こどもの健康教室

こどもの健康教室 目次:保健同人社発行「笑顔」

予防注射って、なあに?

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予防注射って、なあに?

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2000.4

保健同人社発行


クッとイタい、よぼうちゅうしゃ。いやだな、とおもっている子もきっと多いよね。でも、よぼうちゅうしゃには、いろいろなびょうきから、ぼくたちのからだをまもる、たいせつなやくめがあるんだよ。そのたいせつなやくめを、ここでおぼえようね。
 びょうきの中には、小さな小さな生きものがおこすものが、たくさんあるんだ。みんなのからだの中には、その小さな小さな生きものを見つけて、やっつけるしくみがあって、これを「めんえき」というんだよ。「めんえき」には、びょうきのもとになるはんにんを見はるものや、はんにんをやっつけるもの、なかまをまとめるもの、「たたかいのおわりだよー」とせんげんするものなどがいて、みんなで力をあわせて、ぼくたちのからだをまもっているんだ。
 こうした「めんえき」のなかまでいちばんたいせつなのが、びょうきのはんにんの見はり役なんだ。この見はり役は、ぼくたちが、いちどなにかのびょうきになると、そのびょうきをおこしたはんにんを、おぼえこむことができるんだよ。そして、はんにんがつぎにからだの中にはいってくると、すぐに見つけてなかまに知らせ、力をあわせてやっつけてしまうんだ。
 このように、「めんえき」のしくみは、ぼくたちにとって、とてもたいせつなものなんだ。でも、このしくみは、いちどはんにんをおぼえてから、はたらきはじめるので、はじめて見るあいてにはじかんがかかるし、パワーもよわいんだ。こまったことだよね。はじめて見るあいてが、こわいびょうきをおこすようなはんにんだと、たいへんなことになるものね。

こでつくられたのが、よぼうちゅうしゃなんだ。これは、こわいびょうきのはんにんと「そっくりなもの」をつくって、からだにちゅうしゃし、「めんえき」の見はり役におぼえてもらおう、というもの。この「そっくりなもの」は、見はり役にはんにんがどんなものかを、おしえることはできても、びょうきはおこさないように、つくられているんだよ。ちょうど、おまわりさんに、はんにんのしゃしんを見せて、かおをおぼえてもらうのとおなじだよね。おまわりさんが、しゃしんで、はんにんのかおをおぼえておくと、こんどであったときに、すぐにつかまえることができるものね。
 よぼうちゅうしゃのまえにはかならず、せんせいから「おしらせ」がくばられるよ。おとうさんやおかあさんに、よくよんでもらおうね。また、ちゅうしゃのあとで、ねつが出たり、きもちがわるくなったりしたら、すぐせんせいにいおうね。
 チクッとイタい、よぼうちゅうしゃ。でも、とてもだいじなものなんだよね。

びょういんはみかただよ

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びょういんはみかただよ

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2000.5

保健同人社発行


ょういんがきらいな子って、きっとたくさんいるよね。ちゅうしゃはいたいし、くすりをのまなきゃならないし、だいいち、せんせいが「しばらくねていようね」っていったら、あそべないもんね。でも、ぼくたちにとって、びょういんへはやくいくことは、とってもたいせつなんだよ。
 ぼくたち小さなこどもは、おとうさんやおかあさんとちがって、とってもびょうきによわいんだ。かぜをひいたり、おなかがこわれたりしても、おとうさんやおかあさんは、わりにへいきだけど、ぼくたちは、びょうきをほうっておくと、きゅうにげんきがなくなって、たいへんなことになったりするんだ。なぜなんだろうね。
 からだをおうちとおもってみると、このことがよくわかるよ。おとうさんやおかあさんは大きなおうち、ぼくたちは小さなおうち。そして、びょうきはおうちをこわすわるいひとなんだ。
 わるいひとがおうちをこわしにやってきても、しっかりした大きなおうちは、なかなかこわれないし、おうちがこわれてしまうまえに、おまわりさんにたのんで、わるいひとをつかまえてもらうこともできるよね。でも、小さなおうちはこわれやすいから、おまわりさんがやってくるまえに、わるいひとは、きっとおうちをこわして、にげちゃうよね。だから、からだが小さいってことは、びょうきによわいってことなんだ。そのかわり、きちんとおいしゃさんにみてもらえば、びょうきがなおるのもはやいんだ。
 だから、びょういんへいくことは、ぼくたちにとって、とってもたいせつなんだ。おとうさんやおかあさんが「びょういんへいこう」っていったら、ダダをこねないで、いっしょにいこうね。
 

