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大切な人の笑顔が見たい 2013/1主侍医通信より

 2013年の新しい年を迎えましてみなさまのご健勝をお慶び申し上げます。一方、常に病気のお話をみなさまからお聞きする私の身としましては、昨年末に急逝されました方に対する哀悼の思いも共に抱き複雑な気分で新年を迎えました。

 年末の主侍医通信や年賀状でも綴りましたが、今年は自分自身が還暦を迎えることもあり、今までの大きな区切りとするべく思いを巡らせております。おおよそ中学生から大学生までの同窓会の世話人や大学ではゴルフ同好会の常任幹事まで引き受けています。友人からの健康相談は、駆け込み寺の寺下と異名を取っています。

 よくよく考えてみると、私は「大切な人の笑顔が見たい」という本質を持っていることに気付きました。ところが医師という職業は、基本的には具合が悪いときに人と会うことになるので、笑顔どころか厳しい顔に遭遇することが常です。だから、「生まれ変わったら医師や弁護士や坊主ではなく芸術家やシェフや職人や漫画家など人が楽しみ喜ぶことを提供するのがメインの仕事に就きたい」とつい思ってしまうのだなと自分のことを理解しました。「生まれ変わったら医師にはならない」と毅然と言うとたいていの友人は驚くのですが、この理由を話すと納得してくれます。

 そんな医療の中でも、笑顔のでる医療の仕組みづくりを研究し実践したいという思いに賛同いただいたメンバーに支援者となって頂き、その恩義に答えるべく可能な限り渾身の力で医療の全般的な相談に対応させて頂くのが主侍医倶楽部誕生のきっかけでした。「いくらいくらで、これだけのサービス」といった発想ではありませんでした。(それがビジネスモデルとしてうまくいかなかった理由のひとつでもあるのでしょうが)

 その後、夜間休日ホッとラインなどを整備し、「医療の相談助言事業」という立ち位置を確立するべく、日々契約形態なども更新し現在の「主侍医倶楽部」の運営に至っております。まだまだビジネスモデルと呼ぶにはほど遠い形態ですし、このままの形態では私の代わりを出来る主侍医団長の育成はほぼ不可能と判断しました。メンバーの方からも「それは無理でしょう。元気なうちは先生ご自身が努めないとだめでしょう。あと10年、いや15年は出来る。」とぴしっと言われもしました。有難いお言葉で、その通りだと思いますが、元気なうちに継続性のある仕組みを作らないと、せっかく作った土台が霧と消える可能性があります。

 ここ数年迷いましたが、本年3月を持って現行主侍医倶楽部の新規募集を終了し、「常時サポート」系から「一時的サポート」系と「定期的サポート」系の主侍医サービスをより多くの仲間の方に提供できる仕組みを整えていこうと決意しました。若手のドクターのみならず、ベテランのドクターにも活躍して頂ける場を作ろうと考えています。良きにつけ悪しきにつけ、今までの主侍医の経験値は相当積み上がっています。

 主侍医倶楽部のみなさまには、更に充実して安定した安心を提供できるように、ご家族の方のサポートや時間外対応の仕組みや、またメンバーが経営されている会社の社員や顧客の方々へのサポートの提案などを差し上げて、満足度安心度の高い主侍医サービスとなるよう努めたいと思っています。古くからのメンバーの方から順次お声をおかけしますが、この機会にご家族や友人、社員のみなさまにも主侍医の安心をとお考えの方はご相談下さい。また3月末までは現行主侍医倶楽部の募集は続けますので、こちらもよろしくお願いします。「区切りをつけなければ前に進めない」というマリナーズを辞めた時のイチローの言葉に共感しました。

作成:2013/01/22

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