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進むべきか、戻るべきか 2012/6主侍医通信より

 主侍医活動22年で、その必要性はますます実感するものの、その認知はなかなか広がらないし、次世代の主侍医候補を養成する困難に日々悩んでいる今日この頃です。しかし、一方では、功なり名を遂げた先輩ドクターから主侍医のようなシステムこそこれからの医療にとって必要だから大学や大病院を定年後主侍医倶楽部のようなものを作りたいから、アドバイスをと(偶然にもお二人から)相談を受けました。お二人とも高名なドクターで僕も尊敬している方です。
 「僕は今後の主侍医活動について『進むべきか、戻るべきか』思い悩んでいるところでした」とお話しすると「えっ?!やはり難しいですか?」と絶句され「いや冗談ですが」となり、具体的な話に進みます。現在の活動状況をお話しすると、「あまり無理をしすぎると長続きしないからね。君もよく続けているね。せっかくだから更に発展するようにお互い協力し合おう」と逆に励まして頂くことになっています。 
 一人の先輩は秋にも開始予定とお聞きしました。高名な外科医の方ですから、今まで助けられた患者さんで経済界の有力な方々もたくさんいらっしゃり、初期のメンバーの数にはあまりご苦労されないで済むようだとお聞きしています。目標メンバー数も主侍医倶楽部の現状の10倍とされなんとも羨ましい限りです。
 ライバルができて困るのではと思われる方がいらっしゃいますが、同様の仕事をされる方がたくさん現れることの方が、主侍医の必要性を世に広めるのに力が倍増すると考えています。それに今までの孤軍奮闘の孤独感はかなり辛いものでした。有力な同志が現れるということは、むしろたいへんに心強いものです。その先輩が、我々の「夜間休日ドクターホッとライン」の仕組みをみて驚いていらっしゃいました。それだけの少人数のためにそれなりのドクターが電話待機するのは、あまりにも過剰装備ではないだろうかと経営を心配されたのです。「本物の侍医なみのサポート」を意識していたらこうなってしまった、とお話すると「うーん」とうなられていました。主侍医という業務を考える時に、一抹の不安とむなしさを覚えるのは、医療そのものの不確実さと運命や神様の意志には抗えないという避けられない条件が前提であることです。医療そのものの悩みでもあります。どのような神の手と言われる名医でも、その運命の前にはあまりにも微力です。我々は、そういった運命の皮肉な力を少しでもよい方向へ引っ張って差し上げられるかどうかの、確率論の世界になると思っています。そういう確率論の微々たるものだったら、多少の命の延長の可能性よりも個人や会社の莫大なお金のほうが大切に思われるというのも仕方ないのかなと経済界の優秀な人々の活躍をみては拗ねてみたりもします。でも、我々の活動の中で得られた教訓に「命よりこころ」があることは、いつも申し上げていることです。納得いく医療を受けることが、どれだけ「こころ」の平穏に繋がるかを考えると、あながち我々の活動は捨てたものではないのではと、少し元気が出てきます。
 
 契約会員のみなさまにはいろいろなご利用タイプがあります。日常的に生活習慣病などのチェックに来られる方と正反対に「万一の重病時のときはよろしく」と言われるだけでなかなか普段お会いできない方の両極端の方々、そして時々ちょっとした相談ということでご連絡いただく方、年に1度の人間ドックの時に相談、などなどです。現在、我々の相談体制は、毎日担当医を決めて(月曜日は笹部ドクター、火曜日は田代ドクターと寺下、水曜日は戸澤ドクター、木曜日は笹部ドクター、金曜日は寺下)、完全予約制でご相談に応じております。現在のところ、メンバー数が想定の半数以下ということもあり、ご予約は数日以内に可能です。日中のご相談は原則予約をお願いしています。その最大の理由は我々がプロの医療判断医としてご回答するには下調べが必要と考えているからです。専門分野を特定せず、時には歯科分野やカウンセリング分野までのご相談にのっている訳ですので、この下調べは必須となっております。ちょっと電話でその場で聞きたいお気持ちは分かりますが、プロとして解答するにはやはり下調べや専門医へのコンサルトが必要となってきます。その辺の事情をご理解いただき、まずは電話で専門スタッフに簡単で結構ですので、相談内容をお話の上、ご予約を願います。僕は、たまたまかなり広い範囲の診療の経験をしておりますが、それでも電話で即答を求められることは非常に難解です。まして他のスタッフドクターにとっては、それは精神的にも負担になります。会員の皆様には、3名のスタッフドクターから1名の担当主侍医を決めさせて頂いています。そのドクターの相談担当日に、月に1度、忙しくても2ヶ月に1度くらいは、生活習慣病のある方はそのチェックと処方に、持病のない方は、血圧などのチェックのためにお寄りいただき日頃の簡単な相談もまとめてゆっくりとご相談いただくのは単なるクリニックや病院ではできないことであり、主侍医倶楽部メンバーの特権ではないでしょうか。スタッフドクターとそのコミュニケーションがあると、重病時や格別な相談の時に、予約、下調べがスムーズにいきます。また、年に1度は人間ドックを受けて頂くことを強く推奨しておりますので、せめてその結果の解説だけでもお受けいただければと願っています。この相談も主侍医倶楽部メンバーの特権だと思っています。
 
 また主侍医の安心をより多くの方々に提供したいとのかねてからの願いがあり、7月より「患者と医者のマッチング」に特化したサービスを開始します。「TERRAドクターズ」と呼んでいます。医者探しに困った時に、専任のスタッフが相談にのり、オプションで医師指名の紹介状も作成するサービスです。飯田橋事務所の更に駅寄りのサロンにて行ないます。皆様のご家族や社員、友人の方で、より低費用でお気軽に医者探しを望まれる方にご案内しています。メンバーの皆様のご紹介の方には登録費の減額などのサービスをさせて頂く予定です(こちらのサービスは2019/11現在休止中です)

作成:2012/06/21

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