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大学同窓会旅行にて 2012/10主侍医通信より

 残暑が厳しいと言っているうちに、肌寒い季節となってしまったようですが、皆様体調はいかがでしょうか。早くもインフルエンザの予防接種の時期も近づいて参りました。年に1度の人間ドックの解説とインフルエンザワクチン接種が皆様とお話しする貴重な機会であります。是非、この機会に日頃気になっていることなどご相談いただければと思っています。

 10月末の週末に「鉄門旅行」と呼ばれる、東大医学部の学生とOBの旅行に行ってきました。各大学の医学部には、愛称みたいなものがあり、東大医学部は「鉄門」、京大医学部は「芝蘭(しらん)会」、慶応大学医学部は「三四会」などと呼ばれます。私が鉄門会の理事を拝命して十数年経ちますが、この鉄門旅行には初めての参加でした。今回は群馬水上温泉への一泊旅行です。学生130名、教職員、OBが40名を超える今までで最大の参加数ということです。特に医学部在校生400名中の130名は結構な数です。OBは深夜、明け方まで学生たちと討論するのが習わしと聞いておりました。実際、会場のあちこちで、OBの周りを数名の学生たちが取り囲み真剣な笑顔で会話が弾んでいます。私も学生たちとの会話に熱中し、はっと気がついたら夜中の3時です。会場を見渡すと、さすがにOB連中の姿はまばらで、私も学生たちにおやすみを告げたのです。多士済々のOBたち、優秀な学生たちとの話はとても面白く、彼らがリーダーシップをとれば、今後の日本の医療も大丈夫と確信しました。また「京都大学に負けずに、ノーベル賞クラスの研究と言われることに満足せず、本物のノーベル賞を取ろう」と盛り上がりました。

 同窓会理事としてのご挨拶の機会があり「臨床医学と基礎医学とともに医療の仕組みづくりを考え実践する社会医学がもうひとつの柱としてある。高度な医療や研究レベルの割には日本の国民の医療への満足度が低い。私ども医学事務所では患者医師関係を中心とした医療の仕組みの研究実践を行なっているので、若い人たちにも是非そういった志を持って欲しい」と話しました。学生にはまだピンとこないだろうと思っていたら、さすが東大の学生(と自画自賛気味ですが)、数人の学生が熱心に話を聞きにきました。そして天皇陛下の心臓手術の主治医として有名な小野教授も「すごく大事な仕事だ」と共感してくれ、その後、深夜の2時頃まで、学生たちも交えながら、医療のこれからについて熱く話し合いました。

 難事にチャレンジし、くじけそうになる昨今、魂を鼓舞させて頂いた一夜となりました。睡眠不足になりましたが、一夜明けた昨夜は、10年ぶりに一度も目が覚めずにぐっすりと眠りました。たまの睡眠不足もいいものだと紺屋の白袴的に思ってしまいました。

 医療の広大な分野での総合的な相談にお応えし、それぞれの分野の専門医と連携を保ち続けるためには、日々新しい医療の情報を表面的とはいえ、プロとして耐えうるレベルで内容を把握し、専門医たちとの活きた交流を保ち続けることは相当なエネルギーが必要です。東大の学生たちも「そんなに広い分野の知識を持ち続けるのは大変すぎる」と驚いていました。

 しかも、医療ほど不確実なものはありません。反面、医療ほど確実な結果が欲しいと誰もが望む分野もありません。皆様の笑顔をみることは我々のエネルギーの最大の源ですが、必ずしも結果がすべて上手くいくとは限りません。少しでも上手くいく確率を上げることが我々の任務ですが、「100%の成功」は永遠の目標となります。でも「100%の納得」はあり得ると思っています。

 私のこういった理念や活動を声援して頂いているのがメンバーの皆様だと思っています。そのお返しとして、こういった活動のもとに養えた判断力や知恵と人脈をフル動員して、皆様の健康管理のお役に立ちたいと考えています。決して皆様を単なるお客様だとは思っておりません。どうかその辺をご理解いただければ嬉しく思います。

 ただ、今後の活動におきましては、ビジネスモデルを磨き上げて、堂々とお客様向けのシステムを構築したいとは考えています。

 主侍医倶楽部のビジネスモデルが成立する最低限のメンバー数は100名だと当初考えました。しかし、私の経営/営業能力の低さから、その半ばを超えない状況が続く中、スタッフや仲間のドクターの熱意や友情に支えられて、良質で高度な主侍医サービスを維持すべく懸命の努力をしています。

 皆様への、再度のお願いでもあり、最後のお願いでもありますが、現行の主侍医倶楽部の安定運営のビジネスモデルの実現のためには、長年、主侍医倶楽部の価値をご理解いただいているメンバーの皆様からのご紹介が一番だとお願いをする次第です。

 東大の同窓たちをみても、世代交代が進んでいます。私が築いてきた人脈や経験を進化させるためにも、私が元気なうちに楽屋裏に回ることが急務と考えました。今年度中に、現行の主侍医倶楽部の最終募集を行ない、多少とも余裕のある運営が出来るようになれば、若い主侍医チームだけで構成される「新主侍医倶楽部」の活動を開始したいと思っています。主侍医倶楽部の永続性を考え、しかもより多くの人にご利用できるように、主侍医サービスの項目を自由に組み合わせ各人のニーズに合った主侍医が持てるように工夫していくつもりです。

引き続きご声援願います。

作成:2012/10/31

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