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211020 コロナが教える人の道55「出来ない」理由を言う癖

モーニングショーか何かの中で、誰かが「日本の政府は、、、、だから、、、出来ない。という言い訳ばかりだ」と言うような発言をしていた。僕が格好悪いと思っている行動パターンの代表に「愚痴」「言い訳」「人のせい」がある。嫌いなはずだが、気がついたらついついそうしている自分を発見することも少なくない。前回、このブログを更新してから早4ヶ月も経ってしまった。「コロナ感染の急増もあり、患者さんの相談でてんやわんやだった、、、」とか「入院治療が必要なのに入院できない患者さんをサポートするのに酷く時間がかかって、、、」「ワクチン接種の協力などもあり、、、」などついつい「言い訳」を探してしまう。
しかし、外食はできずともゴルフなどする余裕はあったから、言い訳無用である。反対していたオリンピックもテレビで楽しませていただいた。毎日鰻登りに増えていくコロナ感染者数の情報を聞くたびに「油断をしているからだ」「オリンピックを中止する英断ができなかったからだ」「検査体制を充実できなかったからだ」などと「愚痴」が次から次へと出てくる。「政治家のせいだ」と「人のせい」にしたくなる。
この夏の、コロナ感染者の急増による医療の危機(すでに一部では崩壊していたと思います)は、一般の方はもちろん、我々医療従事者にとっても身震いするものだった。コロナでなく、普通の病気でも入院できないという状況で、僕自身も皆様からのご依頼に応えて、緊急受診や入院のお手伝いが極めて困難だった。幸い、全てのご依頼になんとか応えることができて、無事入院治療が叶い、難を逃れることができた。中には心臓病や脳血管の重要な手術などもあった。普段なら、自分のネットワークで無理なくできたことだ。友人の弟さんがコロナで重症化しているにもかかわらず、病院受診もできずに苦しんでいると友人が困り果てて電話があった。その方の近くの病院を探すが、見つからない。入院時治療として使うステロイド投与の処方を手助けしてギリギリ難を逃れたこともあった。今から思うとヒヤヒヤものだった。
コロナ禍に対して何もできないと思っていたが、振り返ってみると小規模ながらも身近な人には結構活躍できたかもしれない、と自身を慰めている。
つい先日、仲間の医者達とゴルフをした時に、別のお客さんについていたキャディーさんが近寄ってきて「寺下先生ですよね」と呼びかけてくれた。思わず「何か悪いことしたかな?」とのけぞった。続いて「先生のブログのファンなのです」「えっ、ほんとですか?」「でも、最近更新していないですね!」「..............」
「言い訳」はみっともない。堂々と「ついブログの執筆を怠けていました、、」と素直に言った方が潔い。「近いうちに更新します」と笑顔で。なんといっても思わぬところでの読者の発見に元気が出た。

 

作成:2021/10/20

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