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歯科・口腔外科

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虫歯と歯周病

2019年04月22日

(概説)

虫歯も歯周病も、ポピュラーな病名で知らない人はほとんどいないと思います。「歯が傷んだら歯医者さんに駆け込むしかないでしょ」「命には関係ないけれど痛いと食事が美味しくないし」「歯はしっかりと毎日磨くことが重要なのでしょ」などと比較的安易に考えがちです。ところが、最近の知見では、歯周病が循環器疾患や糖尿病や誤嚥性肺炎などと密接に関係していることがわかってきました。中には心内膜炎や脳膿瘍など命に絡んだ怖い病気の原因となることもあります。用語的なことですが、歯茎の軽い炎症である歯肉炎が進むと、歯茎の根元まで炎症が及び歯周炎と呼ばれます。それらに加えて、強い咬合が慢性的に続き歯槽骨(しそうこつ:歯を支えている根本の骨)に障害が及んだ咬合性外傷という病態を総称して歯周病と呼んでいます。

(症状)

冷たいものやしょっぱいものがしみたり、歯茎が痛んで食べることが困難であったり、歯ブラシ時に出血したりなど、大抵の人が歯医者さんに駆け込むきっかけとなるポピュラーな症状です。

(治療)

虫歯や歯周病の進展度に応じて、充填処置から抜歯までの治療法が選択されます。

(予防)

何よりも予防が大切なことで、日頃の口腔ケアがポイントとなります。口腔内は雑菌だらけと言っても過言ではありません。口腔ケアの主な目的は口腔内の細菌数を減らすことです。食後のうがいにより、食物残渣(しょくもつざんさ:歯と歯の間などに残った食べかす)を取り除きます。場合により歯間ブラシやブロスを使用するとなお効果的です。歯ブラシによる歯磨きも並行して行います。歯の表面に付着する歯垢(しこう)を取り除くことが目的ですので、あまり強く磨く必要はありません。柔らかめのブラシで時間をかけて上下表裏、満遍なくブラッシングすることがコツです。歯茎の軽いマッサージも意識してブラッシングしましょう。

また、歯石除去など、専門家による口腔ケアも定期的に受けることが推奨されます。特に、介護を受けているような状態では、口腔ケアはより重要となってきますので、専門家の指導を受けるようにしましょう。

 

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口内炎

2018年01月04日

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 NKH健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報  №116

 カルテ67 <歯科口腔外科・皮膚科・内科> 口内炎

 2018/1/4(木)

 

 



(総論)

口の中の粘膜に炎症が起こった状態の総称が口内炎です。多くの方が、一度は経験しているのではないでしょうか?口の中の傷や炎症は、唾液の作用により修復されますので、大抵の場合、市販薬や自然経過で治ってしまう場合が多いので、軽く考えられがちです。しかし、ヘルペスなどのように治療が必要なウイルスが原因の場合や全身の病気として口内炎が発生する場合があるので、2週間以上も治らない場合などは専門医に相談した方がいいでしょう。

(原因)

ウイルス、真菌、細菌などの感染性、アレルギー性、自己免疫性、悪性腫瘍などのほか、貧血、ベーチェット病、エイズなど全身性の病気の症状の一つとして発生する場合もあります。また、原因が特定できないまま治癒していく場合も多いのが現状です。

(症状)

最初は、粘膜が発赤するカタル性口内炎の状態になり、さらに粘膜が腫脹してびらん性口内炎に進み、中央が凹んで潰瘍になった状態をアフタ性口内炎と呼び、最もよくみられる状態です。食べ物がしみることが最大の症状です。

(診断)

経験豊かな専門医による視診と経過観察だけで済む場合が多いのですが、難治性の場合は、組織生検や菌培養などによる検査が必要なこともあります。また、全身性の病気の検索が必要な場合もあります。

(治療)

口腔内を清潔にし、刺激性のある香辛料などを避けるようにします。ステロイド含有の軟膏を使用すると治癒が早まります。特殊な原因による場合や、全身性の疾患の場合は、それぞれの治療を優先させます。

(生活上の注意)

いずれの原因にしろ、体の免疫力が低下している場合に発生しますので、規則的な生活、十分な栄養という日頃の基本的な健康管理が肝要です。歯磨きやうがいを励行し口腔内を清潔に保つことも大切でしょう。

 

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