ょういんへいくまえにも、だいじなことがあるよ。びょういんでは、おいしゃさんが「どうしたの」ってきくから、つきそいのおとうさんやおかあさんが、ちゃんとこたえられるようにしておかなくちゃ。あたまがいたいのか、のどがいたいのか、きもちがわるいのか、それともおなかがこわれたのか、みんなのぐあいのわるいところを、おとうさんやおかあさんにいって、おいしゃさんにきちんとはなしてもらおうね。もちろん、びょういんのせんせいにじぶんでいってもいいんだよ。

でも、やっぱりびょういんって、なんとなくこわいよね。白いふくのおいしゃさんやかんごふさんも、おっかなそうだし。だけど、こどものびょうきをなおすひとたちは、ぼくたちのみかたなんだ。みんなこどもがだいすきで、とってもやさしいんだよ。だから、おいしゃさんがいったことをしっかりまもって、くすりもちゃんとのもうね。そうすれば、びょうきがはやくなおって、またげんきにあそべるよ。

いやだな、かゆいアトピー

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いやだな、かゆいアトピー

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2000.6

保健同人社発行


おやからだ、手足のひふがジクジクしたりカサカサになって、いつもかゆくてたまらなくなるびょうきがあるんだ。アトピーといって、いま子どもにふえているんだよ。みんなのなかにもきっと、このアトピーの子がいるよね。
 アトピーはなぜおこるんだろうね。まえにもいったけど、ぼくたちのからだには、びょうきをやっつける力があるんだよ。アトピーでは、このびょうきをやっつける力が、まちがって、ぼくたち自身のからだを、やっつけてしまうんだ。そのため、からだがとってもかゆくなるんだよ。
 こんなまちがいがなぜおこるのか、ほんとうはまだよくわかっていないんだ。でも、お空がよごれたこと、おうちの中がむかしよりしめっぽくなって、ホコリやダニがふえたことなどがアトピーのはんにんにちがいないと、いわれているんだよ。
 じゃあ、アトピーでからだがかゆくなったら、どうしたらいいんだろうね。
 いちばんだいじなのは、いつもからだをきれいにしておくこと。アトピーになると、ひふがあせやホコリにとってもよわくなるんだ。だから、おそとであそんで、からだがよごれたり、あせをかいたりしたら、まず、手足をきれいにあらって、それからおふろにはいろうね。からだのあらいかたも、だいじだよ。かゆいところをゴシゴシこすっちゃだめ。そっとていねいにあらおうね。
 そして、からだがきれいになったら、かゆいところに、びょういんでもらったくすりをきちんとつけようね。のみぐすりをもらった子は、わすれずにのもうね。
 もうひとつだいじなのは、アトピーのはんにんに、さよならすること。そのためには、まず、おうちのなかを、できるだけきれにしなくっちゃ。だって、ホコリやダニが、アトピーのはんにんかもしれないからね。それから、食べものがアトピーのはんにんってこともあるよ。このときは、びょういんのせんせいが、はんにんらしい食べものをみつけてくれるから、それを食べないようにするのがだいじなんだ。

