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200302コロナが教える人の道7 やっと出た学校閉鎖要請、でも他には?

COVID19感染症に対抗する、国民への具体的な要請としての全国の学校閉鎖要請が総理より発せられた。遅すぎるとの声が多いようだし、僕も同じ意見ではある。問題ポイントは「遅いのに、唐突である」ということだと考えている。以前のブログでも述べたが、どうも総理の周りには「国民は(無知で)動揺しやすいから、情報はなるべく我々中枢でコントロールし、開示する時は突然の命令の方が効果的だ」と考える幹部や専門家が多いように僕の目には写る。そんな日本に引き換え、台湾の国の対応が世界から注目され称賛されていると聞いた。大統領自ら、陣頭に立ち、国民を守ろうと必死で懸命に努力をしている姿が、国民に伝わっているというのだ。ウワベだけでは、国民は騙されない。そして、基本的には、国民にも情報をリアルタイムで共有できるシステムをいち早く構築している。その立役者は、「公僕中の公僕」を使命にして、政治家となった人だ。トランスジェンダーとして辛い過去を味わったとの話だ。マスク一枚一枚の動きまでトレースして、国民に行き渡るように配慮しているというから驚きだ。
「国のため」「国民のため」を最優先している政治家は、少なくとも日本では、ほとんどいないように僕には見える。「ノブレスオブリージュ」を何よりも愛する僕としてはとても残念なことだ。まあ、政治家に限ったことでなく、経済社会の重鎮たちでも、我々医療の世界でも残念な人は少なくない。でも、あえて、弁護するなら、医療の最前線で頑張っている人たちの多くは、自己犠牲をしてでも人のために尽くしている(ように見えることが多い)。少なくとも、その比率はいろいろな職種の中でも多いと感じている。安心してほしい。その比率の半分でも、政治家や経済界の重鎮や富裕層などに存在すれば、こういった危機をもっとスムーズに乗り越えられるのでは夢想している。非難を受けるのを覚悟であえて言いたい。

「学校閉鎖」の話に戻そう。集団感染(クラスターという言葉が流行っているが)を防止するには、人が集まらない、移動しすぎないということが基本的だ。そういう観点では「学校閉鎖」は一つの手段としては正しい判断だと考える。しかし、これだけでは効果は極めて低いと予測している。しかも、子供を自宅で面倒を見るために、医療現場では看護師、医師なども不足することも予想される。保育園や学童は制限していないようだが、そちらでの集団感染が心配だ。机上の極論としては「学校閉鎖」と同時に、全ての国民が自宅に閉じこもり2、3週間全く動かなければ、感染症はほぼ抑止できるであろうことは想像できる。それが無理となれば、「学校閉鎖」のように一部分を極端に制限するよりも、大人も含めて総論的に、移動や接触をある程度抑えるパッケージで考える方が効果的ではないかと僕は推論する。望むらくは、今回の全国学校閉鎖の要請が、事態の深刻さを国民に浸透させ、不要不急の外出を極限まで押さえ込むことができることと、一方、マスクやトイレットペーパー、食糧などの供給は大丈夫だとの安心のメッセージを国民に伝えることができることを願うばかりだ。

各分野や団体でリーダー的な立場の人は、なるべく正しい(正しそうな)知識を得る努力をして、周囲の仲間のリーダーとして、一人一人がどのような行動をとることが大切なのか伝えていってほしい。今こそ、本当の「ワンチーム」になれるかどうかの瀬戸際だ。

作成:2020/03/02

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