胃食道逆流症(逆流性食道炎)

  

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内科 消化器内科

胃食道逆流症(逆流性食道炎)

NKH「健康ライフ講座」№71

2006/8/15

日本機械保線株式会社 社内報


食道内へ胃の内容物が逆流することにより引き起こされる症候群をいい、専門的にはGERDと略されて使われることがあります。胃酸を含んだ胃の内容物が食道に逆流することにより食道に逆流することにより食道粘膜に炎症をきたし、胸やけや胸部の痛みや不快感をきたす逆流性食道炎が本症の大半を占めます。
○原 因○

 本来胃から食道への逆流を防止するため、食道と胃の間を締める筋肉があります。しかし、その筋肉がうまく働かず胃酸の逆流を起こしてしまうことが考えられます。食道の粘膜は胃のように酸に強くないために炎症が起こりやすいのです。また、食道裂孔ヘルニアといって胃の粘膜がこの境を越えて食道にはみ出していることがあり、本症を助長する傾向があります。この状態は日本人に多いとされています。また、内視鏡的には食道に炎症が無いのにもかかわらず同様の症状をきたす場合があり、症候性GERDと呼ばれています。

○症状・診断○

 胸焼け、胸痛、胸部不快感、ゲップ、嚥下障害、のどの違和感、食欲不振、吐き気などさまざまな症状が起こりえます。 胃食道逆流症は、上述のとおり内視鏡と症状により診断されます。慢性的に炎症が続くと食道の粘膜に変化をきたし(パレット食道と呼ばれます)、発ガンの危険性も増した上体となります。

○治 療○

 プロントポンプ阻害剤やH2受容体拮抗薬と呼ばれる胃酸分泌抑制剤が特効薬ととなります。ただ、本症は再発をきたしやすいので投薬時間についても医師の指導を守り、自らの生活管理も大切です。また、難治例では内視鏡的手術がなされることもあります。

○生活上の注意○

 食べすぎ飲みすぎにならないようにし、喫煙も制限します。また、食後すぐに横になると胃酸が逆流しやすいので寝る前の食事は控えるようにしたいものです。炭酸飲料、香辛料、酸味の強いものも控え、よく噛んで食べるように心がけることが大切です。

    

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