Home

200311コロナが教える人の道12 専門家たちの声に耳を!

テレビのコロナ関連番組に、疲れながらも気になるから見てしまう、という方々は多い。我々医師の間でも、感染症が専門でなければ、正確なコメントは難しい。それどころか感染症の専門家の間でも意見が分かれている。そんなかで、バラエティー番組的なゲストが口々に不安や政府や中国などへの文句などを並べ立てる番組はいい加減やめてほしい。こういった非常事態の報道は、民放は協力して、専門家情報を流す一番組に統一して、NHKは政府からのメッセージに統一するというような仕組みにできないものだろうか?それだけで、国民の不安は軽減するだろうし、過剰な買い占め行為は抑制されるであろう。

医療判断学を開拓した僕でも、今の状況の判断と行動には悩む。なるべく専門家の冷静な情報を読む(できれば文章化されたものがいいが、タイムラグは生じる)ようにしている。WHOのある専門家の文章で感じたことだが、「中国の患者数などの数字は当てにならない」と小馬鹿にした報道をよく耳(目)にするが、案外そうではなく、中国の医療人は結構頑張っているし、SARSなどの経験値もそのレベルは上がっているのかもしれないと感じた。むしろ、検査体制についての奥歯に物の挟まったような言い方をする日本の政府要人たちの実態把握の程度の方に疑問を感じている。今頃になって、ようやく検査数や陰性、陽性の数などが発表されつつあるが、まだまだ不明瞭である。僕の出身の和歌山では、検査数も無理にでも増やし、その結果も公表した(ようだ)結果、感染者の数は抑えられている。保守的と思っていた和歌山の行動に驚いたが、褒めるべきではないだろうか。
癌など悪性の病気の告知は、一昔前は本人に伝えないのが日本では普通であった。その代わりそれを伝えられた家族や担当の医師の責任や本人への愛情ある対応の重さは相当なものであった。それぐらいの覚悟がないと、「不安を募らせないためにも、、、、事実を伝えるのを見合わせていた」ということはできないものである。その覚悟に自分自身が悩んだり、患者さんのご家族とも一緒に悩む日々であるのだが。

作成:2020/03/11

​ ​