2003年10月
糖尿病予防
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医療判断医 Dr.寺下謙三の誌上診察室 糖尿病予防 |
日経ヘルス2003年秋号 2003.10 日経BP社発行 |
相談
親をはじめ、親類には糖尿病を患っている人が多く、自分も糖尿病の素因があるのではないかと気にしています。また、出産した子供が4kg以上あったことから、医者にも「将来糖尿病になる可能性がある」といわれました。防ぐ方法はありますか?(34歳・女性)
Dr.
糖尿病に限らずほとんどの病気にいえるのは素因、つまり遺伝的なものと、環境が関係しているということです。そのバランスは病気によって違いますが、糖尿病の場合、素因のほうがやや多くて6対4くらいでしょうか。
素因がピストルの弾としたら、環境は引き金です。たとえ弾が入っていても、環境という引き金を引かなければ発症しません。つまり両親のどちらかが糖尿病であったとしても、暴飲、暴食を控え、適度な運動を続けていれば、糖尿病にかからずにすむか、かかるのを遅らせられるわけです。
また、こういう慢性の病気は、たとえ発症したとしても、自分の生活次第でそれ以上悪くならないようにコントロールすることも十分可能です。
予防という面からいえば、できるだけ早いうちからサプリメントでビタミンなどの基本的な栄養素を補っていれば、栄養のサイクルが良くなって、糖尿病にかかりにくいといえます。
子供のダイエット
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医療判断医 Dr.寺下謙三の誌上診察室 子供のダイエット |
日経ヘルス2003年秋号 2003.10 日経BP社発行 |
相談
子供の生活習慣病予備軍が増えていると聞きます。わが子もかなり太り気味で、将来が心配です。それほど食べているとは思えないのですが、遺伝が関係あるのでしょうか? 太っている子の8割は太った大人になると聞きますが、何歳くらいまでにやせさせるのがいいのでしょうか?(42歳・女性)
Dr.
最近、太る遺伝子があるということがわかってきました。
常時、私たちの細胞は分裂しており、分裂した新しい細胞にどんな情報を伝えるかは遺伝子がかかわっているわけです。もちろん、親が太っていて子供がやせている場合もありますが、太る遺伝子を持っている子供は、同じ生活をしていてもほかの子供より太りやすいということは、いえるでしょうね。
では、いつまでにやせればいいかというと、早ければ早いほどいいでしょう。
脂肪細胞の数は、幼児のころに設定されたものがずっと続きますから、そのころに太っていると、大人になっていくらダイエットをしてもやせにくくなります。特に、女性はお年ごろになって太っていると、ダイエットから摂食障害になるリスクも高くなります。
発育曲線の表と子供の体重を比べてみて、標準ラインを20%以上超える場合は、病院で指導してもらうことも必要でしょうね。
高コレステロール
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医療判断医 Dr.寺下謙三の誌上診察室 高コレステロール |
日経ヘルス2003年秋号 2003.10 日経BP社発行 |
相談
高血圧症と高脂血症(悪玉コレステロールのLDL値が高い)です。これらにいいといわれる食品をいろいろ食べたり、毎日1時間のウォーキングをしていますが、コレステロール値がなかなか下がりません。体質的なものでしょうか。(63歳・女性)
Dr.
