情報(ニュース)

東大医学部昭和53年卒の方への呼びかけから始まりました!

2020年4月17日、幹事寺下より同級生に送ったメールを下記に掲載します。うちうちのつもりで書いたことなので、多少、今頑張っている政府や厚労省の皆様に失礼があるかもしれないことを、国民のために少しでもできることを!という気持ちに免じてお許しください。また、内容は、4月17日時点で知り得た情報に基づいていますので、今後COVID19に関しては、どんどん新しい知見が増えていくものと思いますので、皆様も知識のUPDATEをお願いします。

 

 

鉄門S53同窓生のみなさん(寺下が、ここ数年同窓会などでお会いしたり、交流が深いと勝手に判断させていただいた同級生の60名の方にBCCにて送らせていただいています。)

 

世の情勢の関係上、同窓会もしばらく開催できないと思われますが、みなさんお元気でご無事(?)でしょうか。

 

我々の世代も、ほとんどの同級生は、研究や臨床の一線の場から離れましたが、第二の場でそれぞれ指導者としてご活躍のことと思います。

さて、本日ご連絡を差し上げた理由は、次の通りです。

今現在、日本のみならず世界を悲惨な恐怖に陥れているCOVID19に対して、何かできることはないだろかと日々思索している中、同級生のみなさんの知恵や意見提言や実際的な力などをまとめ上げ、具体的な活動や、何か実際的に有用な方法での提言などに結びつけていけないだろうか、と考え、そして、そのまとめ役をするのも僕に適した役割かなと思い至りました。

すでにみなさんがたは、日常の診療や指導的立場の中で、この新型コロナ対策に貢献されている方も多いと思います。我々の、先輩後輩たちも各病院の責任者、専門家として政府への助言などもされていますし、まさに現場で奮闘されています。

我々ロートル組が今更口出しするのも、とも思いますが、現場にいないだけにゆっくりと考える余裕があるというメリットもあるかと思います。

COVID19の臨床現場では、毎日待ったなしの状況でしょうし、政府や厚労省の現場では、経済、政治とのからみの中で、なかなかしっかりした方針が立てられていないようにも見受けられ、皆様から見ても、もどかしい思いをされているのではないでしょうか?実際、各地の医師会では、政府や厚労省の対応に痺れを切らして、いろいろな試みがなされています。日頃、僕などは医師会の役割を軽視しがちでしたが、今では、結構頼もしくも感じている次第です。

 

毎日の報道などからは、気になることは対応スピードの遅さと、方針の基軸が読みにくいと僕は感じています。

検査体制の拡充と実行のための整理、初期診断後の安定したトリアージ(パニックを防ぐためにも)、今可能な治療方針に対する見解の整理とその実行など気になることはたくさんあります。そのほとんどの原因は、今回の事態の最初に決めた法律や従来からの法律などに縛られるあまりの硬直化のように僕には見えます。いまだに「帰国者接触者外来」という用語が使われていたり、COVID19が指定感染症に指定されたために、「陽性だと即入院」だとか「厳格な退院基準」という法則に縛られ、結果的には陽性患者を自宅待機にするという、自己矛盾を発生させています。

アビガン使用についても、同様です。こういった時のために備蓄していたはずなのに、実際にはなかなかスムーズに使えていません。新型(未知の)インフルエンザ用とはいえ、日本での副作用試験も済んでいるし、そのRNAポリメラーゼ阻害という薬理機序から新型コロナにも効果が期待できそうです。中国情報とはいえ重症化をかなり防いでいるという報告もあり、実際、日本でも症例報告レベルとはいえ効果が認められそうだ、となるとこの緊急事態では、なるべく早期に使用するのが現段階において緊急避難策として妥当と考えます。重症化一人を防ぐことは、エクモ(またはレスピレーター)1台、ICUベッド1床、専門医療者5名という貴重な医療資源1ユニットを増やすのと同じ効果があるわけです。もちろん、今まで誰もがアビガンを使用した経験はありませんので、どのような予期しない副作用が出るかもしれませんが、天秤にかけると効果の期待が大きい気がします。

このように、検査(PCRだけでなく)が拡充できない、トリアージの体制が進まない、可能性の高いアビガンなどがなかなか使えないなどの原因は何かと、いろいろな報告を調査してみると、厚労省がネックになっていると判断せざるを得ません。焦って、拙速に行うのも問題が生じる危険性はありますが、迷って時間が経つということもこういった緊急性のある場合には、大きなリスクだと思います。

このような僕の意見は、突拍子もないことでもなく、政府の発言や、専門家委員や現場の専門医や医師会や報道番組の中の有識者たちとほぼ一致しています。しかるに、その方向に進まないのが不思議なくらいです。

