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200531オンライン会議行いました

COVID-19 治療を考える会議 《議事録簡略版》

 

第1回オンライン会議 2020531日日曜日1815分から2050分 Zoomにて。

参加者:寺下謙三、美馬達夫、松島照彦、保坂義雄、高木 清、木村 明、内田俊也(ホスト役)

 

 本会議発足の経緯について発起人である寺下謙三先生から説明があった。2月下旬ころ新型コロナ拡大から不安な気持ちになり、さまざま情報が交錯している状況では叡智をあつめて中央に提言する必要もあるのではないか感じた。専門の違う同級生が集まれば岡目八目的に様々な意見が出るのではないか、医療崩壊を防ぐための方策を考えることでこの危機的状況に参加できるのではないかと思った、との説明があった。

 参加医師からは自己紹介のあと、ソーシャルディスタンスの重要性やモーニングショーも情報収集に役立った(A医師)、重症患者が3倍加算になる話やオンライン授業の準備が大変である(B医師)、将来のグローバルな活動に対する懸念がある(C医師)、血液透析患者では院内クラスターにならないように注意している(D医師)、ロックダウンから経済が落ちこむこと、将来の医療・医業に対する不安がある(E医師)、開業していると収入が3割減になっている(F医師)などのコメントが寄せられた。

 新型コロナの発生については、コウモリと人間の接近が関係あるとすれば、森林伐採や地球温暖化がさらに原因がある。人間のおごりに対するノアの箱舟だとの意見もあった。中国武漢からの発生に対する検証にも期待したい。

 新型コロナに対する取り組みとしては、PCR検査がなぜ増えないのかの疑問が多く出された。無作為抽出して検査すれば全国への蔓延の程度がわかるので重要ではないか。保健所の負担、検査機器の不足、医療崩壊をふせぐため、オリンピック開催と関係しているのではなどの意見が出された。

 新型コロナに対する治療についても議論は進み、秋冬の第2波、第3波にそなえたexperience-based medicineも大切ではないか。政府や官僚が日本モデルとして成功したと考えるのは危険である。日本はアジアのなかで死亡率は高い。山中教授のファクターXについても議論は及び、靴を脱ぐなどの生活習慣、HLAの違いなども考えられる。新型コロナに対するワクチンへの期待は大いにあるものの、完璧のワクチンができても、それがいつ全世界に普及するかはわからない。

 新型コロナと生きるいわゆるウィズコロナについても話は展開した。RNAウイルスであるSARSもまだ撲滅されていない。変異しやすい新型コロナへの対応が重要。感染症との共存について深く考えさせられ、価値観、人生観に多くの影響を与えた。新型コロナ以上に深刻なことが種々あるので人間社会は持たない。若い人にどのような世界を残せるかを考えると悲観的になるなどの意見も出された。Jared Diamondの著述が推薦された。

 今後の展望としては、リットマンの聴診器を使ったテレ診療の話もあったが、AI技術を駆使すれば医師は消え行く職業かもしれない。しかし、自分たちが医学部を選ばなければどうするのが正解だったかに答えられる人は誰もいなかった。

 本日のまとめ。会議の目的は、東大医学部の同級生が新型コロナの現状と将来について専門を越えて気楽に語り合うためであった。大きな意見の違いはなく、みんなの価値観は共通していることが確認された。次回会議を2020614日日曜日 18時からZoom会議でと設定して散会した。(文責 内田俊也)

 

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