正しい生き方から美しい生き方へ① 感動ありがとう

 

1998.4~1999.4

正しい生き方から美しい生き方へ①
感動ありがとう

ばんぶう

1998.4

日本医療企画


日本中の皆が楽しみにしていた冬季オリンピックも終わってしまった。このオリンピックほど皆がテレビの前で涙を流したことは他にはないのではないだろうか。特にジャンプの原田選手は印象的である。一回目のジャンプが悪くハラハラさせておきながら、2回目は予想以上に飛んだ。本来なら安定して飛ぶほうが正しい飛び方であろうが、原田のようなほうが我々を楽しませてくれた。言うなればこちらのほうが美しく感じて我々が感動したのかもしれない。

 正しさは客観的だが美しさは主観的である。
最近はテレビをみても、新聞を見ても暗いニュースや腹立たしいニュースばかりである。そんななかこのオリンピックは夢と感動を与えてくれたから、「感動ありがとう」という言葉がよく聞かれるのである。「感動」も「ありがとう」も最近は縁が遠かった。「末は博士か大臣か」で、我々が子供の頃は夢を持ち、勉強もしたし、よく遊びもした。その子供たちの目標であった学者や医者や弁護士、政治家、官僚の実態がこんなにはずべきかたちで露呈してくる現在、子供たちは何を目標に毎日を過ごせばいいのか。刹那的になったり、おかしな行動をとったりするのは彼らの親や先生だけの責任ではなく、大人の社会全体の責任であろう。今こそ、本当の大人たちは美しい生き方の手本を子供たちにみせて上げる時であろう。

    

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