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スモールメリット 2013/8主侍医通信より

 「意外に読んで頂いているんだ!」
 この主侍医通信を1,2ヶ月毎にお届けしていますが、この手のものはあまり読まれないものだとはじめは諦観していましたが、実際は、メンバーの方から内容の感想をいただくことが多いことに嬉しくも驚いています。飯田橋オフィスにも掲示したり、ホームページにも少し遅れて掲載していますが、こちらもご覧頂くことが少なくないようです。
となると書く側の私たちにも力が入るもので、気を引き締めているところです。
 
 前回の通信から今回までの間に、私も無事還暦を迎えました。一回りの意味の還暦に際して、ここ数回の主侍医通信では「新しい世代の主侍医チーム」や「主侍医サービスの新しい形」「現行主侍医倶楽部の募集中断」などの話題を中心にお話をしていたこともあり、友人としてのお付き合いもあるメンバーの方々から「60歳はまだまだ、はなたれ小僧」「70歳でようやく少し分かってくるものだから、まだ10年は陣頭指揮を取ってもらわないと」「いやいや80歳まではお互い元気にゴルフを楽しめるようによろしくね!」などと檄を飛ばされているところです。
 還暦に際して、各種友人から励ましの行事をして頂き、今後の活動を考えているところですが、常に社会や周囲の方々と共に歩んでいかないと気が済まない自分の性格から考えても、どこかで隠遁生活はありえないなあと再認識はしています。来年は事務所開設30周年、主侍医倶楽部発足24年目となります。今までの経験と実績を材料に、プロトタイプバージョンの「主侍医倶楽部」から、普及バージョンの「ドクターサービス」へと進化させていきたいと熱望しています。
 私が敬愛するメンバーのお一人でもある桐山氏から頂いた言葉の中に「スモールメリット」という有難い言葉があります。現在の世の中に特に必要な言葉だと思っています。私たちの仕事もまさにそうです。大量生産は出来ないし、やってはならないものです。ただ、主侍医倶楽部の現況は、工房で作られた理想型の未来カーのようなもので、まだまだ市販には耐えられないものではないかと日々自問しています。桐山氏の「スモールメリット」の本来の意味するところまで達していいないのだということに思い至りました。
 多くの医者仲間や先輩後輩たちから、今までの活動内容に関して「希有な専門医人脈」「専門にとらわれない幅広い医療分野についてのコンサルトの困難さへの挑戦」などと高い評価を頂いていることはありがたいことですが、彼ら自身はとても出来ないというよりは、そんな労多くして功少ないことはやらない方が懸命との敬遠の気持ちもあることは薄々気がついているところです。
主侍医を説明するために、「オーケストラの指揮者」「ゲートキーパー」「ボディガード」「総合医」などと例えることが多いのですが、最も分かりやすい例えは「監督」だとの結論に至っています。野球やサッカーでは監督がいなくても試合は出来ますが、監督がいるとその試合内容は格段に向上します。プロの世界では監督次第でチームの力が左右されると言っても過言ではありません。
 医療の世界でも同様に、監督(主侍医)がいなくても充分な医療は受けることが出来ますが、監督がいることにより、その品質は飛躍的に向上します。ただこれも野球やサッカーと同じように100%勝つという訳ではなく、勝率が上がるということです。我々主侍医はその勝率の上昇が腕の見せ所になる訳です。
この監督ドクターのことを「Terraプライベイトドクター」と名付けて、世に広めていこうと考えています。東大医学部OBのベテランドクターに順次依頼し、一人のドクターが数十名のクライアントを担当する「ワンドクター少人数シェアリング」のユニットを基本に、ユニット毎の担当ドクターが連携して、幅広い相談対応力と専門医人脈力を強固にしていくシステムを考えています。事務局は今までの経験を活かしエージェントに徹します。そして事務局直営のモデルバージョンに「主侍医倶楽部」が位置づけられます。
具体的なことは次回のこの場でご説明したいと思っています。
 『真っ当な医師を応援することにより患者を支援する』という理念のもと「良好な患者医師関係」をプロデュースし、医療満足度を向上させ、医療訴訟ゼロを目指すことが我々事務所の願いです。
2013年8月 吉日 寺下謙三
 

作成:2013/08/15

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