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医師会推奨「かかりつけ医」で思うこと 2019/7 主侍医通信より

気候の変化が激しく、時候のご挨拶の文言が定まらないような不順な天候が続きますが(この通信がお手元に届く頃は真夏日となっているのでしょうか?)みなさん体調はいかがでしょうか?
 
6月25日の日経新聞で「かかりつけ医 定額制に」という見出しの記事が掲載されました。
日頃の診療と、まず相談できる医師を登録制にすることにより直接大病院へ行くことを抑え、医療費の抑制につなげようというものです。
本来のかかりつけ医の機能を充実させようということは私も望むところであります。
実際1993年に上梓した「ホームドクター主侍医制度」の「はじめに」の最後の行に「国民皆主侍医制度が国によって実現される日が到来するまで」頑張ります、と書いたことを想い出し、感無量の面持ちです。
私の任務も完了する日が近いのか、とも震える気持ちです。
しかし、政府が「国民が安心する医療の仕組み」を念頭に考えているのでしたらいいのですが、「医療費抑制のために」ということを錦の御旗にしているようでは、うまくいかないのではとも危惧しています。
ちょうど、同じ日の同じ新聞に、このかかりつけ医登録制度に基本的には反対している医師会の意見を載せた記事があります。
日本医師会はかかりつけ医を、
⑴なんでも相談できる
⑵最新の医療情報を熟知している
⑶必要な時に専門医を紹介できる
⑷身近で頼りになる
⑸地域医療、保険、福祉を担う総合的な能力を有する医師、と定義している、と書かれていました。
私が30年来、まさにその役割一筋に頑張ってきましたが、常に切磋琢磨していても医療の進歩に追いついていくことに精一杯です。
生半可にはでき得ない高度で熱意と根性がいる任務です。
このかかりつけ医を全うできる医師教育とそれを経済的かつ人脈的に支援する仕組みがハイレベルで機能しないと、せっかくの安心幸福の医療を目指した本格的かかりつけ医制度への国としての試みが空中分解してしまうのではないかと期待とともに不安な気持ちももたげているところです。
 
今こそ、新しいかかりつけ医制度の模範モデルとしての「主侍医制度」となるように「主侍医倶楽部」に磨きをかけたいと強く思っています。
老体に鞭打ちながらも若い力を借りて充実させていきたいと思っています。
有り難いことに、長らくメンバーを続けていただいています方々から、「他には類を見ない信頼と安心」、ということで大切なお仲間を紹介していただいています。
この場をお借りしてお礼を申し上げます。
 

作成:2019/07/26

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