トピーの子はみんな、アトピーがなおるかどうかきっとしんぱいだよね。かゆいのがいつまでもつづいたら、いやだもんね。でも、だいじょうぶ。アトピーのかゆみは、みんながおとなになるまでに、だんだんよくなっていくことが多いんだ。それまではたいへんだけど、びょういんのせんせいやおとうさん、おかあさんのいうことをよくきいて、かゆみがなくなるようにがんばろうね。
 アトピーでない子は、ともだちが「かゆいかゆい」っていっても、からかっちゃだめだよ。その子は、とってもつらいんだから。それから、アトピーはうつることはないから、なかよくあそんであげようね。

ムシにさされちゃったら

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ムシにさされちゃったら

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2000.7

保健同人社発行


てんきがよくて、とってもあたたかくなったね。みんな、おそとでげんきにあそんでいるよね。
 でも、おそとであそぶときは、ムシにさされないようにちゅういしようね。はらっぱやくさむら、はやしにはむしがたくさんいて、カやガ、ブヨ、ダニ、ハチなど、チクッとさすのもいるんだ。だから、おそとであそぶときは、長ズボンに長そでのシャツを着るほうがいいんだよ。こうしておけば、ムシたちも手だしできないからね。
 それでもムシにさされたら、なるべくはやくおうちにかえって、さされたとこらをきれいにあらって、おかあさんにバイキンをやっつけるくすりをぬってもらおう。それから、さされたところがかゆくなっても、ひっかいたりしちゃだめだよ。かゆみどめのくすりをぬって、なるべくがまんしようね。かゆいかゆいとひっかくと、ひっかいたところにバイキンがはいって、おできが大きくなったり、どんどんふえることがあるんだ。かゆくてがまんできないときは、ガーゼをあてて、その上からきれいな手でそっとかくといいよ。

ころで、おそとであそんでいるとき、いちばんこわいのはハチのなかまなんだ。だから、ハチのおうちがあるとわかっていたら、ちかづかないこと。それに、ヤブのなかにいきなりとびこむのもだめ。だって、大きなスズメバチなんかがいたらたいへんだもの。
 ハチにおそわれたときのことも、おぼえておこうね。ハチのことをよく知っている人は「あたまから洋服をすっぽりかぶってじっとじめんにふせていなさい」って、いってるよ。なぜかというと、「ハチはうごいているものをおいかけるから」だって。
 まんいちハチにさされたら、すぐにおうちにかえって、手あてをしてもらおうね。とくに、ハチにさされたあと、きもちがわるくなったら、たいへんなんだ。おとうさんやおかあさんといっしょに、すぐびょういんへいかなくちゃならないんだ。これはとてもだいじなことだから、わすれないようにしようね。


(ご両親へ)お子さんがハチに刺された後、気持ちが悪くなった場合、アナフィラキシーショックという大変危険な状態になることがあります。したがって、すぐ病院へ連れて行き、窓口で「ハチに刺されて気持ち悪くなった」と申し出てください。大人の場合も同様です。ミツバチなど小さなハチに刺された時もアナフィラキシーショックが起こることがあります。

あせはからだのクーラーだよ

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あせはからだのクーラーだよ

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2000.8

保健同人社発行


つはお日さまがおおいばり。まいにちあつくて、おそとであそぶと、あせびっしょりになるよね。でも、あついと、なぜあせをかくんだろうね。
 みんな、おにわに水をまくと、すずしくなるのを知ってるよね。これは、あついおにわにまかれた水が、ゆげになるとき、まわりの熱をとってしまうからなんだ。大きなたてものには、水のこの力をりようするクーラーもあるんだよ。
 もう、みんな、わかったよね。あせは、からだがまいてる水なんだ。あせをかくことで、おそとがあつくても、ぼくたちのからだの中はあつくならないんだ。あせはからだのクーラー、ともいえるよね。
 なつにこのクーラーがないと、きっとたいへんだよ。あつくてあつくて、からだの中はお湯がわいたようになっちゃうから。
 そこで、だいじなことがあるよ。おとうさんやおかあさんとちがって、ぼくたちはからだが小さいから、あせをかきすぎると、からだの中の水分がすぐたりなくなるんだ。そうすると、からだのクーラーがじゅうぶんにうごかなくなって、とってもきけんなんだよ。だから、おそとであそぶときは、ときどき日かげでやすんで水をのもうね。こうすると、からだがあつくなりすぎることも、あせのもとになる水分がたりなくなることもないからね。

