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230324 豊かさ・幸せを哲学する10 不要不急のWBCの力

「不要不急のことこそ人間にとって不可欠の栄養剤」と思っている。今回のWBCは、それを見事に証明してくれた。悪い事件が起こっては、このブログを書くことが多く、「嘆きのブログ」状態になっていた。「何が、幸せ哲学だ」と罵られても仕方がない最近のブログ内容だった。久々に明るい話題に接した。多くの国民が感動に酔いしれた侍ジャパンの活躍ぶりだった。(告白:僕の最近の野球離れはひどく、名前と顔が一致していたのは大谷とダルビッシュだけだった)

どのような仕事も大切であることは当然であるが、国にとって最も大切な仕事は「政治家」であると思うようになった。友人たちから、「政治家にでも立候補したら?」と言われることは少なくない。その度に「最もなりたくない職業は政治家だよ」といつも答えてきたし、今もそう思っている。人は憧れるような人がいて、それを目指したくなるものだ。大谷を見て「野球選手になりたい」と思った子供たちは多いだろう。我々の世代の医師は、ベンケーシーやドクターキルデアなどという昔のアメリカドラマの主人公ドクターに憧れただろうし、もう少し若い世代は、手塚治の「ブラックジャック」の影響は否めない。憧れる模範となる人物の存在は大きい。僕にとって、憧れる政治家が今も昔も存在しないのが、なりたくない職業の代表が政治家であるという理由だ。
しかし、国民、庶民の幸せにとって、最高に大切な仕事は政治家であるのも事実だ。そんな要職にこそ、能力がひときわ高く、自分や側近の人々だけではなく広く民のために、身を粉にして犠牲的精神で全力を尽くすことができる魂を持った人がつくべきである。しかし、世の中を見渡してみたら、「少しばかり能力の高い人が、徒党を組んで、自分や側近の人々の利益になることを最優先し、自分のプライドまで満たそうとする」政治家がほとんどだ。世界に目を向けると、もっとひどいかもしれない。国民の命を貴重とさえ思っていない国主が少なくない。どうしたらいいか?諦めるしかないのか?そんなことを考え抜いてみたいというのが、「しあわせ哲学者」を目指している所以だ。

前回書いた「連続強盗殺人事件」だが、安全神話の呼び声高い日本での現実だ。驚き、不安が押し寄せる。どこの国にでもいる悪人のなせる技なのだから、政治とはあまり関係がないと思われる方も多いかもしれない。確かに指示犯になるような極悪非道の輩は、どの国でも一定の割合で発生していく。しかし、今回の犯罪の構造で、最も気になるのは、昨日まで無垢だった若者が、お金に困りSNSを通じて実行犯に成り果てていったことだ。それも少なからずの数が存在している。
政府は、貧富の二極化を止めるどころか、口では問題視しながら、やっていることはむしろそれを助長しているキライがある。「お金がなければ何もできない」「お金があればなんでもできる」という風潮を、この日本で蔓延らせた罪は大きい。もちろん、その主犯は政治家だ。また、その周囲に群がる経済界やVIPと言われる人たちだと、僕は思っている。人のせいにばかりできないが、これは批判だけではない。一旦は日本国民のためにと政治家を志した人に、初心を思い出して粉骨砕身努力してほしいという、真剣で切実なお願いでもある。

報道番組では、「僕も侍ジャパンの選手のように、何事も諦めずに最後まで努力をしたいと思いました」とたくさんの子供たちが興奮気味に話していた。楽観的と笑われるかもしれないが、闇バイトに応募する予備軍の若者の1割程度には「闇バイトなどの誘惑に負けず、僕も努力して、きちんとお金を稼ぐことを諦めないでいよう。」と思い直させる力があったのでは期待している。
他人に配慮し、人のために努力を惜しまない、チームを大切にする日本国民の本来の姿を引き出すようにできる力を持つのは政治だ。それはうらやましい仕事だ。

模範の姿を見せてくれた侍ジャパンの方々、ご苦労様でした、そして、ありがとうございました。

作成:2023/03/24

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