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200327コロナが教える人の道19 コロナが引き出す悪魔の心とならないように

表題は、確か新聞で見かけた川柳である。でも言い得て妙である。この国家的危機に際し、民衆の取る行動はまさに千差万別である。専門家の言っていることも十人十色であるから、それを聞いている一般人の心が揺れるのも尤もだ。しかし、どのような専門家も完全無欠な意見は言えない。何しろ、初めて体験するウイルスであり、かつ、既知のウイルスとはその特色が異なる部分が多いように見える。そうは言っても、多くの部分は一般論としての感染症やウイルス学が当てはまる。

昨日、一昨日(3月末の週末)は、東京で、「外出自粛要請」が小池都知事より強い口調で示された。それに反応して、都民の大方は外出を控えた。しかし、ある放送局の聞き取り調査では、なんと15%の都民が「いつもと同じように外出した」と答えた。「やむを得ない理由で外出」ではない。パレートの法則をご存知であろう。「概して世の中は20%の人により動かされていく」という考え方だ。この危機を救ってくれるのも、20%の人々であり、みんなを滅亡へ導くのも20%の人々ということだが、僕は下手をすると20%ではなく5%と言っても大きな間違いはないのではと思っている。
「自分自身がウイルスの運搬人になることの恐怖」を想像できる人は80%いるだろうが、それを感じない、思わない、むしろ否定する20%の人は、このウイルスを蔓延させる要因としては十二分な量になる。悲壮な状況に陥っているイタリアでは、知事や首相レベルの人が「(そんな集団には)火炎放射器を持った警察を向かわせる!」と叫んでいる。必死である。気持ちはわかる。しかし、日本で政治家がそんな発言をするととんでもなく非難されるだろう。(勇気ある政治家を期待するところだが)全ての人を説得させるには「太陽か?風か?雨か?、、、」僕には答えがない。

こんな時こそ、模範やリーダーが重要だ。我々年寄り組が「若者たち」に理解を求めて叫ぼうが宥めようがその効果は限定的だ。それぞれの集団のリーダーや憧れ的な人々から発信することこそ重要だ。テレビニュースや新聞を見ない人に、著名ユーチューバーが自粛を呼びかけたと聞く。「あっぱれ」だ。結構効果があったのではないだろうか。世の中の人気タレントやアイドルたちが同様の行動を倍加してくれることこそ最後の15%に訴える方法だ。無観客ライブをネットで流し、「この場に来れない人こそ本当のファンです」と叫んでほしい。そして本当のファンなら、ネットを通じて〇〇ペイで、好きなだけ払えばいい。それこそ「ファン中のファンです!」

それでもダメなら自衛隊か機動隊に頼るしかない。この危機的状況を知りつつ、3つの「密」をあえて行うものは、「凶器準備集合罪」に等しい行動とみなされてもいい危機的状況間近なのである。

しかし、僕の本音は、このコロナウイルス禍を乗り切った暁には、自分の権力やお金を追求するのが自由な資本主義の真髄と確信して突っ走ってきた我々は深く反省し、人の痛みがわかり弱者に配慮して控えめな行動できるものこそが賢者で強くクール(格好いい)だと分かる世が到来するものと信じている。その模範として、家族や年寄を大切にし尊重し、スローライフを実践していたイタリアやスペインがこの行き過ぎたグローバル時代の呪いを受けている姿に心が痛んで痛みすぎている。そんなイタリアで、看護師のボランティアを求めたら7000人も応募した。コロナで犠牲になったものの10%が医療従事者というのに!辛い、辛すぎる。

作成:2020/03/30

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