ドライアイ

カルテ30

眼科

ドライアイ

NKH「健康ライフ講座」№78

2008/4/20

日本機械保線株式会社 社内報


ドライアイとは涙(涙液るいえき)の量が減ったり、その機能が低下することにより眼球の表面部分である角膜(黒目の部分)や結膜(白目の部分)になんらかの障害が生じている状態を総称した病態です。病態の理解のために、涙の役割の主なものを列挙してみる。角膜や結膜の乾燥を防ぐ。角膜の表面を滑らかにして光の屈折を整える。角膜や結膜への栄養を運んだり異物や不要物を洗い流す。感染を防ぐ。涙はこのよな重要な役割を果たしています。「たかが涙、されど涙」といったところでしょう。


症状

症状は前述の涙の機能が損なわれるために出ることになります。最も多い自覚症状は、角膜の乾燥によるものです。眼が乾く、ゴロゴロした違和感がある、痛むなどです。感染しやすくなり、目やにが多い、かゆい、充血するといった症状も比較的多いようです。長く続くと眼がかすむといった視力異常を訴える方もいます。

診断

問診による自覚症状の評価が大切ですが、眼科では、涙の量の測定と角膜の表面の観察が確定診断として行われます。涙の測定法には、シルマー試験、フェノールレッド綿糸法、涙液層破壊時間測定法と呼ばれる方法のいずれかもしくは組み合わせで行われます。角膜結膜の観察は細隙灯(さいげきとう)顕微鏡と呼ばれる眼科診察器具にて観察します。涙液量が少なく、角膜結膜の表面に障害を認めれば確定診断となります。

治療

涙の分泌を増加させるような根本的治療はまだ確立されていないため、人工涙液と呼ばれる点眼薬で涙を補充していく治療法が主となります。他の病気が原因でドライアイをきたしている場合は、原因となる病気の治療を行います。角膜や結膜の感染を合併した場合は抗生剤の点眼を行います。

その他

根本的治療ではなく、対症療法を続けなくてはなりませんので、根気が必要です。生活環境が影響している場合もありますので、その場合は改善が必要です。

    

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