情報(ニュース)

200428寺下謙三のCOVID19備忘録0507,0526,0608,0622更新

COVID19の特徴     2020/0428,0507,0526,0608,0622更新  

 

思いつくままにメモしています。不完全であり、誤解部分もあるかもしれませんが、みなさんの頭の整理の一助にしてください。
適宜更新します。

新しい物事を学ぶ時の方法論は、大きく二つに分かれると考えています。一つは、多くの教育システムが採用していることですが、系統的に、1から順番に学んでいきます。教科書、参考書を1ページから丁寧に進めていきます。もう一つは、at randomに、事象や経験や報告やデータなど入手した情報を列挙していき、それらの重要度、優先度、確からしさなどを考え読み込み、取捨選択や並び替えをしながら、信頼できる解釈をしていきながら、その実体に迫っていくというやり方です。
今回のように、未知の出来事を学んでいくには、残念ながら教科書(標準医療)もなく、後者の方式を取らざるを得ません。(寺下謙三)

 

(疫学)

中国武漢で最初に発生したらしい 2019末(最近の研究では、その半年前ごろから発生していたのではとの推論も0620追記)

コウモリが関与しているらしい(中間宿主は不詳)

武漢にはウイルス研究所があるらしい

最初は武漢の地域に限定した発生が報道されていた、他の世界中からは風土病かと思っていた

2020年に入り、世界各地で発生、あっという間にパンデミックに

2020/1/30 WHO PHEIC宣言

2020/2/1 日本でも指定感染症に

日本を含め、東アジアでは死亡率が低い。原因は現在不詳(BCG摂取、生活慣習なども指摘されている)だが、遺伝子レベルで原因探究(多数の国にて)200526追記

 

 

(臨床)

潜伏期間 平均5.5(3-14)

最初、軽い熱ののち平熱になり、4-7日後に再度高熱

喉の痛み、咳、息切れ、頭痛、時に下痢も(多彩な症状)

初期症状?として、嗅覚味覚障害が3割程度

無症状も数割以上いるようだ(無症状感染者からも感染)

悪化し始めると数時間、数日のスピードで重篤に

感染の再生産率は1.7-2.7程度と言われる(0505時点では、全国、東京ともに1以下?)

8割はうつさず、2割が複数に、さらに少数が多数に(クラスター班の見解)

飛沫感染と接触感染がメインだが、一部空気感染に近い物も(マイクロ飛沫?)

  目の粘膜からも侵入か?

 唾液にも相当量のウイルスが存在ーー>感染経路の解明、唾液検査も可能に(200601追記)

便にもウイルスが?PCRで測定しているのは、ウイルスの死骸の一部かもという意見も。
いったんPCRが陰性化しても、再度陽性になる例が目立つ(ウイルスの残骸を捕らえている可能性も)

3密(密集、密閉、密接)(海外では3C)が感染率を上げるーー>予防対策の大きなヒントに

感染回復者の血清の抗体の3割に低い抗体価(まだきちんとした報告のまとめはない200608追記)

回復退院まで21日間以上(重症以外は2週間以内か?0622追記)

高齢者になるほど死亡率上昇6%程度か?(平均2%)

高齢者の方が人に感染させやすいという報告もある(その後、意見は分かれている)
  実際、小学校

発症2日前から7日後までに感染しやすい(200526更新)
発症前の感染者から4割、症状ある感染者から3割、無症状から1割、その他接触により1割という報告もある

重症化の原因は血管炎か?サイトカインストームが起こることと推定(200526更新)

 

 

(ウイルス自体)

SARS-COV2  SARSウイルスに似ている、一部HIVに酷似する部分も?

RNAウイルスに分類

3,4月現在、3種類あるとの報告(更に変異するのか?)

ツルツルしたものの表面では3日間生きる(長生きウイルスに分類?)

ACE2リセプターに吸着後侵入(血圧との関係、降圧薬は悪いのか、良いのか?)

6時間で1回のturn over(24時間で4回)

感染と血液型との関連?
重症化とHLAとの関連性を指摘する人も、ベトナム、カンボジア人でリスク低く、欧米で高い、日本人は数%のリスクHLAタイプ?と

BCG接種と重症化との関係も論議されるが結論はまだ(200608)

HIVウイルスと酷似するRNA配列部分が数カ所あるらしい(なぜか?偶然なのか不思議?)
RNAウイルスとしては分子量大きい(最大?)

唾液中に多い、舌や唾液腺から感染している可能性、舌にACE2多いと(200526更新)

 

(治療薬)

アビガン  経口薬

      核酸アナログ

      細胞内での増殖を阻害(RNAポリメラーゼ阻害)増殖過程の比較的早期に作用?

      軽症時投与により重症への移行を抑制(中国論文、日本は現段階5月初旬時点では投与症例感触のみ、結論は7月以降へ)

      重症になってからでは効果少ない

      重要副作用:催奇性(女性のみならず、男性側精子にもリスク)

      その他の副作用:高尿酸血症

      国として新型インフルエンザ対策として備蓄

       (200万人分、ただし新型コロナには3倍量使用なので70万人分弱)

        つまり副作用調査済み

                  発症より5日以内に使うと良いという意見も

      200428首相が早期に承認の意向、2000例すでに使っている
      5月中に承認目指す(0506首相声明)今月中に承認無理(200526更新)

      観察研究で、新たな大きい副作用ないが、効果の判定は現段階では保留、継続研究を(200526更新)

        現在進行中の研究終了は7月以降に(0608)二重盲検法実施の困難

 

カレトラ  経口薬

     

      HIVプロテアーゼ阻害

      今(20200415)のところ、アビガンより効果劣る?