うひとつだいじなことは、おそとであそぶとき、ボウシをかぶること。あたまはとくにお日さまによわいから。これはかならずまもってね。どうせなら、大きくてすずしいムギワラボウシがいいよ。
 でも、むちゅうになってあそんでいると、ボウシはどこかへいっちゃうし、水をのむのをわすれちゃうかもしれないね。そんなとき、あたまがボーッとなったり、きもちわるくなったりしたら、さあ、たいへん。これはからだが、「お水がたりないよー、あついよー」っていってるしるし、からだの赤信号なんだよ。

おそとであそんでいるとき、お友だちがこんなふうになったら、どうしたらいいんだろうね。まず、みんなですずしい日かげにねかせて、水をのませてあげよう。それからかならず、だれかがおとうさんやおかあさん、せんせいに知らせにいこうね。とくに、お友だちがぐったりしたり、口をきかなくなったら、すぐ、おとうさんやおかあさん、せんせいをよんでくるんだよ。とってもぐあいがわるいときには、いそいでびょういんへつれていかなきゃならないこともあるんだ。
 たのしいなつやすみ。ボウシをかぶって、お水をのんで、ときどき日かげでひとやすみ……この三つをわすれないで、うんとあそぼうね。

太ったら、なぜこまるの?

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太ったら、なぜこまるの?

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2000.9

保健同人社発行


となって、よく「太っちゃった、こまったわ」[ちかごろ、おなかが出てきたな」って、気にしてるよね。でも、太るとなぜこまるんだろうね。
 太っちゃうと、おかあさんがいつもしんぱいしてるように、スタイルがわるくなるってこともあるかもしれないけど、もっとこまるのは、いろんなびょうきになりやすいってことなんだ。
 たとえば、太っていると、「とうにょうびょう」というびょうきになりやすいんだよ。これは、からだをうごかすときに、ひつようなねんりょう(ブドウとう、っていうんだ)が、けつえきのなかにふえすぎて、こまったことがおこるびょうきなんだ。このびょうきがずっとつづくと、脳や心ぞうのびょうきになったり、目がみえなくなったり、おしっこがでなくなったりして、たいへんなことにもなるんだ。

「こうけつあつ」や「どうみゃくこうか」も、太ったひとに多いびょうきだよ。「こうけつあつ」になると、けつえきをおくりだすポンプ(心ぞう)や、けつえきのとおりみち(けっかん)にむりがかかるし、「どうみゃくこうか」になると、けっかんがつまりやすくなってしまうんだ。どちらのびょうきも、ひどくなると、からだのあちこちでわるいことがおこって、とてもきけんなんだ。
 もちろん、太っているひとがみんな、すぐびょきになるわけじゃないんだ。だけど、おとなになって太っていると、まちがいなく、こうした、こわいびょうきになりやすいんだよ。

は、ぼくたちはまだ小さいから、太っていてもいいのかな?ざんねんだけど、そうじゃないんだ。びょうきのけんきゅうをしているせんせいは、「太っている子は、おとなになっても、太っていることが多くて、こわいびょうきになりやすい」っていってるんだ。それにいまは、小さいうちにおとなのびょうきになる子がふえていて、もんだいになっているけど、これも「太った子が多くなったから」っていわれてるんだよ。だから、ぼくたちも、太りすぎているのはあんまりよくないんだ。
 でも、なぜ太るんだろうね。これはとてもかんたん。ウシさんやブタさんを太らせるには、エサをたくさんたべさせて、なるべくうんどうさせないようにするんだ。ぼくたちもおなじ。たくさんたべて、おうちでじっとしていると、すぐ太っちゃうんだ。
 だから、みんな、おそとでげんきにあそんでね。あそんで、おなかぺこぺこになったら、ちょっとぐらいたくさんたべてもだいじょうぶ。それから、すききらいもダメだよ。すききらいをしないで、なんでもたべて、びょうきにまけないおとなになろね。

