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この声がけへの思い寺下謙三

本日、首相より、レムデシビル5月中に承認という発言がネットで流され、「なぜアビガンでないの?」という専門家(医師)と思われる声が多数出ています。
このままいくと早晩、アビガンもかなり使われやすくなるでしょう。首相は国内でもアビガンが既に2000例に使われ、良い結果が出ているとも述べたようです。
若干胸を撫で下ろしました。
 
そもそも、これほど(例えばテレビ朝日などは社運をかけて毎日のように提言し、岡田先生たちはアビガンの早期使用を訴えています)の世の中の声がある中で、我々の提言声明が、それを飛び越えて決め手となるとは思っていません。感染症ど真ん中の、しかも前線真っ只中で活躍する専門医の集団でもありませんが、世の中に溢れる様々な情報を読み解くには一般国民と比べるとはるかに信頼度が高い集団となると思います。そんな我々(鉄門53)が更に、鉄門の先輩後輩まで拡充し、それなりの人数で、たとえ具体的な政策まで言及しなくても、医学的経験的、感触的(実際治療現場を体験しているわけでもないのですから)意見を世の中、政府関係者、もしかすると報道関係者に、既にその方向に動いているとしても、その動きを勇気づけ律速する要素として、少なからずお役に立てるのではという発想です。
そういう意味では、声明内容は若干柔らかく、町内会的提言のように見えても、それを発信する人々は、それなりの医学的経験と知識を有した集団であるということは多少のインパクトがあるのではと考えた次第です。
アビガン以外でも、これから、岡目八目の有段者(それなりの医師、研究者)だからこそ気が付く、いろいろな提言が可能かと思います。
今の時点で、アビガンをCOVID19に使うことは未承認です。「観察研究」という苦し紛れの言葉を使っていますが、これ自体が既にある意味超法規的であり、大いに結構だと思っていますが、僕が心配するのは、観察研究に加われる患者とそうでない人の格差が出てくることです。命に関することで格差は絶対に避けなければなりません。「希望すれば誰でも公正に使えるようにしよう」と言っているだけです。もう一つ、内田先生が送ってくれた白木先生の論文などにもあるように、発症から早期(5、6日)に使えるような体制が大切ですよと、訴えたいところです。そのためには、PCR検査や抗体抗原検査、臨床診断などを早めて判断しなければなりません。
 
この提言プロジェクトは、何も論争を仕掛けるものではなく、何とか少しでも良い方向に早く進むことを応援するものですので、「超法規的」という言葉は今の段階では使用せずとも、「人道的投薬」という言葉には、既に今の法律には入っていないが、という意味を内包しているので、それで十分ではないかと考えます。その代わり、内容がソフトな部分を補うように、提言者の質と数を大きくする努力をしたほうがいいかと思っています。どのような人々が、どのような思いで提言しているのかということが重要です。
 
我々は、比較的現場から離れていて、また、今日明日食うに困らない恵まれた立場にいるベテラン医師軍団として、各人の周囲からの情報を掻き集め読み解きシンプルにまとめ、前線の人々(政府、専門医、患者、真摯な報道陣など)の知恵袋として少しでも役に立てればと思う、いわば「知的エール集団」になれればと思っている次第です。
 
なるべくシンプルにまとめた「提言、声名」とその根拠となる、情報、報告などの読み解き内容とをセットにしたらどうかと考えました。
 
以上が、僕の思いです。

2020/4/27   寺下謙三

 

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