「慎重に考えなくてはならない」「法整備をしなくてはならない」などなど、厚労省の言い訳を聞くのも辛く感じます。

医療行政の中枢である厚労省に、臨床経験や基礎医学研究経験者が進み、いわゆる役人的な構造の中で、科学的判断ができる人が入り、日本の医療体制に磨きをかけていくことが必要だという見解のもとに、鉄門後輩たちにも「社会医学の道の選択肢」もあることを日頃から説いています。

ところが、「今回の判断の遅れは、厚労省の役人的判断であり、その中でも医系技官が判断の渋滞に拍車をかけているらしい」という報道をみて、とても驚き、気になっています。

「血液製剤によるエイズ禍問題」を例に挙げた慎重論も理解はするが、この緊急事態時の判断はスピードも命で、時間がかかるということは「何もしない」という判断を実行しているという認識も必要だと考えています。鉄門出身の医系技官には、判断実行のスピードアップができるよう今一踏ん張りぜひ頑張ってもらいたいところです。(我々も後押しします!)

 

また、このウイルス感染症の撲滅には、人から人への感染を止めることが基本です。理論的には国民、世界中の人が、完全に1ヶ月独房暮らしをすればこのウイルスを撲滅できることになります。その理論を基本に、いかに、活動を許容して広げていくかだと思っています。外出7割減、8割減の発想とともに、人との接触0%から、1割の活動は?2割の活動は?と逆の発想も大事かと考えながら、周囲の人には「自宅退避」「自主隔離」の重要性を説いている日々であります。

 

みなさまへの声がけに先駆けて、僕の個人的意見を、つらつら書き並べてしまいましたが、みなさんはいかがお考えでしょうか?様々な考え方があることは十分承知しています。我々、鉄門には、医学界の頭脳、リーダーとして、考え方の提言をしていくことも任務だと思います。

まず同級生の皆様に声がけし、先輩後輩たちにも広めていきたいと考えています。

我々でも、できることは、いろいろあると思います。

情報や意見、提案を共有し合って、周囲の医療従事者や患者さんなどにメッセージを送っていくというちょっとしたことの積み重ねだけでも有用と考えています。

 

まとめ役の労は、取らせていただきますが、我こそはと思われる方はお手伝いください。

何らかの返信いただいた方には、今後CCにて同時に送らせていただき、全員で情報や意見を共有できればと思っています。

また、本提案の必要性がない方には、長文読破のお手間を取らせましたが、ご放念いただきますようお願いいたします。また、同窓会でお会いできること楽しみにしています。

Comments [4]

寺下勇祐 返信

所属: 東京逓信病院 外科

寺下謙三の息子です。
よろしくお願いいたします。


今回の新型コロナ感染でいろいろな人々が様々な角度からダメージを受けていると思います。
その中でも、最優先されるべきことは【命を守ることである】と考え、多くの人が行動しています。

規制や法律を守るために命があるのでなく、命を守るために規制や法律があるのです。

つまり、医療現場で対応している医療者たちが、目の前の患者さんに対して命を守ること”だけ”を念頭において、諦めない志を持ち、冷静に、ベストな方法で治療を選択できるようになるべきだと思います。

こんなウイルス初めてのことだから、仕方ないよと諦め嘆くことは簡単です。

父を含め、こんなウイルスだからこそ力を合わせて、やるべきことをやろうとする皆さんに賛同し、協力したいと思います。

柴田昌治 返信

所属: (株)スコラコンサルト

厚労省の医系技官は個人の思いよりも、命じられた立場での仕事を優先するのが習慣になっています。それに、多分、お互いどうし、腹を割って心の内をぶつけ合うような話しはしてないと思います。一人ひとりはモヤモヤと思いがあるに違いないけど、互いにそれを知らない。バラバラなのです。それと間違いを起こしてはいけないという思い込みが障害になっているのです。外部からの適切な圧力が有れば、彼らの中から、動きが出てき易くなるものと思えます。
彼らも個人的には悩んでいる人もいるはずだからです。いずれにしても期待しています。拡散の努力もするつもりです。

寺下謙三 返信

所属: 寺下医学事務所

美馬先生、賛同と提案ありがとう。いろいろな方法で広めたいと考えています。今まで、Facebookは、あまり馴染みがないので、詳しい方、FBでの広報にご協力ください。

美馬達夫 返信

所属: 美馬クリニック

提案に賛同します。発起人とメンバーで了解です。
メールも松島先生の最新の分まで今、遅くなりましたが(22:25)拝読しました。
HPだけでなく、Facebookでも、ほぼ同時進行で、拡散していくことも必要だと感じました。
寺下医学事務所の中のHPだと、変に”色眼鏡”で見られる恐れもありますが、Facebookだと、拡散しやすいだけでなく、その”中立性”で有利ではないでしょうか?
取り急ぎ返信します。

 

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