すききらいがあると、なぜいけないの

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すききらいがあると、なぜいけないの

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2000.10

保健同人社発行


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んなのなかには、「お肉なんかきらい」「おさかなはぜったい、いや」「ピーマンやニンジンはたべないもん」ってダダをこねて、おかあさんをこまらせている子がいるかもしれないね。そんな子におかあさんはかならず、「きらいなものでも食べなさい」っていうけど、なぜなんだろうね。
 これは、すききらいがあると、ぼくたちのからだによくないんだ。げんきに成長するために、ぼくたちはいろんなのもを食べなくちゃならないんだよ。きょうはそのことをおべんきょうしようね。
 食べものにはみんな、それぞれ、やくめがあるんだよ。たとえば、ごはんやパン。これは、ぼくたちが、からだをうごかすときや頭をつかうとき、ねんりょうになるものなんだ。クルマがはしるときのガソリンみたいなものだよね。だから、ごはんやパンがきらいな子がいたらたいへん。ねんりょうがなくて、うごけなくなっちゃうもん。おさとう、バターやクリーム、りょうりにつかうあぶらも、このねんりょうのなかまだよ。
 お肉やおさかな、ぎゅうにゅうは、じょうぶなからだをつくるざいりょうだよ。からだのなかで、血や肉、ほねになって、ぼくたちがおとなになるのをたすけてくれるんだ。とくに、小さなおさかなをまるごと食べると、とってもからだにいいんだって。じょうぶなおとなになりたかったら、お肉やおさかなをどんどん食べて、ぎゅうにゅうをのもうね。

らいな子が多いけど、おやさいにも、とってもたいせつなやくめがあるんだ。ぼくたちにとっては、おやさいは、からだからびょうきをおいだしてくれるおいしゃさん。おやさいを食べると、からだのなかがきれいになって、げんきになるし、こわいびょうきにもかかりにくくなるんだ。みんなは、びょうきになんか、かかりたくないよね。だったら、きらいなおやさいでも、しっかり食べなくちゃ。こんどからは、ニンジンやピーマンも、がんばって食べようね。
 きのこやくだもの、おいもなど、食べもののなかまはほかにもたくさんあるけど、どれもだいじなやくめをもっているんだ。みんなのだいすきな、おかしやジュースもそうだよ。あまいものを食べると、つかれたとき、すぐげんきが出るんだ。
 でも、すきだからって、いつもおかしやジュースばかりだと、ほかの食べものがおるすになっちゃうよね。だから、おかしやジュースは、おやつのときだけにしようね。そして、おしょくじのときは、すききらいをやめて、おかあさんがつくってくれたものをしっかり食べようね。きっと、おかあさんもよろこぶよ。

なぜ、かぜをひくのかな

 

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なぜ、かぜをひくのかな

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2000.11

保健同人社発行


れからだんだんさむくなると、かぜひきさんがふえてくるんだ。みんなも、かぜをひくのはいやだよね。おかあさんが、「ねていなさい」っていうから、おともだちとあそべないもんね。だけど、ぼくたちはなぜ、かぜをひくのかな。
 かぜのはんにんのほとんどは、ウイルスっていう小さな小さな生きものなんだ。どのくらい小さいかっていうと、ウイルスをうんとあつめても、それでもまだけんびきょうで見えないほど小さいんだよ。
 この小さなはんにんが、はなやのどからからだにはいりこむと、それがきっかけになってぼくたちはかぜをひくんだ。そして、おねつやはなみず、くしゃみ、せきがでるけど、これは、「かぜのはんにんが、いたずらしてるよ」って、からだがおしえてくれているんだよ。
 でも、かぜのはんにんがそんなに小さいと、見つけるのはたいへん。はんにんがからだにはいりこまないようにするには、いったい、どうすればいいんだろうね。
 かぜのはんにんは、かぜひきさんのせきやくしゃみにのって、ぼくたちのまわりにとんでくるんだ。だから、はんにんにつかまりたくなかったら、まず、かぜのきせつに、そとに出るときはマスクをしたり、かぜひきさんがたくさんいるところへは、行かないことがたいせつなんだ。それから、おうちにかえったら、かならず手をあらって、うがいをしようね。こうすると、はんにんがからだにくっついても、すぐにさようならできるんだ。

