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200406コロナが教える人の道23 一体いつまで?

「一億総不安」状態となっている我が国ですが、世界中でも同じでしょう。「総」と言ったら、「俺たちは気にしていない」「勇気があるから怖くない」などと言っている人から苦言を呈されるかもしれない。前回のブログでその辺については言及したので参照して欲しい。

今回のテーマは「一体いつまで?」ということである。医療の総合相談役を自認する僕にとって、心の問題について相談されることも少なくない。そんな時に患者さんは「トンネルの出口が見えない恐怖不安」という表現をよくされる。「いつまで我慢すればいいのか?」「いつ逃れられるのか?」というのが不安を招く大きな要素となる。

中国に始まったこのCOVID19だが、韓国に飛び火し、いよいよ日本かと思っていたら、イラン、イタリア、スペインで爆発し、次には米国である。その間、日本では、じりじりとゆっくり増えていき、欧米の様子を見ながら、今か今かと真綿で首を絞められるような感じが続いていた。いよいよやってきたかという感じになってきた。ここまでピークをずらせて頑張ってはいるものの、それだけ不安状態が長く続いていることになっている。だから「コロナ疲れ」や「自粛疲れ」などという声も聞かれる。我慢はこれからが本番であろう。しかし、ピークを遅らせてきた恩恵はある。いろいろな治療薬の試みがかなり進んできた。ワクチンの開発も進んでいる。もう一踏ん張りピークを延ばせることができれば、アビガンはじめとする数種類の効果的な薬の効果判定の結果が出て、日本でも実際に使われることになる。

テレビ報道では、暗い話が主体だ。マスコミの視聴率優先の癖もあるのだろうが、国民への危機意識を、という配慮もあるのかもしれない。しかし、トンネルの出口を見せるような希望の報道も2、3割ないと不安に喘ぐ国民は我慢が続かない。また、我々国民を最も脅かせているのは「罰則もなく、コロナも怖くない(怖さを実感しない)から、やりたいことをするまで。それにどうせ治療薬もないのでしょ」と半ばヤケクソに行動自制をしない2割の人たちだ。「2割の人が全体を支えている」というパレートの法則は「2割の人が全体を壊す」ともなる。

「国民を守るためには厳しい取り締まりも必要」とは持論であるものの、明るいトンネルの出口を見せてあげることも、脅威の2割の心を揺り動かす「太陽」になるのかもしれない。
諦めないで頑張り耐えていると必ず光明がさす。

作成:2020/04/06

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