1997年6月

温故知新④ 昔の幸せ、今の幸せ

 

1997.3~1998.3

温故知新④

昔の幸せ、今の幸せ

ばんぶう

1998.6

日本医療企画


「幸せ」の定義はかなり難しい。国語辞典によると、もともとは「仕合(わ)せ」と書くようである。「運がよいこと、良いめぐり合わせ」とある。 「幸福」や「健康」がお金で買えるか?ということは昔からよく言われる問いかけである。食べたいものも食べられなかった昔や、抗生物質も高くて一部の人にしか使われなかった時代もあったらしい。一人暮らしの大学生でエアコンどころかトイレや風呂付きのアパートに住んでいるのはそれこそマイノリティーであった。たしかにそんな時代ではお金で幸せを買えると考えていた人も多かったに違いない。快適性や心地よさも幸せのひとつの形ではあろう。今の日本、どこにいても温度は調節され、いつでもどこでも美味しいものが食べられて、快適が普通になっている。では、みんなが幸せ感や満足感に浸っているだろうか?それどころか不平、不満、不安が氾濫しそのためのストレスで不眠、肥満の患者さんがあふれている現状である。また、本来幸せを与えてくれる筈のお金や出世のために友人や仲間を騙す人も多い。僕には本末転倒だと感じるのだが。人を騙してまで得たお金や地位が自分を幸せにしてくれるとは決して思えないから。 ここで温故知新、原典に返ってみると、幸せとは「良いめぐり合わせ」なのである。「好きなことを、好きな人と」できることが幸せの根本ではないか、と僕は思う。それでいて人の役に立てればなおさらいい。孔子の教えにもあったような気がする。「自分の欲するままに行動しても道をはずさない」というような教えが。 好きなテニスを好きな仲間とやっても、負ければラケットを叩きつける僕には「まだまだじゃのう~」であるが。

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