うひとつ、たいせつなことがあるよ。それは、みんなが、からだをげんきにしておくこと。
 ぼくたちには、びょうきからからだをまもる力があるんだ。この力のことを「めんえき」といって、びょうきのはんにんがからだのなかにはいってくると、見つけ出して、やっつけてくれるんだ。
 ぼくたちのからだがげんきになると、「めんえき」もげんきになるんだよ。そして、ぼくたちが、かぜをひかないようにしたり、ひいたかぜをすぐなおしたりしてくれるんだ。
 からだをげんきにするのに、たいせつなことはいくつもあるよ。まず、たべもののすききらいをやめて、おやさいやおにく、おさかな、なんでもたべなくちゃ。よるは、あたたかくして、はやめにねようね。それから、おそとでげんきにあそんで、あせをかいたら、おうちできがえをしようね。
 それでもかぜをひいちゃったら、できるだけはやくなおすのがいちばんだよ。おとうさんやおかあさん、びょういんのせんせいのいうことをよくきいて、がんばて、かぜをやっつけちゃおうね。

おなかを、こわしちゃった

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こどもの健康教室

おなかを、こわしちゃった

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2000.12

保健同人社発行


なかをこわして、トイレでピーピー、お水みたいなうんちがでることがあるよね。そんなとき、みんなどうしてるかな。「おいしゃさんにつれていかれちゃう、おかあさんにはだまっていよう。」なんて子はいないよね。ちゃんと、おかあさんにいって、はやくおなかをなおさなかっちゃ。
 でも、おなかがこわれるのは、なぜなんだろう。おなかをこわす“はんにん”はいろいろいるけど、さむいとき、からだが冷えたり、かぜをひいたりすると、おなかをこわしやすいんだ。もちろん、食べすぎたり、わるくなったものを食べても、おなかがこわれるよ。
 じゃ、おなかをこわしたら、どうすればいいんだろうね。いちばんだいじなのは、おなかを休ませてあげること。しばらく何も食べなかったり、やわらかいものをたべたりして、おなかががんばらなくてもいいようにしてあげることなんだ。そのために、おかあさんはごはんをやわらかくしたり、おかゆにしてくれたりしているんだ。おかずは、さっぱりした、おにくやおさかな、おとうふ、やわらかくしたやさいなどがいいね。みんなのすきなおかしは、おなかのお休みによくないから、少しのあいだがまんしようね。

うひとつだいじなのは、水分をたくさんとること。だって、お水みたいなうんちがでるとからだの中の水分がたりなくなっちゃうもんね。だから、お茶ややさいのスープ、あたたかいミルクなどをゆっくりと多めにのんで、かだだに水分をほきゅうするといいんだよ。でも、あまいジュースやブクブクあわのでるコーラなどは、がまんしたほうがいいよ。こわれたおなかに、あなりよくないんだ。それから、かぜでおなかがこわれたときは、あたたかくしてねていようね。

こうしてお休みにすると、2~3日でおなかはもとどおりになるよ。それでもおなかがなおらなかったり、うんとねつがでたり、とってもきもちがわるくなったりしたら、おとうさんやおかあさんとびょういんへいこうね。こんなときは、おなかをこわしたはんにんが、こわいびょうきってこともあるから、おいしゃさんにみてもらわなくっちゃならないんだ。おいしゃさんがおくすりをくれたら、ちゃんとのもうね。そうすると、はやくなおって、またげんきにあそべるよ。


