、先進諸国の中では結核発症者の多い国と言えます。

(症状)

咳と痰、微熱、進行すると血痰、体重減少などがみられます。結核菌は比較的弱い菌ですので、感染初期は症状が少なく進行してから気がつくことが多いので、長く(2週間以上)続く咳や微熱や、原因不明の体重減少があった場合は、呼吸器科や内科の医師と相談しましょう。

(診断)

胸部レントゲン撮影やCT検査とともに、痰の培養検査が重要です。培養検査の前段階にあたる、結核菌数を調べる通称ガフキーと呼ばれる検査で既に陽性の結果が出れば、すぐに専門病院での隔離入院が必要となります。それは他人への感染も心配されるためです。診断においては、特に、結核菌と同種の他の抗酸菌が原因となる非結核抗酸菌症や肺がんとの鑑別が大切となります。

(治療)

基本は入院の上、薬物治療となります。標準的には、リファジン、イスコチン、エブトール、ピラマイドという薬剤を使用します。痰に菌が排出されなくなると、外来治療も可能ですが、治療には1年程度かかる場合も多いことは念頭に置く必要があるでしょう。また、薬に対して耐性を持った結核菌の登場が問題となっています。

(生活、予防上の注意)

禁煙は勿論、規則正しい生活と十分な栄養補給が原則です。予防的にはBCGの接種が効果的ですが、平成15年から、小学校での義務接種は廃止となっていますので、各個人の判断が重要です。

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