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「患者も医師も笑顔になれる仕組み作り」

嬉しかったクライアントメンバーからの報告

 

僕の実践している「主侍医システム」の目指すところを一言で言えば「医師も患者も笑顔になれる仕組み」である。勿論、患者の家族や医師以外の医療スタッフも含んでいることは言うまでもない。

ところが現状はどうであろうか?

「この医者は信頼できるのだろうか?真剣に取り組んでくれているのであろうか?」「医療ミスは大丈夫だろうか?」「もっといい治療法はないだろうか?」など不安が次から次へとよぎる。また、インターネットやテレビからの情報を見ると不安は更に増大する一方である。病気で心細いのに、更に迷いや疑いがあると笑顔どころでなく引きつった表情となってしまう。

「この患者は本当に信頼してくれているだろうか?」「きっと誰かにセカンドオピニオンと思っているだろう」「テープレコーダーを潜めているかもなあ」「訴えるようなことはするタイプではないだろうか?」

引きつった表情を見ているとその思いは更に強くなる。笑顔で接しようと思っても「私が苦しんでいるのに、笑うのですか、とも思われかねないし、、」と医師も引きつった顔となる。

大げさな空想のような話しに思えるだろうが、結構事実に近い。医療崩壊の根底に流れる要因の一つだと僕は思っている。

 

そんな中、僕の主侍医クライアントのメンバーから嬉しいお礼の連絡が入った。ある病気の診療のために、母校東大病院の専門医の受診をして頂いた。最初の診察に僕も同伴することになった。初めてお願いするドクターだから、顔を合わせてご挨拶もしておこうと思ったからである。准教授にあたる中堅の医師Aドクターが担当となった。初診ということもあったのか、1時間近く時間をかけて、診察説明をしてくれた。後半の説明の時には、僕も診察室の中でご一緒した。Aドクターは、「先輩まで来て頂いて恐縮です」と懇切に説明してくれた。

帰りがけ、そのクライアントに「大学の医師で、あれくらいに丁寧に対応してくれるのは珍しいね。しかもアドバイスも的確で信頼できる」ということを具体的に説明した。また、そのAドクターにも、後日お礼の連絡をした。勿論、医学的内容のやり取りも行い、今後の治療方針についても検討した。彼は「先輩までご一緒に来て頂いて感激しました」と言ってくれた。僕は彼に「Aさんのようにキチンと対応できる後輩がいて心強い」ということを伝えた。

その1ヶ月後の再診を終えた後、そのメンバーから連絡を頂いたのである。「最初は、実のところ大学の先生で怖い感じもして緊張しましたが、今度は全然違いました。寺下さんから、お話を聞いていたお陰で今度はリラックスして、信頼してA先生とお会いできました。すごく親切で、的確なアドバイスを懇切丁寧にしてくれるし、冗談も出るし、正直感動ものでした。これからは、少し遠いですが東大病院に通うのが楽しみになりました。」

これは、メンバーの方やAドクターが別人に変貌した訳ではなく、人間性や優秀性や取り組み方に変化はない。少し潤滑剤が入っただけのことである。こうなると良循環である。自然と理想的な患者医師関係が築かれていく。

まさに「患者も医師も笑顔になった」と主侍医の僕も笑顔になれた訳である。

 

医療の各論的技術の発展も大切だが、その発達した医療技術をどのように提供していくかのシステムこそ、「幸せに貢献する医療」に不可欠である。ソフトバンクの孫さんが「デジタル情報テクノロジー」の時代から「デジタル情報サービス」の時代に突入しつつあると言っているが、医療の分野でも同じである。「ヒューマンメディカルテクノロジー」から「ヒューマンメディカルサービス」の時代となるであろうと考えている。せっかくのテクノロジーをどのように提供するか(How to serve)に知恵を集めていかなければ幸せに貢献する医療は実現できない。再生医療や遺伝子医療の研究も大切であろうが、医療の仕組み作りの分野にも更に優秀な医療人材が必要とされている。

作成:2011/01/31

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