情報(ニュース)

総論及基礎医学

200712サイトカインストームのメカニズムについて 東丸貴信

免疫細胞の自爆の連鎖が原因?新型コロナ重症化に潜む知られざるメカニズム 7/10(金) 9:26配信   (米国立アレルギー感染症研究所提供)    新型コロナウイルス感染症の特徴のひとつに急な重症化がある。英国のジョンソン首相もSNSで普通にメッセージを発したわずか数時間後に集中治療室に移送されるほど重篤になったことを覚えている人も多いだろう。その原因のひとつはサイトカインストームにあると言われているが、新型コロナウイルスが引き起こすサイトカインストーム...

200619第1波対策良かったこと悪かったこと(寺下謙三個人意見0619)

誤りをきちんと認めることから、改善や進歩が生まれると思います。 今までの、日本の対策について、良かったこと悪かったことを列挙してみます。 (良かったこと)かなり少ない。 初期の頃は、政府の専門委員、とりわけ西浦先生や押谷先生が、ほぼボランティア的活動で、クラスター潰しをまめに行ったことにより、爆発的増加が抑制されていた。 何よりも、最前線で活躍した医療現場の医師、看護師らスタッフが使命感のみに支えられ献身的に丁寧に対応し尽くした。 国民の大半は、マスク着用、手洗い励行をすでに自主的に厳密に行っ...

200512 東京の医療崩壊 榊原記念病院院長 磯部光章(S53卒)

東京の医療崩壊 「医療崩壊の危機」「医療崩壊の瀬戸際」といった表現で、まだ東京の医療は持 ちこたえているという論調でマスコミが伝えています。本当でしょうか。東京における 循環器救急治療はすでに崩壊・炎上しているというのが現場にいる私の見立てです。 急性心筋梗塞は治療をしなければ死亡率は30-40%、大動脈解離や大動脈破 裂は60-70%死亡する疾患ですが、それぞれ緊急インターベンション治療や緊急手術 により大半が救命できるのが現代医療です。 ...

200512新型コロナと公衆衛生―いわゆる医療崩壊を考える 長谷川 友紀

新型コロナと公衆衛生―いわゆる医療崩壊を考える 長谷川 友紀 東邦大学医学部社会医学講座 教授 1 公衆衛生と感染症   公衆衛生の起源は、人が集まって住むことにより派生する健康問題への対応であり、衛生的な環境の確保と感染症対策は、常に最大の関心事であった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)は、公衆衛生的な方法論が問題解決にどこまで寄与することができるかを改めて問うものであり、公衆衛生を志す者として大きな関心を有している。   新型コロナウイルス世界的大流...

200509 岩本愛吉先生   総論投稿(転載)

オアシスメルマガ第11号より転載   新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行について 2020年4月22日 東大名誉教授 岩本愛吉 本文 3,413文字    現在世界的な大流行を起こしている新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、重症急性呼吸器症候群(SARS)を起こしたウイルス(SARS-CoV)とウイルス学的に極めて類似しており、ともにコウモリ由来だと考えられている(遺伝子は約80%の相同性を持つ)1)。中国広東省で発生したSARSは、2003年...

200419透析患者さんの診療をしています 保坂義雄医師

小生は現在柏市の民間病院で透析センター長をしています。透析患者さんはhigh risk patientで糖尿病や心血管系等の合併症も多く見られます。日本透析医学会の発表では4月17日現在の感染者数は47名で死亡は4名となっています(死亡率8.5%)。ECMO使用者は2名、人工呼吸器使用者は5名です。対策の会告も発出されていますが透析という特殊な状況下ですのでここでは割愛しますが、医学的な関心としては体外循環抗凝固剤として使用されるフサンの対コロナ有効性が示唆されていますのでヘパリン使用者との比較ができれ...

200501常時暫定型標準治療策定の提案 寺下謙三

医療決断支援活動を生業として、医療判断学という概念を慶應大学で10年間特設講義を行い、その考え方を広めることも任務としています。そんな中、「標準治療」という考え方を重視しています。現在の医科学的知見の中で、科学的根拠のある治療の中でも、上位に位置し、多くの医師から支持を受けている治療ということになります。もちろん国ごとに異なったりしますが、概ね基本線は一致します。しかし、時間軸で見ると、意外と揺れが大きく、ある先生は「標準治療やガイドライン自体の半減期は数年レベルだ」とも言われます。確かに、40年前は当...

200428寺下謙三のCOVID19備忘録0507,0526,0608,0622更新

COVID19の特徴     2020/0428,0507,0526,0608,0622更新     思いつくままにメモしています。不完全であり、誤解部分もあるかもしれませんが、みなさんの頭の整理の一助にしてください。 適宜更新します。 新しい物事を学ぶ時の方法論は、大きく二つに分かれると考えています。一つは、多くの教育システムが採用していることですが、系統的に、1から順番に学んでいきます。教科書、参考書を1ページから丁寧に進めていきます。もう一つは、at randomに、事象や経験や...