 

レムデシビル エボラ出血熱の治療用

       核酸アナログ

       RNA複製阻害

       日本で未承認

       200428 近々承認すると(海外で承認されたら)承認(0507)

 

オルベスコ吸入薬   喘息治療薬ステロイド吸入

           日本で3例の報告、重症者に効果

           ステロイドは一般的には推奨されない

           サイトカインストームに効果か?

 

フサン、フオイパン  急性膵炎の治療薬

           ウイルス侵入時のACE2リセプター結合後の反応を抑制か?

           理論的には初期治療や予防的に使えるか

           膵炎の治療薬として日本の日常医療で使われている薬である、

           経口も注射薬もある(注射薬のほうが効果大?)

           現時点(200515)では、日本で治験中(東大医科研)

           本症における血栓形成の予防にもなるか?

 

クロロキン      マラリアの薬

           中国で効果ありの報告

           日本でも膠原病などで使われている

           副作用が懸念(WHOも承認しない200526更新)

 

 

イベルメクチン    抗線虫薬(商品名:ストロメクトール)

           ノーベル賞の大村先生が開発

           ユタ大学での研究報告、重傷者の死亡率を8%―>1%

                     人工呼吸器患者 21%―>7%

                 通常投与

           日本では治験中

 

回復患者血清抗体   中国では重傷者にも効果

           理論的には確かな効果が最もシンプルに期待できる

           副作用は隠れているかもしれない他の感染症の感染

              しかし、既知の感染症ないことを事前に調べる

           回復患者の血液が入手できれば比較的即座に使える

           日本では武田製薬が海外子会社にて作成し、間も無く(5月時点)治験

 

アクテムラ(トリシズマブ)   リウマチの薬

                中外製薬

                免疫を抑えて、サイトカインストームを抑制

                   「肉を切らせて骨を切る」

                重篤化した場合の最後の手段として

 

全身ステロイド投与   アクテムラと同様の考えで

 

 

ワクチン    今回の危機というより、第2波以降への準備となる

        各国で来年中の実用化に向けていい線まで来ている

        アメリカではモデルナ、イギリスではアストラゼネカ、日本ではアンジェスが先行、年内臨床治験も(200526更新)

血管炎治療薬

 

BCG接種者は感染や重症化が少ないという説も?

 

(検査)

PCR   ウイルスのRNAの一部を増幅して測定

     数時間かかる、実際的には報告まで1週間ほど

     日本では、1日20000例目指すが、遠く及ばない(0428現在)

     陰性退院後に再陽性もみられる(ウイルスの残骸をみている可能性も?)

     東京は医師会主導でPCRセンター設立進む

     世界的にみて開発途上国以下の検査件数(山梨大島田学長)

     SATIC法(日大、塩野義製薬ら)唾液を検体に30分ほどで測定

               LAMP法(栄研化学)

抗体検査(IgG、IgM) 費用も少なく時間も10分程度だが、今のところ精度が低い

            間接的証明なので、現状感染把握が難しい

            (IgMとIgGを定量すればある程度有用)

     市中感染を判定するために有用、アメリカ(13%)と、日本でも調査開始(関東と東北の献血者)(日本では0.6〜0.1%という報告も

抗原検査 ウイルスの特徴的なタンパク質を測定

     簡便、感度が低い(改善中)

     日本で承認(200513)

唾液を検体にすることも承認を目指す(200514)唾液中に多いことが判明している(0601日本で承認)

ウイルス分離 現実的には困難、感染状況を正確に判断

 

肺CT:特徴的な所見も診断の有用な根拠に。無症状の人の半数が所見ありとの報告(200608)

酸素飽和度(SaO2)重症化の見極めに有用

        

                

 

 

(今後期待される研究、対策、寺下の個人的意見)

候補薬の効果判定:最終結論のためには、二重盲検法を行ったきちんとした統計処理が必要だが、緊急事態の中でもあり、アビガン、フオイパンなどに重症化を抑える効果があるかどうかを重点的に研究、その中間経過も重要。一人の重症化を防げれば、ICUベッドと人工呼吸器やエクモを1台と医療人員数人をセーブできると考えると大きい。

 

検査の拡充:理想的にはIgG,IgMと抗原検査、 PCR測定を同時複数に実施。患者のトリアージュの基本となる。早期隔離を推進し、医療崩壊の可能性を下げる。ランダム網羅的に検査を行い、網羅的に陽性者を隔離。陽性者への補助を中心に行うと国としては効率的。3月4月の状況は、医療体制が崩れるギリギリの瀬戸際であったことを自覚するべき

 

何よりもきちんとしたトリアージ!

最初に受診するところを、地域ごとに絞る。

無症状、軽症グループ、中等症グループ、重症グループを明確に分けて、それぞれ専用の病院もしくは宿泊医療施設へ。それぞれの病院の横のつながりは一本化して連携強化。

これらが1ユニットとして独立して運営。ユニット間の連携も太いが一本のパイプで。

回復患者の血液を保存しているか?抗体など今後の疫学調査に不可欠。その時の血液は一期一会。

下水中のウイルス量測定も有効らしい(200608)

 

 

(関連した話題)

コロナ対策者への風評や差別

マスクや消毒薬やトイレットペーパー買占めなど

テレワーク

オンライン診療

あたらしい生活様式

日本モデルが良かったと、政府や厚労省が本気で思っているとしたら、これは怖い話

 今回は、BCGや、HLAなどの遺伝的要因、日本人の手洗い、マスク、靴脱ぎ、距離感、みんながするから私も自粛、などの風習がうまく機能したが、さらに強力に変異したウイルスがやってくるとすると、、、

 

 

(結論)何よりも自衛の精神ーーー>知識は最強のワクチン!

 

 

コメント投稿

※ コメントは認証されるまで公開されません。ご了承くださいませ。