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220909 豊かさ・幸せを哲学する8 ニコマコス倫理学その1

以前、「コロナが教える、、、」シリーズで、「できないことの理由をコロナのせいにする」癖が世の中に染み付いてきた、と批判的に書いた記憶があるが、まさに自分自身もそのキライがあることを認めなくてはならない。前回のブログ更新からななんと4ヶ月近くも経ってしまっている。コロナ、ウクライナ侵攻のせいにしていたら、安倍元総理襲撃事件やらその国葬問題、統一教会問題、記録にないレベルの自然災害の連発、猛暑による被害、エネルギーや物価の高騰問題など目を覆いたくなる耳を塞ぎたくなる話の連続だ。ほっとするような話題は極めて少ない。その温かい話題を求めてNHK朝ドラ「ちむドンドン」を心の清涼剤にしている人は少なくないようだ。その代わり同NHKの大河ドラマ「鎌倉殿」を見ると、人間の欲に塗れた醜さへの変貌の様子に「鎌倉時代の昔も今も人間の心は変わっていない」と暗い気持ちになってしまう。そんなNHKの番組で「100分で名著」という番組を録画してみている。これは僕にとって便利で、「読み返してみたいがちょっと面倒だな」と思う本や、以前から(50年前から?)読んでみたいと思っていたが、余りに敷居が高く手をつけていなかった古今の名著をそれぞれの専門家が25分4回の100分で解説してくれる僕にとって大変便利な番組だ。その中で、アリストテレスの「ニコマコス倫理学」の話が、最近の事態で人間嫌いになるのではと恐れていた自分自身にあかりを灯してくれるのではと期待している。名前は知っているが読んでいなかったので、現代日本語訳を購入し、これから楽しみに読んでいこうと思っている。
「友愛こそ幸せの基軸にあり、友愛があれば正義(法律など)を意識する必要はないが、正義をきちんと行っていても友愛は不可欠だ」というような解説を聞いて、2000年以上も前にもこのようなことをしっかりと考えている人がいたのだと、すっかりアリストテレスファンになった気分になっている、今のところではあるが。

作成:2022/09/09

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