コレステロールが高いと「脂っこい物や甘い物を食べてるんでしょ」といわれるかもしれませんが、意外とやせていたり菜食主義の人もいるんですよね。これも糖尿病と同じように、体質が関係しています。
血中のコレステロールは食べ物によって増える場合もあるのですが、肝臓で合成される割合も多く、その時点で体質が関係してくるわけです。遺伝の場合は、家族性高脂血症といわれ、薬を使ってでも下げたほうがいいでしょうね。
私がコレステロールを下げるのに薦めているのは、大量の食物繊維をとること。1日に15~20gくらいとるのが理想です。でも、野菜からそれだけの量をとるのは、大変。その場合は、サイリウムなどの水溶性の食物繊維サプリメントを活用するといいでしょう。口から摂取したコレステロールは、食物繊維とくっつけて体の外に出してしまえばいいんです。これだけでもかなり意味があります。
日経ヘルス「健康情報」2003年秋号「誌上診察室」より
糖尿病
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カルテ12 内科 糖尿病 |
NKH「健康ライフ講座」 2003.10 日本機械保線株式会社 社内報 |
総論
現在わが国では約600万人の糖尿病患者がいると考えられ、特に40歳以上の国民ではその10人に1人が糖尿病であるといわれています。糖尿病は自覚症状がないだけに、治療がされないまま放置されることが多く、悪化してからでは厳格な食事制限やインシュリン注射治療など、苦痛を伴う治療を余儀なくされます。“境界型”“糖尿病予備軍”と診断された段階で、病気の重要性を自覚することが大切です。
原因
糖尿病は血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高い状態が持続する病気です。膵臓から分泌されるインシュリンという、食物中から吸収されたエネルギーを体内の細胞にとりこみ、血糖が一定値以上に上昇しないように作用するホルモンの働きが弱くなることが原因となります。これは細胞内には必要なエネルギーが取り込まれずに枯渇しているのに、血液中のブドウ糖濃度は高いままという状態で、高血糖が血管や神経を障害するため様々な合併症を起こします。糖尿病は遺伝的な体質に加え、暴飲暴食、ストレスなどの生活環境が引き金となって発症します。
症状
自覚症状がないのが特徴で、口の渇き、多飲、多尿、だるさ、体重減少、目のかすみ、手足先のしびれといった症状を認めたときにはかなり進んだ状態であると言えます。極度の高血糖を放置しておくと、意識を失って倒れてしまう昏睡状態におちいることもあります(糖尿病性昏睡)。
診断
尿検査だけで糖尿病と確定することはできず、必ず血液検査を行います。糖尿病の程度を知る検査としては、合併症として腎臓病を調べる尿中蛋白定量検査、網膜を調べる眼底検査、神経障害を調べる自律神経機能検査などが挙げられます。
治療と対策
糖尿病の治療は食事療法、運動療法と生活習慣の改善がまず基本となります。糖尿病は残念ながら治ることはなく、進行を止める事が目標となりますので、無理な食事制限と挫折を繰り返すよりも継続性を重視したプログラムが有効です。また、様々な合併症の予防のために、症状がなくとも定期的な診察、検査を受け、未然にコントロールすることが重要です。
一生懸命足るを知る⑥ 海は魚に、空は鳥に お任せします
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2003.5~2004.4 一生懸命足るを知る⑥ |
ばんぶう 2003.10 日本医療企画 |
この夏、仲のよい先輩に誘われ、ハワイ島で行われた世界心身医学会に参加した。ハワイといえば海の遊びばかりを想起するだろうが、金槌なるわが夫婦は、陸のハワイ島を堪能することに決め込んでいた。そんな中でも、マウナケアという4200m級の山頂で、夕日と星空を眺めるツアーが圧巻だった。車で山頂まで行ける世界で最も高い山だという。もちろん、高山病の危険性もある。高所恐怖症でもある私は、海にしろ空にしろ足の届かないところにいることが落ち着かない。どだい、魚でも鳥でもないのに、海に潜ったり空を飛ぶこと自体が人間の傲慢なところである。もっと謙虚に控えめに海遊びをしたり、飛行機に乗ったりするべきだと、日ごろから多少自己弁護的に主張している。
話は飛んだが、ハワイ島での星はきれいで、マウナケアではもっときれいなのはなぜか? 何億光年も離れている星に、たかが4km近づいても意味がないはずである。理由は星の光の届く、無限大に手元側、つまり地球側の要因で星の見え方が違うのである。周囲に灯りがないところに行けば、それだけで星はきれいに見えるし、街灯が多いところに出れば、途端に見えにくくなる。物事の真理を追究するときの困難に似ている。真理ははるかかなたに厳然と存在していても、自分の近くに妨害や迷いや努力不足があると、遠くの真理はかすんでしまうのである。東京で見えなくても、何億光年か先には星が輝いているのである。もっとも厳密には、その星はすでに存在していないかもしれないが、4次元的には現存していると考えてよいのである。せっせと真理を探究しながらも、恒久の世界に思いをはせ、小さな自分をそれなりに受け止めていきたいものだ。
張りぽて人生を送るくらいなら、ハワイ島で乗った調教された馬や、見事な演技を見せてくれたイルカのほうがよっぽど立派であると思った。






