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200317ちょっと嬉しかったこと 格好いい若者

新型コロナ感染で、部屋に閉じこもっている毎日であるが、趣味の一つである「ゴルフ」は比較的安全で、人にも迷惑をかけにくい遊びであろうと自己弁護もしながら、できるだけするようにしている。僕にとっては、いろいろな分野で活躍する大学の同窓生とのゴルフ交流は、他の分野の知識と情報更新、時には患者さんの依頼など、仕事上の利点も多いから、ますます自己弁護できる具合である。

そんな中、先週、所属するMカントリークラブでのプレー中の出来事である。グリーンの周りまで来ていて、せっかちな僕は奥の方に飛んでしまった自分のボールの方に歩いて行こうとしていた時に、手前の別の方向から友人のNドクターが打ったボールが、どうやら僕の後頭部目掛けて飛んできたらしく、仲間たちが大声で「危ない!」と叫んだので、うずくまろうとしたが「もっと危ない!」という声が聞こえたかと思うと、その日キャディーさんを務める若い男の子が、自分の体で僕を庇うように後ろに乗っかって来たのである。咄嗟のその判断、常日頃からの心構えがないとなかなかできないものだ。
朝のスタートの時に、プレーする仲間とその日のキャディーさんが挨拶する。その日は若い男の子であったから、正式のキャディーさんが足りずにバイトの子だなと僕も他の友人も思った。しかし、スタートしてみると、距離や打ったボールの行方など的確であるし、何より誰かがいいショットをすると大声で「ナイス!」と本当に喜んでくれるから、こちらも気分がいいな、と思っていた矢先の出来事であった。僕は後ろ向きだったので「あれっ、自分の体で守ってくれたのでは???」と感じたものの確証がないから、2、3ホールの間は黙っていた。そして、「さっきは身を持って守ってくれたね」とお礼を言うと「いえいえ、、、」と何くわぬ顔の照れ笑い。そして、初めて同伴の仲間たちも「そうなんだよ。咄嗟に寺下さんの後ろに回って体で受け止めようとしてたよ」と称賛の嵐となったのは言うまでもない。その少年から見れば、我々はおじいちゃんおばあちんと見えて「自分が守る」と言う意識を持って同伴してくれていたのだ。ありがたい話だ。

帰り際にフロントのスタッフに話したら、「それはいい話ですね。彼はバイトなのですが、時々そのようなお褒めの言葉を聞きます」とのことであった。

その日のスコアは大したことなかったが、誠に気分良く帰りの道の運転も苦にはならなかった。

作成:2020/03/17

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