ご家族の方へ

子供が下痢をした時は十分に飲み物を与えてください。飲み物は、番茶やほうじ茶、湯冷まし、野菜スープ、ホットミルクなど、何でも構いませんが、体内イオンのバランスを保つ上でスポーツドリンク(イオン飲料)もよいでしょう。乳児用のイオン飲料も発売されています。下痢に伴なって吐き気や嘔吐がある時は、飲み物を一度に沢山与えず、少しずつ何度も与えてください。

かぜ、どうすれば なおるの

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こどもの健康教室

かぜ、どうすれば なおるの

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2001.1

保健同人社発行


ぜのはんにんは、ウイルスという小さな小さな生きもの。ざんねんなことに、このかぜのはんにんを、ちょくせつやっつけるおクスリは、まだみつかっていないんだ。

でも、だいじょうぶ。ぼくたちのからだのなかには、びょうきとたたかう力(「めんえき」っていうんだ)があって、じかんはかかるけど、かぜのはんにんを、やっつけてくれるんだ。かぜをひくと、ねつがでるのは、このからだの力が、はんにんとたたかっているしょうこなんだよ。そこでだいじなのは、かぜをひいたとき、からだがうんと力をだせるよう、ぼくたちが、おうえんすることなんだ。そのためにはまず、あたたかくして、ねていようね。それから、おかあさんがつくってくれたごはんを、しっかりたべようね。こうすると、ぼくたちのからだはがんばって、かぜのはんにんを、やっつけることが、できるんだよ。かぜをひくと、おかあさんはすぐ「ごはんを食べたら、ねていなさい」っていうけど、あれって、やっぱり、ただしいんだ。

おいしゃさんがくれたおクスリも、わすれないで、ちゃんとのもうね。おクスリは、かぜのはんにんをやっつけることは、できないけど、ねつや、のどのいたみ、せきなどをとってくれるんだ。

おクスリをのむと、からだがらくになって、かぜのはんにんと、たたかいやすくなるんだよ。それに、おクスリには、からだが、よわっているとき、ほかのびょうきが近づいてこないようにする力もあるんだ。「おクスリってイヤ」って、だだをこねちゃ、だめだよ。

もうひとつ、かぜをひいたら、水分をたくさんとることもだいじだよ。ぼくたちのからだは小さいから、かぜで、おなかがこわれたり、ねつであせをかいたりすると、水分がすぐ、たりなくなっちゃうんだ。だから、お茶や、さましたお湯をたくさんのもうね。「かぜのときにはスポーツドリンクがいい」っていう、おいしゃさんもいるよ。でも、あまりつめたくしないでのもうね。

かぜをひいちゃったら、みんなとあそぶのは、しばらくがまんしようね。だって、おともだちにかぜをうつしたら、こまるもの。あたたかくして、ねていれば、2、3日でかぜはなおるから、また、みんなとなかよくあそべるよ。

だいじなだいじなあさごはん

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だいじなだいじな あさごはん

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2001.2

保健同人社発行


んな、あさごはんをちやんと食べてるかな? ぎりぎりまでおふとんのなかにいて、くだものやミルクをちょっとお口にいれただけで、ようちえんやがっこうへと、とびだしていく子がいるかもしれないね。
 いま、みんなのなかに、あさごはんを食べない子がふえていて、がっこうやびょういんのせんせいが、こまっているんだよ。だって、あさごはんはみんなの一日のげんきのもとだから、しっかり食べないと、からだががんばってくれないんだ。
あさごはんがたりないと、あたまがボーツとしたままで、ようちえんやがっこうでげんきが出ないし、うんどうのじかんにもカが出ないんだ。
 あさごはんをちやんと食べない子がふえたのは、みんながテレビをみたり、ゲームをしたりして、よるおそくまでおきているからなんだよ。すると、おなかがすくから、ねるまえに、おかしやインスタントラーメンを食べたりするよね。そうなると、おなかはたいへん。ぼくたちがねているあいだもはたらかなくちやならないから、あさにはくたくた。これじゃ、おきたとき、ごはんなんか食べられないよ。
 よるおそくまでおさけをのんでいるおとなの人も、あさごはんをたべないことがあるよね。おとなでもあさごはんをたべないのはよくないんだ。
 だから、あさごはんをしっかり食べるには、「はやね、はやおき」がたいせつなんだ。こうすれば、ねるまえに食べたりすることもなくなるから、よる、おなかはゆっくりできて、おきたとき、「おなかがすいた」ってなるんだよ。

