2005年1月

慢性肝炎

カルテ17

内科

慢性肝炎

NKH「健康ライフ講座」№65

2001.7

日本機械保線株式会社 社内報


現在200万人以上の患者数とも推定される慢性肝炎ですが、肝癌の原因ともなる肝硬変へ進行するおそれもあるため、非常に注目されている病気です。厚生労働省は平成14年度から、総額600億円の予算を投入して40歳以上のすべての成人にB型、C型肝炎の検査を実施するという対策をとっています。肝炎とはあらゆる原因による肝臓の炎症の総称で、その原因も様々です。
今回は肝硬変の原因の90%を占めると言われている、慢性のウイルス肝炎の概論を説明します。


原因

一般的にアルコールが原因と思われがちですが、日本での原因はほとんどがウイルスです。ウイルス性肝炎の中でも特に、肝硬変や肝臓癌といった重い肝臓疾患への移行率が高いのは、B型・C型肝炎です。感染源としては、ウイルスに汚染された血液の輸血を受けることや、薬物乱用者の間での注射器の回し打ち、出産時の母子感染、性行為感染などが挙げられますが、ウイルスの種類こよつて感染経路は異なります。
最近10年以内に発見されたウイルスもあり、今後の解明が必要です。病態が明らかになるにつれ、献血用血液から感染血液を除く検査が採用されて輸血後肝炎が大幅に減るなど、感染予防のための対策が進められています。

症状

肝臓は沈黙の臓器と呼ばれ、特に慢性肝炎についてはほとんどが症状なく進行します。そのため肝癌死亡者の7割以上を占める慢性C型肝炎も、末期になるまで感染に気付かず手遅れになるケースもあります。
症状は食欲不振や疲労懲、腹部の不快感、痛れ、膨満感などです。

治療と対策

肝炎の原因によって治療方法は異なりますが、ウイルスを駆除できる、またはウイルスの増殖を抑制できる抗ウイルス剤が最新の治療として注目を浴びています。また研究の成果により、治癒率も改善されてきました。
感染経路は血液や性行為を介することが主ですので、家族への感染が心配される場合も、同じカミソリや歯ブラシを共有するなどのことがなければ、日常生活における接触で感染することはないと考えられています。

グローバルより顔なじみ⑨ 必学!心理学的ファンデルワールス力

 

2004.5~2005.4

グローバルより顔なじみ⑨
必学!心理学的ファンデルワールス力

ばんぶう

2005.1

日本医療企画


今日は、少し難しい言葉を覚えてほしい。「ファンデルワールスカ」という物理学の用語である。2個の原子が非常に接近すれば、相互の弱い結合作用が生じるという自然の法則である。そしてその相互吸引力は、それぞれの原子に特有のファンデルワールス半径と呼ばれるものの和に近づくまで増大し、それよりもさらに近づいてしまうと、今度は正反対に強く反発しあうという現象が起きるのである。しばしば自然界の現象は、人間関係の学習に役立つことが多い。この現象でピンとくることは、人間関係の「間合い」に酷似しているということだ。人はある程度近づくと、互いに引き付け合うが、それぞれに定まった距離感以上に近づくと反発し合う。この距離感が「ファンデルワールス半径」にあたると仮説してみた。
 しかし原子の場合は、その原子独自の一定した「ファンデルワールス半径」が存在する。人間の場合も独自の距離感はあるのだが、時と場合で変動するから物理学のようなわけにはいかずにそこが難しい。各人の好奇心、寛容力に加えて、相手方との好き嫌いを中心にした相性があり、また社会的な(仕事関係など)バイアスも「間合い半径」の決定要因となるからである。そして同様に相手方の「間合い半径」もあり、その和が「お互いの間合い」となるわけである。しかし、そんなに難しいことではあるが、これは勉強してマスターしがいのあることであろう。私が仕事で、さまざまな心理医学的相談事を受ける場合の問題事は、たいていの場合は人間関係に起因するものである。私自身がかつての嫌な体験を順に並べると、親や親友を亡くしたこと以外の上位のほとんどが人間関係の間合いの失敗であると認めざるを得ない。あまり杓子定規に、「間合い半径」を決めてしまうのも、人生世智辛くなるが、快適に生きていく知恵として、活用してほしい。

imidas2005

安心できる医療に巡り合うために

imidas2005

健康欄 執筆

2005.1

(株)集英社 出版


密室医療から契約サービス医療へ移行?

医療の情報開示に基づき自己責任選択で自分の健康を守る時代。

元来、医師と患者の関係は「父親的温情主義」に近いといわれてきたが、医療技術の進歩、個人の様々な自由と権利の芽生え、契約・訴訟時代の台頭などの環境変化が生まれ、アメリカを中心にして「契約サービス業としての医療」という考え方が主流となりつつある。現状の日本国民は「医は仁術に基づくお任せ医療的安心」を心の中では望みつつ、「時代に即応した情報開示に基づく自己責任的医療」を推し進めていくべきだという矛盾を内包する、ある種の戸惑い状態にあるのではと分析される。しかし、自分の責任で医療を選択して治療を受ける傾向は進むだろう。

  • 病気への新しいアプローチ
  • 社会環境と病気
  • 健康管理のキーワード
  • 日常的な病気と対策
  • 新しい医療への挑戦
  • 変遷する医療の仕組み
  • 医療の品質管理

●imidas viewpoint

●2010年を展望する

消化器外科 NURSING

表紙

消化器疾患看護の専門性を追求する

巻頭エッセイ

消化器外科 NURSING

2005.1.1

株式会社メディカ出版


「医療の仕組みをアレンジしていくだけでも、安心で快適な医療環境をつくることができる」というコンセプトのもと、20年前、仲間の医師らと私的医学医療シンクタンク(現寺下医学事務所)を創設しました。設立当初は電子カルテや医師の相互コンサルトシステムなどの開発を行いましたが、行き着いたところがローテクノロジーの「主侍医」という考えでした。今までの「主治医」は、日本の保険システムの制限で「病気になってからの担当医」ということであるのに対して「健康なときからそばにいる医者」という意味です。まさしく皇族の「侍医」のような役割を受け持つ医師です。主侍医は、交響楽の指揮者や飛行機の管制塔のような役割を担いますが、なによりも患者さん(主侍医としてはクライアントと呼んでいます)のさまざまな医療決断を支援することがおもな役割です。

今や、日本にもアメリカより「情報開示と自己責任的医療」の波が押し寄せています。この現象は、マスコミによれば国民の要望であるとしています。私の考えでは、アメリカと日本の社会的背景は違い、本当は日本の国民は「医は仁術じんじゅつに基づくお任せ医療的安心」を望んでいるのではと考えています。その間を埋めるのが、われわれの提唱している「主侍医」なのです。何事も「決断」することには知識とエネルギーが必要です。車や家を買うときはもちろん、昼ごはんに何を食べるかを決めるのも時には迷います。ましてや命がかかった医療決断には、計り知れない知識とエネルギーと心の強さが必要です。

われわれ主侍医の専門は何かと聞かれたら「医療判断医」と答えています。クライアントの医療決断を支援するのがおもな職務だからです。この決断には医学的根拠はもちろん、心理学的情況と社会学的背景への十二分な配慮が必要です。実際的な専門医の人脈も不可欠です。専門医や治療法選びから、病気の受け入れ方、予防医学的活動などについてクライアントの方と一緒に決断していきます。今のところ実験的実践といったところであり契約人数を限定させていただいています。看護師さんの経験がある方で、われわれの考えている「医療決断支援師」を目指される人を求めています。我と思われん方はぜひ門を叩いてほしいと願っています。

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