さは、ごはんの30分いじょうまえにおきようね。かおをあらって、できれば、すこしうんどうするといいよ。それから、おとうさんやおかあさんといっしょに、ごはんが食べられるといいね。みんなでおはなししながら食べると、ごはんもおいしいし、たくさん食べられるよ。
 ごはんがすんだら、はをみがこうね。そしてトイレでウンチをしよう。まいにち、あさ、ウンチをすると、おなかのリズムがよくなるんだ。
 あさごはんを食べない子は、びょうきになりやすいし、おとなになっても、すぐつかれたりするんだよ。だから、きちんとあさごはんを食べて、びょうきにまけない、げんきなからだをつくろうね。
 おさかな、おやさい、おみそしる、パン、ミルク、たまご・・・・・・。みんなのあさごはんはいろいろだろうね。ともかく「あさからなんでもパクパク」がげんきな子のしるしだよ。

はをみがこうね

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はをみがこうね

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2001.3

保健同人社発行


んな、ごはんのあとやねるまえに、ちやんとをみがいているかな。「いやだな-、さぼっちやおう」って子はいないよね。
をみがくことは、とってもたいせつなんだよ。なぜって、ぼくたちのは、ちょうど、こどものがおとなのにかわるころで、すご-くむしばになりやすいんだ。むしばになると、ズキズキいたむし、いやだよね。でも、それだけじやないんだよ。こどものがむしばになると、おとなのがへんなかっこうではえてきたりするんだ。そして、おとなのになってむしばになると、はいしゃさんにいっても、もとにもどらなくなるんだ。

では、をみがかないと、なぜ、むしばになるんだろうね。これは、たべもののカスがおくちのなかにのこっていると、むしばのパイキンがどんどんふえて、ついでに、をとかしちやうからなんだ。とくに、むしばのパイキンはあまいものがだいすきだから、おかしをたべたりジュースをのんだあと、はをみがかないと、たいへん。パイキンたちはおおよろこびで、せっせとむしばをつくっちゃうんだ。

だから、むしばになりたくなかったら、おくちのなかをいつもきれいにしておこうね。ごはんのあとやねるまえに、かならずはをみがいて、パイキンにエサをやらないようにしよう。おやつのあとも、みがいたほうがいいよ。こうすれば、わるいパイキンたちはおなかがへって、むしばをつくれなくなるからね。

をみがくときは、ハミガキコをたくさんつけてゴシゴシガリガリじやなくて、ハミガキコは少しにして、そっとていねいにみがこうね。ぜんぶのをきちんとみがくことも、たいせつだよ。とくに、おくばをわすれないでね。おくばはデコボコがたくさんあるから、たべもののカスがたまりやすいんだ。それから、のあいだも、ていねいにみがいてあげようね。

    むしばのパイキンをやっつけるには、をじょうぶにすることもだいじだよ。ぎゅうにゅうやチーズ、まるかじりできるおさかな、ひじきやわかめなどをたくさんたべると、みんなのはがげんきになって、むしばのパイキンにまけなくなるんだ。

むしばのことをしらべているせんせいたちは、「おじいちやんやおばあちやんになったとき、はがたくさんあるとながいきできる」っていっているよ。ぼくたちも、げんきでながいきできるように、おとうさんやおかあさんといっしょにをみがこうね。

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